エリク・ハイドシェク ピアノリサイタル:海老名市文化会館 大ホール | 北十字の旅と音楽会記録が中心の日記

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~孤高~

昨夜は一眠りしたあと 深夜に目覚め、DVDデッキの中の録画されっぱなしの『のだめカンタービレ』にハマり、しっかり観てしまいました。
で、今朝は8時半に目覚め、9時半から 久しぶりのチケット取りの電話勝負。
それは 1月の水戸室内管弦楽団。1時間45分の格闘でつながるも、既に完売。前の携帯に比べて 操作性に劣る(次の画面にやたら時間がかかる、かけ直しに10秒以上)のも一因かも。

気を取り直し 午後は、先日 この公演だけのダイレクトメールが来て、これは入りが悪いのでは…と心配になった演奏会へ。

エリク・ハイドシェク ピアノリサイタル

14時~
海老名市文化会館 大ホール

ピアノ:エリク・ハイドシェク


77歳というフランスの巨匠の1人。キャッチコピーは『孤高のピアニスト』だ。私は某音楽評論家が絶賛しているところもあり、選んだ次第。
当日券で選んだ席は1500円の格安席。それでいて23列目の正面。

プログラムも個性的。20世紀半ばの色が感じられる構成。

最初は
🎵ヘンデル:組曲 第1、第3、第2番のプレリュード
🎵J.Sebastian Bach:平均律第2集第19、第11番のプレリュード
ヘンデルとJ.Sebastian Bachを交互に演奏。
豊かな響きの中から出てきた音楽は、驚くべきことに、バロック音楽に聴こえてこない。
J.Sebastian Bachが柔らかく明るい色になっていたのには驚きました。

続いて
🎵F.J.Haydn:ピアノソナタ ハ長調
これもびっくり。こんなF.J.Haydnあるのかと…
F.J.Haydn独特の主題の対比を明瞭に分けるのではなく、フレーズ間をピッタリとくっつけて、というより 重ね合うくらいに連続させてのスタイルになっていました。
幽玄な第1楽章が、パステル系の彩りの美しさに変貌していました。
ペダルを踏みっぱなしだったのが、新鮮に耳に残りました。

🎵W.A.Mozart:ピアノソナタ第4番~Adagio
F.J.Haydn同様 美しい音。
W.A.Mozartらしくないのは既に理解。

そして そのまま
🎵L.van Beethoven:ピアノソナタ第5番 ハ短調 作品10-1
初期のこの曲が聴けるのは嬉しい。
後期の作品のような構築感より、古典的明快さのこの曲を 情緒豊かに弾きました。
旋律が美しい第2楽章が絶品でした。
ただ第3楽章で 少し緊張感が失われたのが残念でした。ちょっぴりお疲れか。

15分の休憩のあと
🎵L.van Beethoven:6つのバガテル 作品126
L.van Beethovenのソナタ作品以外は、私にはまだ未知の領域。
6曲の性格の異なる作品が、ロマンティックに演奏されました。
ちょっぴりこちらも集中力を欠いたような感じが残念。

🎵C.Debussy:前奏曲集~『四季』
ハイドシェクさんがそれぞれのシーズンに当たる曲を4曲選んだのが これ。
『枯葉』
『雪の上の足跡』
『ヒースの茂る荒れ地』
『亜麻色の髪の乙女』
こちらは うつろいやすい空気の揺れを感じさせる、磨り硝子から見る風景のような演奏でした。
最後の亜麻色の髪の乙女は、今まで耳にしたどの演奏よりも速いテンポで、1つ1つのフレーズを 風が吹き抜けるように演奏したのが若々しかったです。

アンコールは
🎵F.Schubert:楽興の時~ヘ長調
🎵J.Sebastian Bach:協奏曲第1番~第1楽章
昨夜の『のだめ』で聴いたばかりだ。
🎵J.Sebastian Bach:平均律第2集~ヘ短調、ト短調
アンコールは、F.Schubertよりバッハの方が素敵だったのは意外でした。

このホール主催の演奏会。
1500人程度のホールに聴衆は4割方。あまりに安い演奏会なのに、空席が多くて残念でした。
ハイドシェクさん、舞台の袖の花道まで歩み出て上手、下手それぞれに挨拶されておられました。
今日はN響と迷ったのですが、こちらに行って、拍手に参加できて本当に良かったです。