帝釈峡 と 山あいの赤い町 | 北十字の旅と音楽会記録が中心の日記

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旅と鉄道と温泉が大好き。
そして、クラシック音楽も好きなもんだから、音楽会を理由に、日本国内を旅しています。
音楽と旅を中心に、日記を書いていきます!

~酸化鉄の町~

昨日は素晴らしい宿で大満足。
朝になって南側を見ると、朝日に瀬戸内海が輝いていました。
朝食はバイキング形式で、観光ホテルとすれば副食は少なめでしたが、デザートのヨーグルトの吉備高原牛乳の美味しさはピカイチでした。
あまりに安い価格で泊まれたので 恐縮しちゃいました。

今朝は8時にレンタカーで出発。
ナビに午前中の目的地、
『帝釈峡』
を入れて、それに素直に従って走る。
ほどなく井原鉄道の線路と平行。残念ながら列車を見ることはできませんでした。
その後 中国山地の中に分け入る。ところが 標高がかなりある場所にもかかわらず 集落が多くビックリ。地図を見れば、神石高原町って 山の中だけの町。北国では絶対に考えられない行政割りですから。
途中、湿原か みたいな地名にひかれて寄り道すれば、山の中のゴルフ場でがっかり、かつビックリ。
そんなことをしながら、ナビに従って『帝釈峡』に到着。
誰もいない遊歩道は 森林鉄道の廃線跡みたいで ワクワク。素堀りのトンネルではテンション上がりまくり… と思いきや、私の行きたい場所には行けない。遊歩道が崩壊して 高巻きする道を通れ云々… 行くには峡谷の反対側へまわれとのこと。せっかくだから 産業遺産に登録されている『神龍橋』を見てきましたが、移築場所があまりに目立たない場所であるのが残念でした。
この場所は神龍湖という人造湖。暑さで水が緑色になっていて、微妙な光景になっていました。

車に戻って反対側に移動。
そちらは『上帝釈』というらしい。駐車場から峡谷を歩く。こちらは観光客がチラホラといい感じにいる。
15分くらい歩いたところにあるのが 帝釈峡のハイライト『雄橋』天然の橋です。


この辺りは石灰岩質なので、地下水として穴の中を流れていたものが川になるとこのような光景が出来てしまうのです。
長さ90m、幅19m、高さ40mだそうです。
ちなみに駐車場から5分程度歩いた左側にも、支流によって作られた、それも2段の 天然の橋『鬼の唐門』という見事な石灰岩の洞(トンネル、橋)がありました。


そして 雄橋のさらに奥には、雌橋という天然の橋もあるらしいのですが、そちらは下流の神龍湖から攻めてダメだった。決壊した遊歩道の中にあるので 残念でしたが行けませんでした。
しかし 車がないと行けない所に行けて満足。

そして午後の予定は もう1つの車が必要な場所。ベンガラの町 吹屋。

ナビを設定。
12時過ぎに出発。

ナビでは東城町から芸備線に沿って行くルートを推奨するも、私は持参した 鉄分多めの道路つき地図 を見て、林道っぽい道を選択。東城から朝来た国道に戻り、途中から備中湖という人造湖に沿った道を選びました。舗装されていましたが 私好みの木々に囲まれた細いくねくね道は、窓全開で気持ち良かったです。

そうしているうちに 行きたかった吹屋地区に到着。まず目に入ってきたのは
『笹畝坑道』
銅を中心とした廃鉱を観光用に蘇らせた施設。ヘルメットをかぶって入ります。
鉱山の見学をかなり経験している私には、もう少し頑張ってといいたい部分もありますが、入場料の安さを考えれば合格。中央の広間には かわいいコウモリがたくさん間近に見れて、満足しちゃいました。

坑道で吹屋の観光施設のセット券を買ったので、次は一番奥に位置する
『広兼邸』
見事な石垣は、岩手 遠野の千葉家を思い出しました。


この家はベンガラで富を築いたそうです。
水琴窟のある小さな庭や、茶室つきの離れなど、コンパクトな中に 展望の広がる山の上に作られた屋敷は、暑い夏にも風が気持ち良かったです。

次は
『ベンガラ館』
ベンガラ工場を復元し、その製法を 当時の道具とともに紹介した施設。
私は ベンガラより、酸化鉄とか化学式で書いてくれた方がしっくりきました。
教育的施設で、入口にある体験工房では 地元の小学生が夏休みの宿題に励んでいました。
そしてやっと 吹屋の町中へ。
駐車場に車を停めて、まずは
吹屋小学校へ。
洋風も組み入れた木造2階建ての素敵な建築物。一目で魅了されました。
その後 吹屋の町並みを散歩。


その小ささと 町並みの統一感にビックリ。暑くなければゆっくり端から端まで歩きたかった。
町並みの中、2つの家が 郷土資料館として開館。ベンガラで栄えていた当時の資料がいろいろありました。また 工夫を凝らした建築もユニーク。小さな町ながら、江戸から昭和にかけての繁栄がそこかしこに感じられる、赤い町でした。

16時になったので もう限界。
カーナビでの岡山空港到着は19時、搭乗予定の飛行機の離陸時間。1/3くらいの時間で到着できると見込んで、ちょうどの時間。
カーナビに従って 狭い道を行くと、少し下がったところに またまたベンガラ色の素敵な集落が。観光とは別に まだまだ素敵な町並みがあるではないですか。次はゆっくり 暑くも寒くも無い時期に来たい。宿泊もここなら、夜、満天の星が見えそうだし。

それにしても驚いたのは、その遠いこと。最寄りの国道、駅までの距離が 道も細いし…
地図で良く見たら 一番奥じゃないですか!

空港までの道、途中 道案内がナビと違っていたので 脇にあった道の駅で休憩、道を調べると ナビがおかしいことが判明。道案内に準じた道に入りナビを無視したら、突然 到着時間が20分早くなりました。おかげで1時間半前に空港到着。ゆっくり夕食がとれました。

そして初めて 岡山空港から羽田まで JAL。
遅れて到着、少しの遅れで離陸するも、羽田にはほぼ定刻に到着しました。

それにしても 首都圏は湿度高くて気持ち悪い。

ということで、駆け足の瀬戸内海と中国山地の旅は これでおしまいです。