~フィガロの活躍 2~
昨夜は中華街でお腹いっぱいにして帰宅。
そして今日は早起き。
横浜、5時47分発の東海道本線 各駅停車 静岡行きに乗車しました。この列車が3月のダイヤ改正で廃止されてしまいます。この静岡行き、歴史のある列車なんです。以前は大垣からの夜行列車の折り返し運用でした。JR分割後、夜行列車を『ムーンライトながら』としてからは JR東海の373系を使っています。数年前に『ながら』が臨時列車となった時に廃止になってしまうと思っていたら、夜の静岡発 東京行きの各駅停車、数年前 飯田線の旅の帰りなどに良く使いました、と この朝の東京発 静岡行きの各駅停車が残ったのでした。しかし残念ながら その列車も廃止が決定。これで 東京からJR東海の車両は消えてしまうことになります。また JRの東海へ越えて走る列車が、沼津までは数本残るようですが、無くなってしまいます。
静岡までの3時間、特急型車両の373系の旅、以前のムーンライトながらの乗り心地を楽しみました。
その後、安倍川餅の静岡、ウナキパイの浜松、豊川稲荷の豊橋と乗り継ぎ、名古屋にお昼前に到着。
地下鉄で栄に移動。
味噌カツと海老フリャ~で昼食でお腹を落ち着けて…
愛知県芸術劇場へ。芸文のアーツチャレンジから 11階展望回廊に寄り道。
↑『こんにちはこんにちはごっこ』から(黒木南々子)
背景がテレビ塔。
名古屋音楽大学 オペラ公演 『フィガロの結婚』
14時~
愛知県芸術劇場 大ホール
開場前に無料の現代アートの展覧会が観れたのはラッキーでした。めちゃめちゃウキウキものでした。
愛知芸劇は昨年のトリエンナーレで訪問はしたものの、音楽会では初めて。ホール内がとっても豪華な雰囲気。オペラにピッタリ。
今日の目的は、通奏低音(チェンバロ)の中野振一郎さん。通奏低音好きの私には外せません。昨日のセビリアも通奏低音が闊達に場面を盛り上げるのに一役買っていたから。
指揮:松尾葉子
演出:たかべしげこ
管弦楽:名古屋音楽大学
コンマス:後藤龍伸
ソリストは、アリアのある役は皆 プロ歌手を配置。
ちなみに料金は2000円。
指定席で、私の席は1階13列(前5列がピットでカット)の中央と 最高の場所。
『フィガロの結婚』といえば、昨日聴いた『セビリア』の続編。バッチリ並んだかたちに。
開演前にピットをのぞくと、チェンバロの中野さんから声をかけてもらい、今日の聴きどころの情報を仕入れてから観ることができました。
~以上 開演前執筆 以下が終演後~
予想以上の素晴らしさと面白さでした。1曲1曲 あーだこーだ詳しく書けるくらい。でもそれを 一気に呑み込み 簡略化して書きます。
まず、通奏低音が序曲からアリアまですべて入りました。PAを使い舞台上のスピーカーから流していたので、鮮明に聴こえてくる。
非常に多くの装飾を加えてきました。それは合唱曲やテンポの遅い曲に効果的。第2幕のケルビーノ、第3幕の手紙の二重唱、第4幕のスザンナのアリアで特に。
舞台は思った以上にしっかりした装置。平面的ではありましたが、照明を細かく変えることも併せて上手くいってました。
演出はなかなか細かく 良かったです。演出を語る前に驚いたのは、今回 中野さんの情報でチケットを購入。大学のHPにも公演情報がほとんど無く 配役すら知らずに行きました。今日プログラムを読んで公演を聴きはじめて、ビックリしたこと。最初の物差しの二重唱が終わり、レチタティーヴォが始まったら、なんと『日本語』。 そう 歌はイタリア語、台詞が日本語でした。
でも突然日本語が来ると驚きますね~ プログラムにもその事書いてないし。
で その演出…
第2幕:着替えの場面、夫人はケルビーノが気になってたまらない。スザンナを遠ざけようとする仕草。伯爵が戻った時、ソファでラブシーンが始まるところという、続編を見据えた解釈。
第3幕:最初 スザンナが伯爵の部屋に入る前に スザンナが夫人と とりかえばや の打ち合わせをするレチタティーヴォを明確に。最初の二重唱の意味がわかりやすくなりました。
最後の舞踏会で、伯爵はバルバリーナにピンを渡す。その場でケルビーノにそのことを話す。第4幕の最初のカヴァティーナの伏線が明確に。
など、今までわかりにくかった箇所を、明確に舞台上で語ったり、表現させたりと、初心者にもわかりやすい演出でした。
今回は 学校関係者や 父母など家族も多かったので、 これは本当に良かったと思いました。
そして音楽。
松尾さんはとても速めのテンポ。そしてインテンポ。スコアにテンポ表示のある箇所まで、そのテンポで走ってました。
そうすると アンサンブルなどで、対立的要素の掛け合いなどがのっぺりしてしまい『きれいな音楽(旋律)を聴いている』に終始して、劇的要素があまりに不足してしまった感は否めませんでした。
もちろんアリアでも、途中で表情が変わる曲などは、歌手が表現しずらかったのでは と思うくらいでした。
歌手は、演技、歌唱とも文句なしの伯爵:又吉秀一
堂々とした演技と豊かな歌唱が光った夫人:基村昌代
勝ち気な性格が決まった、清楚な声がバランス良く響いたスザンナ:内田恵美子
完璧なケルビーノ:日比野景
性格の推移を見事に変え、歌も安定したマルチェリーナ:山本みよ子、とバルトロ:松下雅人
それに様々な場面で 強烈なスパイスを効かせることに成功したバルバリーナ:鬼頭愛
以上 私的にブラボ~でした。
キャスト変更となったフィガロ役が、アリアで走るし、アンサンブルでバランス欠くしで、もう少し頑張って欲しかったです。
そして最後に…
なんでアリアのあとの拍手、あんなに早いの~
歌が終わるや拍手。音楽が終わって拍手しようとすると、もう拍手終了。
音楽が終わると CDみたいにすぐ チェンバロが響いてレチタティーヴォに入ってました。有り得ない。
これって名古屋流なのかしら。
と、楽しい日曜日を過ごせました。
帰りは名駅地下の矢場トンに行くと、長蛇の列。金山のお気に入りのお店まで行く元気ないし、結局、地下の他のお店で 味噌カツ 海老フリャ~ 天むすつき定食の夕食。
あとは金券自販機で、名古屋~新横浜 を双方から豊橋までの回数券2枚を組み合わせて 安くなる裏技を使った、ひかりの自由席利用でのんびり帰宅。