オーケストラ・リベラ・クラシカ 定期演奏会:上野学園石橋メモリアルホール | 北十字の旅と音楽会記録が中心の日記

北十字の旅と音楽会記録が中心の日記

旅と鉄道と温泉が大好き。
そして、クラシック音楽も好きなもんだから、音楽会を理由に、日本国内を旅しています。
音楽と旅を中心に、日記を書いていきます!

~史上初の…~

今朝は朝イチでテレビ。
箱根駅伝予選会。
予選会を中継しちゃうことに驚きです。関東以外での視聴率って どうなんでしょう。
走りを見ながら、正月の本選も母校応援より 別の楽しみになりそうな気配。

その後、のんびりと都内へ。
上野公園を散歩して、文化会館へ寄れば 小ホールで ゲルバーさんの音楽会が始まるところ。
しかし今日は、反対側。

オーケストラ・リベラ・クラシカ 定期演奏会 

15時~
上野学園石橋メモリアルホール

指揮:鈴木 秀美


今回はメインに L.van Beethovenを入れた、積極的プログラム。

今日は前から2列目のど真ん中のお決まり席。

最初は
🎵W.A.Mozart:ヴァイオリン協奏曲第1番 変ロ長調 K.207
ヴァイオリン:佐藤 俊介
「のだめ」で使われて有名になった曲ですが、演奏会に乗る機会は極めて低いかもしれません。
5-5-3-3-2の、リベラ・クラシカにしては、大きな編成。
大編成のため、オケのアクセントが快い。もちろんソロの佐藤君も第1ヴァイオリンパートを最初から弾いている。オケのメンバーとさかんにコンタクトを取りながらの演奏は、呼吸も決まって、安定感抜群。両翼配置のオケのヴァイオリンの音の広がりが最高。
ソロヴァイオリンの伴奏では、ヴァイオリンを2にしてヴィオラ以下を1にした編成は、音色が若返った感じで、とても効果的でした。
第2楽章は冒頭から第2ヴァイオリンの分散和音の美しさにゾクゾク。CDや第1ヴァイオリンの後ろに配置されるとなかなか聴こえないこのパートの美しさに 惹かれました。
第3楽章は元気いっぱいのソロが気持ちいい。完璧な技術で安心して聴けるのでなおさら。
ソロとオケが一体となった 素晴らしい演奏が聴けました。

続いて
🎵F.J.Haydn:交響曲第67番 ヘ長調
W.A.Mozartのヴァイオリン協奏曲と同時期に書かれた曲とのこと。そうして聴くと面白い。
この67番、マニアックすぎて、かつ面白すぎる実験的意欲満載の作品。
佐藤君が第1ヴァイオリンの2プルト手前に入り、第1ヴァイオリンが6人で演奏。この当時のF.J.Haydnの曲にしては2倍の大きさだ。
しかし第1楽章の冒頭の、かわいいヴァイオリンの入りなどの繊細なところも 大雑把にならず、逆にfの場面での音の厚みが生きている。コントラストの大きなこの曲にはこれがいい。
第1楽章最後の管楽器の2回のfのファンファーレは反復後、最後のファンファーレをpにするなどの驚きの解釈も楽しかったです。
第2楽章は弦の合奏が絶妙でした。リズムが核の第1主題では弓を弾かせるような軽さと、第2主題の滑らかな旋律を歌うところの対比の妙は、オリジナル楽器ならでは。最後の部分、弓を逆さまにして弦を叩く コルレーニョ、音楽史上初、が これも可愛らしく決まりました。
圧巻だったのは第3楽章。お決まりの 何てことのないMenuettoのあとのTrio。両ヴァイオリンとチェロのソロの弦楽三重奏。特に 第2ヴァイオリンが重音で民俗楽器風の音を醸し出す様は、背中がゾクゾクしちゃうほど。
Prestoの第4楽章も変な曲で、展開部がそっくりAdagioの それもまた弦楽三重奏が主体の 新しい部分になっている。オリジナル楽器の雅な音色が渋く輝いていました。

そんな奇妙な仕掛けいっぱいの楽しい作品。知られていないのがあまりにもったいない。今日は思う存分楽しめました。
この曲を実演で聴くのは2回目のハズなんですが、前回の記憶がほとんど無いのはなぜだろう。

休憩中に先週発売された2月のリベラ・クラシカの公演のチケットを購入。主催の会場で買わずに正解。割引でいつもの席が取れました。

そして今日のメインは
🎵L.van Beethoven:交響曲第4番 変ロ長調
もちろん弦の編成は同じ。Beethovenにしては もちろん小ぶり。しかしオリジナル楽器の爽やかな響きには、この編成で十分。
序奏は大編成だと幽玄さを感じるところ。今日の演奏は和風庭園を抜ける風みたいな感じになっていました。
アレグロに入っても 爽やかな音が気持ちいい。呈示部の繰り返しも一気に入るので、繰り返した感じがしないくらい。管楽器と弦楽器の音が自然に溶け込んで聴こえてくるのがいい。管楽器の安定感も抜群でした。
第1楽章から間を置かず第2楽章へ。
第2楽章では後半のティンパニのソロが美しい。今日のティンパニは、私が読響定期会員時代に大活躍していた菅原淳さん。ちなみに先週の兵庫芸術文化センター管弦楽団でも叩いていて、懐かしく聴いていたのに、またここで会うとは…
リズムが生き生きとした第3楽章。
あまりに速いパッセージを一気に駆け抜けた第4楽章。
オリジナル楽器の小編成の身軽な L.van Beethoven、中型のホールで豊かな音に満たされた音楽は、本当に贅沢でした。

アンコールは
🎵F.Schubert:「ロザムンデ」から
クラリネットが素晴らしい音色を聴かせてくれました。