~熱狂の日以来~
帰宅途中に東京芸術劇場を見ると、音楽会がある様子。何だろうってみると、読売日本交響楽団。いつものごとくスルーしようとしたら 曲が目に入ってきた。
全 W.A.Mozartプログラムで、その中に ピアノ協奏曲第22番が入っている。
「現代ビアノなんて滅多に聴けないし(古楽器中心に行ってるから 普通の人と逆!)一番安い席があれば入ろう」
昔、読響は 当日券で一番安い席 出さなかったから、冷やかしの覚悟で行くと『残って 販売されていました』。
入ってから 指揮とソリスト それに他の曲目チェック。
指揮:ヒュー ・ウルフ
ピアノ:アンティ・シーララ
プログラムは
🎵W.A.Mozart:交響曲第28番 ハ長調 K.200
🎵W.A.Mozart:ピアノ協奏曲第22番 変ホ長調 K.482
🎵W.A.Mozart:交響曲第41番 ハ長調『ジュピター』K.551
指揮のヒュー・ウルフは 家にHaydnの交響曲第1番のCDがある!けど、印象は薄い(笑)
ピアノのアンティ・シーララは初めて「聞く」フィンランドの若手。
初めての3階席でしたが、直接音が意外に良く届いて2階席よりいい感じでした。
軽快な交響曲のあとの私の大好きなピアノ協奏曲第22番は、ラ・フォル・ジュルネ以来。こちらは落ち着いた演奏でした。ピアノはペダルをしっかり使うも、透明な音。雪のお寺の庭を観ている感じ。ビアノは灯籠に点る小さな火みたい。
大好きな第3楽章の中間部では、テンポをしっかり落してじっくり歌ってくれました。伴奏のヴィオラの持続音をしっかり出したのは、バルカン風色彩でしょうか? ヴィブラートを掛けないヴァイオリンの響きも、土臭くて素敵。
アンコールではショパンの前奏曲第8番。
端正で コンパクトにまとめた、大ホールでのモダンオケの演奏では、納得いくものでした。ウルフさんの古典派をわかったオケの扱いも好感が持てました。
シーララさんは、ベートーヴェンあたりで 私の理想に当たりそうな感じがしました。
後半はヴァイオリンの両翼配置をしっかり生かした演奏。
インテンポで清々しい演奏。溜めをつくらず最後の音も楽譜の音価でサッパリ切る。ヴァイオリンにノンヴィブラートを入れるのも 今風。
ただ読響、ノンヴィブラートの音 汚いです。ピッチが怪しいんですね。『掛けないこと』に慣れていないからでしょう。ヨーロッパの指揮者を招聘するのであれば、今やヨーロッパでは、モダンオーケストラで古楽奏法を取り入れた解釈を行うのは、当たり前。その対応ができないようであれば、そのような指揮者は始めから招いてはいけないと思うのですが…
東京交響楽団みたいに、ヴィブラートを掛けないことに慣れている楽団なら 良かったかもです。
ウルフさんはの流れるような軽快な音作りは、W.A.MOZARTに向いている感じがしました。次は メンデルスゾーンを聴いてみたいなって感じでした。
完全反復主義ではなかったけど、私の拘りのある、メヌエットの後半の繰り返し(形式的なバランスを重視)を行っていたのは良かったです。ただ、ソロパートに装飾を期待しましたが、それは採用しませんでした(これはオケの側の時もある!)。
今夜は楽しい夜でした。
早く寝ないと明日が大変。
でも 突然の音楽会だったから 夕食まだなんです。
まだ電車に乗ってます(^_^;