静かな湖畔の…~夢見る頃に教わりし歌~北海道放送(HBC) | 北十字の旅と音楽会記録が中心の日記

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旅と鉄道と温泉が大好き。
そして、クラシック音楽も好きなもんだから、音楽会を理由に、日本国内を旅しています。
音楽と旅を中心に、日記を書いていきます!

~静かな湖畔の…~

昨日からの続き。
北海道放送(HBC)製作のもう1つの素晴らしい番組。

録画したはずなのですがが見つからない!
大切にしていた録画なのですが、学校の教材で使ったり、引越しのドタバタで、一番の宝物 NHK釧路放送局製作の釧路湿原のタンチョウの飼育員を追ったドキュメンタリー『鶴になった男』とともに、消えてしまいました。そういえば アニメ『銀河鉄道の夜』も見た当たらなくなっている。

閑話休題!

その「野ばら」に続くと言うのは…

『夢見る頃に教わりし歌』
と言う作品。

世界の子どもたちが、どのような歌を学校で歌っているかを調べながら、外国から入ってきた日本の唱歌のルーツを探っていくという、二重のテーマで作られていました。

1992年の放送で、分離独立 数ヶ月前のチェコスロヴァキアの取材が多かったのが印象的。

2つのテーマをひとつずつ。

テーマ①
各国の子どもは、どのような歌を学校で歌っているか。
旧ソ連からはロシア共和国とラトビア共和国。どちらの小学校もロシアやラトビアの自国の曲のみが教材に。民族衣装を着て踊るのもカリキュラムに入ってるとか。
それに対してアメリカ合衆国では、多民国家らしく多様な音楽(黒人霊歌からロックまで)を教材としている。
韓国では 日本の曲は一切入っていません。 中華人民共和国では 多くの日本の歌が教材に(さくらさくら… あとは忘れました)入っているとも。そして中国の各民族の歌も学習するようになっている。
韓国で日本の歌が省かれているのは、占領時代の負の遺産ですね。

それに対して、日本は今もヨーロッパからの音楽が教材としてたくさん歌われているのに、韓国や中国などの アジア各国の音楽が歌われていません。
子どもが世界の国々の曲を歌うことは、その国を理解するのにとっても大切。

私も南米を旅した時に、ドイツ人とジルヒャー(ローレライやターラウのエンヒェン… が有名)の曲を歌ったところ、とても親しみをもって接してもらって 仲良くなったことを覚えています。

音楽教材を題材に 民族問題までを視野にまとめられた、素晴らしい内容でした。


テーマ②
日本の学校で歌われる曲のルーツを探る旅。

『おお牧場は緑』『故郷の空』『静かな湖畔』『夜汽車』…  その他 たくさんメロディーを、各国(の学校)をまわって調べていく。ボヘミア民謡がチェコスロバキアではなく ドイツで歌われたのは、ボヘミア王国がゲルマン人の国だから。チェコスロバキア成立に伴って ボヘミアの人々がドイツに移住したため。また ××民謡となって伝えられているのに、現地では誰も知らない曲もある。かなり驚きの内容でした。こちらの具体的な内容は忘れてしまいましたが…
その中で『静かな湖畔』が2つの曲を合体して作られた、と結んでいたのが印象的でした。

アフリカを含めての取材で、世界の子どもたちが「何を歌って育っているのか」を、政治的な側面をとらえつつ、世界の国々を音楽を通して理解することの(教育の)可能性と危険性を提示した、とても良質な番組でした。

最後に チェコとスロヴァキアの子どもたちが一緒に仲良く、それぞれの民謡を歌うお祭りで終わっていました。その収録の2ヶ月後に チェコとスロヴァキアが分裂したと結んで。

この作品は手元にありませんが、横浜の県庁(山下公園)近くの、『放送ライブラリー』に 昨日の日記の「童はみたり」と、この「夢見る頃に教わりし歌」。ついでに「鶴になった男」もあるのを確認しています。無料で観たい時に ゆっくり散歩をしながら見れる環境にあるのに感謝です。
どちらの作品も 久し振りに観たくなりました。

長い日記を 最後までお付き合い ありがとうございました。