日本モーツァルト協会 例会『ふたりのモーツァルト』:東京文化会館小ホール | 北十字の旅と音楽会記録が中心の日記

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~凱旋~

仕事が終わって駅に向かおうとしたら、突然の驟雨。あと30mでアーケードだったから走ったのにずぶ濡れ。お昼までは長閑な天気だったのに。
電車で乾かそうにも 座ってしまったために、なかなか乾かない。
この頃 日本の天気がおかしい。

今日の行き先は上野。

日本モーツァルト協会 例会
『ふたりのモーツァルト』 

18時45分~
東京文化会館小ホール 

フォルテピアノ:小倉 貴久子、羽賀 美歩


羽賀さんは今年のブリュージュ国際古楽コンクールで3位入賞の話題の若手。今日が凱旋公演に当たっている。

私の目的はもちろん羽賀さんを聴くこともですが、大好きなフォルテピアノで4手の曲が聴けること。4手の音楽は、丁々発止がワクワクしちゃう。

全W.A.Mozartプログラム。

前半は
🎵W.A.Mozart:4手のソナタ 変ロ長調 K.358
第1に羽賀さん、第2に小倉さん。
低音担当の小倉さんのダイナミックな表現が生き生き。
旋律部分は、Allegroの楽章にも 繰り返しのあとに装飾を加えていました。
立体感あふれる元気なW.A.Mozartは、とても素敵でした。

ここで小倉さんのお話。
本日の楽器、ヴァルターの説明のあと、4手の演奏について。
「小さなフォルテピアノだと大変だ~」って。

🎵W.A.Mozart:4手のアンダンテと5つの変奏曲 ト長調 K.501
第1と第2は変わらず。
変奏が5つと本当に小ぶりな曲。
後期の作品ですが、こじんまりした緻密な演奏は、変奏ごとに性格が明確に変化していく様が楽しかったです。

続いて
🎵W.A.Mozart:4手のソナタ ハ長調 K.521
ここで第1に小倉さん、第2に羽賀さんと交代。
第1楽章は完璧。16分音符の動きがピッタリ。もちろん強弱からフレージングまで1人で弾いているみたい。
第3楽章では、コーダで主題が再現される部分でのモデラートペダルの効果が絶品でした。

休憩のあと
羽賀さんのご紹介。小倉さんの芸大での教え子だそう。羽賀さんは小倉さんを『先生』って呼んでいました。

🎵W.A.Mozart:4手のソナタ ヘ長調 K.497
演奏は、小倉さんが上のまま。
序奏をもつ大規模な作品。
この曲では美しい第2楽章が素敵でした。
第3楽章のロンドも、それぞれの主題の性格の対比が明快で、対話も楽しそう。2人で弾いていると感じさせない息の合いようは、凄かったです。

アンコールは
🎵W.A.Mozart:交響曲第40番~第4楽章(4手版)
19世紀に編曲された作品とのこと。
これも息ピッタリの圧巻の演奏。

今日は本当に素晴らしい演奏会でした。完璧すぎて、丁々発止のスリリングさ、それは私のこれらの曲に求めるスタイルとは正反対の、ピッタリ合った演奏。それは表情豊かで、バランスの良い音楽で、とても満足いくものでした。

今日はサイン会があったので小倉さんの最新のCDを購入。サインをもらって帰りました。

東京駅まで来ると、強風で多摩川が渡れないとかで、電車が止まってる。
ここで丁々発止、しなくていいのに…