『絵本の黄金時代』展:国際子ども図書館 と『藝大ハイドンシリーズ』室内楽:東京藝大奏楽堂 | 北十字の旅と音楽会記録が中心の日記

北十字の旅と音楽会記録が中心の日記

旅と鉄道と温泉が大好き。
そして、クラシック音楽も好きなもんだから、音楽会を理由に、日本国内を旅しています。
音楽と旅を中心に、日記を書いていきます!

~小さい楽しさ~

今日も厳戒体制の横浜を脱出。
お昼過ぎに上野公園に。

まずは

『絵本の黄金時代』展

国際子ども図書館

アメリカとソビエトの20世紀初頭の絵本の展示会。
なかでも興味をひいたのが、北斎や広重の影響を受けたと考えられる作品。そっくりじゃん。
さすが展覧会だけあり、一歩踏み込んだ見方ができて良かった。

続いてお隣 東京藝術大学に移動。

『藝大ハイドンシリーズ』2日目~室内楽

15時~
東京藝術大学 奏楽堂


今回は学生主体のアンサンブル。

最初は
🎵F.J.Haydn:リラのためのノットゥルノ第5番 ハ長調
この曲は、今は無くなってしまった、リラオルガニザータという楽器2台とアンサンブルのための作品。今はリラの代わりをフルートとオーボエが演奏するのがならわし。今日もその形式。
オリジナルの編成の関係で、弦楽器ではヴィオラが中心となるのも響きの上からはユニーク。
明るく楽しいF.J.Haydnの機会音楽。ソロのフルートがアンサンブルに埋もれても、バランス良く響くあたりは、素晴らしい作品と演奏でした。

続いては
🎵F.J.Haydn:弦楽四重奏曲 作品77-2 ヘ長調
今日のプログラムの中で最も有名な曲。
最初の音から空気が違ってくる。伸びやかな主題は晴れ晴れとした美しさは夏の高原の風景。ヴィオラの対話がしっかり決まっている。
楽しいリズム遊びの、速いメヌエットは、緻密な掛け合い。これは演奏する方が楽しそう。
美しい第3楽章とフーガ的な綾が見事な第4楽章。4つの楽器のバランスの良い演奏は、 F.J.Haydnの典型的な姿でしたを

後半は
🎵F.J.Haydn:ピアノ三重奏曲第23番 二短調
後期のこの作品、ヴァイオリンはピアノから独立してはいるものの、チェロはまだピアノの左手をなぞるだけの書き方。つまり今風に言えば、チェロの補強つきのヴァイオリンソナタっていう感じ。
F.J.Haydnらしい二重変奏曲の第1楽章。二短調と二長調の主題から作られています。深刻な二短調に偏らないので、明るい感じになっちゃうのがF.J.Haydnらしい。
第2楽章はゆっくりとした、とてもデリケートな音楽。ピアノの最高音が同音反復を繰り返す中、その音から半音階で下がっていく響きなどは、すでにロマン派のもの。
第3楽章は3/4か6/8かわからないようなリズムの遊びが楽しい音楽。
今回は3つの楽器がバランス良く、チェロもしっかり表に出て演奏していたので楽しめました。昨年はピアノ主体の弦楽器伴奏っていうかたちで、あまりに暴力的で酷く、この曲集をピアノで聴くのが怖くなったのですが、その不安は解消。
今日の白眉でした。

最後はまたまた
🎵F.J.Haydn:リラのためのノットゥルノ第8番 ト長調
1曲目よりちょっぴり拡大された曲。こちらは元々 ヴァイオリンが加わるかたち。つまり弦楽器の厚さが増して、響きが豊かに。
ここでもやっぱり ソロのフルートとオーボエは、アンサンブルの一員として絡む、バランス良い演奏。ちょっぴりヴァイオリンが力み過ぎって気合いもあったけど、とっても楽しめました。
第3楽章の狩の音楽で、もっとホルンを『ブオ~~』って吹奏させても良かったって思うのは、過激派の私だけの意見かな。

今日は小さなアンサンブルの魅力を 存分に楽しめました。