~ビアノのルーツは チェンバロではありません!~
日本テレマン協会 東京定期
『チェンバロ&フォルテピアノ
東京文化会館 小ホール
19時~
チェンバロこの中野 振一郎
フォルテビアノ:高田 泰治
実は3月17日に神戸で聴いた音楽会と、ほぼ同じプログラムでした。
今日の曲は、すべて『協奏曲』となってはいるものの、現代の範疇での協奏曲ではなく、この場合は、2つの楽器が一緒に『協力して演奏してつくられる曲』ってことで、つまり 今で言う『二重奏』です。
神戸の公演で「えっ! オーケストラが無いじゃん?!」と めっちゃ驚いたので、忘れることはできません。
さて、チラシにはすべての曲に『協奏曲』明記の、今日のプログラムは
🎵J.Christian Bach:2台の協奏曲 ト長調 作品15-5(2台のソナタ)
🎵J.Sebastian Bach:2台の協奏曲 ハ長調 BWV1061
🎵J. L. Krebs:2台の協奏曲 イ短調
🎵J.C.Friedrich Bach:連弾のためのソナタ
🎵W.Friedemann Bach:2台の協奏曲 ヘ長調
これらの協奏曲はすべて オーケストラの無い 実質 二重奏の作品。
演奏はもう 素晴らしいの極み。聴き込んでいるC バッハなどは その隅々まで行き届いたバランスで、多々の掛け合いは 楽しくかつ見事。2段チェンバロを魔法の様に強弱とフレージングを自在に操る技術には 唖然。神戸では チェンバロの限界が…と言ったのは、今はもうない。フォルテピアノとの発音システムの違いによる音色の不協和から生じる 音のマーブリングは、聴いていて微妙に美しい。
また フリードリヒ・バッハの連弾では、高田さんがチェンバロに移動。楽器が変わっても 2人の掛け合いが巧みで楽しい。特にカデンツァでは 1人ずつ順番に弾いて「はいここからお願いね」って 旋律を渡していく呼吸、とあうより妙技。リハーサルはしっかりだろうけど、雰囲気は 即興をやったいる様で、見ていてスリリングで楽しいこと!
あっという間の2時間でした。
聴衆が少なかったのが、とても残念でした。