東京 春 音楽祭~レクチャーコンサート と シューベルトの夕べ | 北十字の旅と音楽会記録が中心の日記

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旅と鉄道と温泉が大好き。
そして、クラシック音楽も好きなもんだから、音楽会を理由に、日本国内を旅しています。
音楽と旅を中心に、日記を書いていきます!

~ダブルヘッダー~

春爛漫って言える暖かさになってきた首都圏。でも 桜はもう少し先になりそうな上野公園。
でも、午前の公園口改札は 平日とは思えない混雑ぶり!

東京 春 音楽祭~レクチャーコンサート 
ピアノの歴史探訪~ワルター、プレイエル、スタインウェイ

11時~
東京文化会館 小ホール

ピアノとお話:小倉 貴久子


小さな舞台に ピアノが3台!ピアノが大きく見えます。

前半はワルターのフォルテピアノ
🎵モーツァルト:ソナタ イ長調 K.331『トルコ行進曲つき』
第1楽章は後半の繰り返しをカットして、前半の繰り返しに いろいろと手を加えた演奏を楽しむことができました。

ここでお話が入り、ピアノの歴史や楽器のこと。
また トルコ行進曲の最初の長打音の扱いについて触れ、
「耳に馴染まない演奏になるかも」
ということまで。

リズムや音まで変えて弾く箇所もありました。積極的解釈が とても楽しかったです。

続いて、ベートーヴェンの作曲が当時のピアノと密接な関係があったとのお話のあと、
🎵ベートーヴェン:ソナタ第17番 ニ短調『テンペスト』
ペダルの利用法の説明もあり、それを受けての ダンパーペダルの思いきった効果が印象に残りました。
ベートーヴェンが耳にした音が再現されました。

休憩のあと、プレイエルのオリジナルのピアノで
🎵ショパン:子犬のワルツ、ノクターン第2番 変ホ長調、バラード第1番 ト短調
ワルターに比べると、音は豊かに甘い音色に!
ノクターンがその音色にピッタリでした。
私の好きなバラードは 優しく美しく響きました。

次はショパンと関係の深い作曲家を
🎵フィールド:ノクターン第2番 ハ短調
名前は知っていても 耳にした記憶はないかも!ショパンに似た形式の、美しい曲でした。

🎵カルクブレンナー:ロマンスと華麗なロンド ヘ長調
こちらはショパンよりベートーヴェンやハイドンに似た作りの曲。私好み。
プレイエルの暖色系の音が 素敵でした。

そして最後はスタインウェイのピアノで
🎵ドビュッシー:クープランの墓~前奏曲、メヌエット、トッカータ
スタインウェイ社の歴史の話がありました。
フォルテピアノから聴いてくると、その音の輝きはひとしお。ドビュッシーの曲を小倉さんで聴けるなんて、貴重かなって思いつつ 楽しみました。

アンコールは
🎵ドビュッシー:花火
華麗で鮮やかでした。

お友達とロシア料理でお昼。
その後、神保町で山の関係と中古CDのお買い物。
すると もう時間。Uターン。

東京 春 音楽祭
シューベルトの夕べ 

19時~
東京文化会館 小ホール

ヴァイオリン:堀 正文
ヴィオラ:佐々木 亮
チェロ:木越 洋
コントラバス:吉田 秀
ピアノ:ゲルハルト・オピッツ


弦楽器はN響のメンバーですね。私好みの音には、期待しないで行きました。

🎵シューベルト:弦楽三重奏曲1番 変ロ長調
初めて聴く曲。N響の方々はなぜにあんなに簡単そうに弾くのだろう。爽やかな曲をあっさりと、って感じに!

🎵シューベルト:ヴァイオリンソナチネ第3番 ト長調
ソナチネといいつつ、しっかりした作品でした。初めて聴く曲。この曲も堀さんが弾くと 楽に弾いている感じがしてしまう。

🎵シューベルト:アルペジョーネソナタ イ短調(ヴィオラ版)
これは大好きで、良く聴く曲!フレーズ毎に表情づけが丁寧にされている熱演型。ピアノはピッタリと後ろについている。楷書になったり隷書になったりと、様々な表情で歌うヴィオラを堪能できました。

休憩のあと
🎵シューベルト:ピアノ五重奏曲 イ長調 ます
なかなかの熱演でした
第1楽章をはじめ、繰り返しをしっかり行っていたのにはビックリしました。でも、同じ演奏を2回って感じ。残念。
剛健な第1楽章、柔和な第2楽章の対比は明快でした。
軽々とした第3楽章のあと、『ます』の第4楽章は、変奏毎に 表情を大きく変化させていました。
終楽章は端正に仕上げ、後半の拍手を誘う休符は 短く切り上げ、拍手防止の予防をした様。
弦楽器を主役にした『ます』になっていました。

ゲストで主役のハズのオピッツさんは、終止支える側での見事な合わせを聴かせてくれました。オピッツさんをもう少し聴きたかった感じでしたが、シューベルトの音楽は 仲間で楽しく弾くんだよ、っていうことがわかりました。

耳に優しい音楽会、2つを楽しめました。