ヨコハマトリエンナーレ2020 | 北十字の旅と音楽会記録が中心の日記

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旅と鉄道と温泉が大好き。
そして、クラシック音楽も好きなもんだから、音楽会を理由に、日本国内を旅しています。
音楽と旅を中心に、日記を書いていきます!

今日は、ずーっと裏切られ続けて、前回は完全にパスをした、地元横浜の現代アートの展覧会
『ヨコハマトリエンナーレ2020』
に行きました。


今年は、テーマもはっきりしているのと、テレビの紹介の番組を見ての感想も、嫌いではなさそうなので決めました。

会場はみなとみらいに2箇所。
「横浜美術館」と「プロット48」
という、使われていない3階建てのビル。

結論から言えば、「横浜美術館」はとても楽しめましたが、「プロット48」は有料で観るとなれば 勧められないレベル…って感じでした。

今回は、横浜美術館が入場時間が指定されたチケットを事前に購入ということで、躊躇っていたのですが、確実に時間が取れるとわかったところで、10時00分~30分の回を取りました。

横浜美術館に 9:55に着くと、まあまあの行列。5分程度で入れました。
なお この展覧会、公式プログラムは無く、かつ 作品一覧も無くて、あるのは 会場見取り図に作家の名前が(すべてではなく)~書かれたリーフレットのみ。なので、以下のレポートには 作品の名前が書けません。←そこからして マイナスの印象大なんですけど… もちろん 作品脇のところには 作品名や材料等の札はありましたが、いちいち書いてられないので。

ちなみに 最初に出会う作品は、横浜美術館の外を幕で覆ったという≪フランケ≫の作品。見て「へーっ」でおしまい。

まずは会場内の展示をゆっくりと観ました。
入口の正面にあったのが、今回のパンフレットなどを飾った≪ケイヴ≫の作品。これは四方と中央の通路、それに2階からも眺められたので、外からの光が反射するところをみつけると 綺麗に見れました。←ここは無料ゾーンでした。


チケットのチェックを受けて、有料のゾーンへ。
私の回りかたは空いている部屋から入ったので、展示順ではありません。ただ、どのように回ったかの記憶が微妙なので、通常の順で、印象に残った作品についてのみ書いていきます。

≪竹村京≫は使われなくなったおもちゃを並べ、そこに紫外線を当てて、生命を再注入されたかのような作品。だれがいつ遊んだのかと 考えることができました。

≪アンドリュー≫はオーストラリアの砂を製図機のようなもので、立て掛けられた大きなキャンバスに描いていくもの。90日かけて描きあげるので、会期のはじめに行くと、何がなんだかわからなかったかもしれません。札幌?のトリエンナーレで観た記憶があります。


続いて入った部屋は映像作品中心。
≪飯山由貴≫朝鮮人の問題。日本国憲法が『国民』と標記したため、朝鮮人がそれから外れたことの問題を、幅広い観点から考察したもの。もうひとつは、精神病院の在り方。精神病院に入れられる患者さんが 実は精神病でないこともある…等々、闇の部分を抉ったもの。
じっくり、最初から最後までしっかり見ました。

≪バルバ≫いくつかある放射性廃棄物を扱った作品のひとつ。他の作品よりソフトな感じ。

≪岩井優≫これは参加型の作品。この室内や美術館のまわりを清掃。その感想を貼っていくというもの。

≪金氏徹平≫小さなオブジェを結合させた造形作品。なかなか奇妙で 気味悪くてユニーク。


≪シメ≫電気の基板を張りつけたアート。何の形か想像させるのは面白かったけど、四角い基板を整然と並べたものは、「で、何?」

≪ギュレシ≫変な体操競技の写真。意味不明だけと、面白かった。

≪ゴリンスカ≫ふかふかの凸凹マットを並べたもの。靴を脱いで歩けました。めちゃ楽しい。子どもは大はしゃぎ。ほっこりできる素敵な作品でした。


≪パク≫放射性物質を仏教に置き換えたインスタレーション。日本の原子力発電の名前って、文珠、普賢…って、そこに斬り込むところに拍手。

≪ファブレガス≫一番目立つ作品。ふかふかの大きな『腸』をイメージした、不気味なはずなのに めちゃ明るく楽しく座れちゃう作品。子どもはかくれんぼしたり、親子連れには大人気。


≪マハチェバ≫これが私的には一番受けた。変な体操競技の道具が並んでいます。

↑右手のあん馬はとっ手が1つしかありません

≪不明≫南洋の島々で行われた67回の原爆、水爆実験のあとを追ったインスタレーション。強烈。心を抉るような作品。会場案内図の欄外にメモしたので、誰の作品かわからなくなりました。

≪佐藤雅晴≫別紙の作品解説が置かれていました。それを参考にしながら観ると、方向性(自由な発想)は限定されますが、よくわかります。めちゃ面白く観れました。

↑手前の2人の女性、足につけているのは 歩行の補助装置。これは事前予約の体験型アートのひとつです。

有料ゾーンから出て、無料のゾーンで3作品。
≪青野文昭≫瓦礫を結合させた造形作品。以前にどこかで目にした記憶が鮮明。東日本大震災の遺物を使ったところは、どうしても心にズシンときます。


会場案内図に記載されていない2作品が別の部屋にありました。
・横浜の橋の欄干のスタイルを金属で作った断面に、観に来た人たちが食塩水を振りかけ、腐食させていくという 時間を反映させた作品。欄干の模様がとてもきれいでもありました。私好みの作品。


・電子的な音を聴く、という作品。2つあり、私は舞台上に置かれた複数のスピーカーからの音を歩きながら その変化とともに聴く作品が面白かったです。


以上が横浜美術館。

横浜美術館から歩いて5分の「プロット48」へ。ここは以前、アンパンマンミュージアムだったところ。今やまったくその痕跡すら残っていません。廃墟と化したビルでした。

「プロット48」 に着いたのは14時過ぎ。こちらは横浜美術館に比べると、半分以下の入場者。
エントランスにあった作品。
≪グライナー≫樹木に自転車の鈴を結びつけて、紐を引っ張ると鳴るというもの。めちゃ 愉しい。これが私的に、この会場で一番良かった作品。 


2つの展示棟がありました。
まずは南棟。
1階。
どれもが 頭を白くしても意味不明。
2階。
≪ノックス≫小さな完全生態系として閉鎖された空間に雌雄のエビを入れても、生殖活動がない、という事実と、なぜだかわからないという研究成果。それを打ち破ろうと、エビに対してのアダルトビデオやら何やらを駆使して刺激しよう…という、笑える展示。


3階
≪プリダン≫こちらはヒトの女性の生殖器を形作ったニットによる造形。派手な色で、温かみを感じる作品。


続いて北棟へ移動。
その間にあった揺れる塀がめちゃユニーク。子どもが楽しそうに揺らしていました。

1階。
≪スティーヴンス≫廃飛行機の上でドラムを叩く映像。どう展開するかと待つも、変わらず。もう意味不明。
なんか、嫌な予感が… 
≪サンティラン≫宇宙船をイメージしたもののまわりにいろいろな言葉が投影。宇宙船に近づくとスタッフに注意されているのを見たので、言葉だけをとらえても、何を言いたいのかわからず。
≪ガンボ≫内戦のナイジェリアの学校を描いた作品。映像がその前に置かれた熱帯性の植物で見えにくくしていたのは、雰囲気作りかもしれないけど、残念。

結局、写真を撮りたいとも思えず、そのまま出てきました。

最後、出口に行く途中に
≪アーキテクツ≫木材を組み立て、植物を植えたり、水槽を埋め込んだりと、自然との共生をイメージさせた作品。奥に階段状になった箇所があったのですが、この意味がわからず。結局、2~3分見ておしまい。あとで調べたら、そこに腰掛けて ゆっくりとできる休憩スペースだった様。

こちらは子どもには難しい作品ばかり。ポルノに近い作品や、感想を書きたくもない 拳銃などを扱った作品など、旧アンパンマンミュージアムだから…と来た子ども連れには残念としか言えない作品が多数でした。
それと 最後の作品の休憩スペースのこともですが、こちらのスタッフの無案内ぶりには驚くしかない。リュックを背負っていたのですが、コインロッカーを 案内されませんでした。横浜美術館ではすぐに声をかけてくれました。

この2箇所を同じ日にちで観ないといけないという制約のある2000円のチケット。横浜美術館は決められた30分の間に入らないといけないなど、ちょっぴり運営方法に問題を感じました。愛知や越後妻有などのように、期間内なら日にちの制約の無いところは別の日でも入れるようにしてもいいのでは…と思いました。