日本合唱協会定期演奏会:『音楽家 ジャン ジャック ルソーの実像』情熱としての音楽~生誕300年 | 北十字の旅と音楽会記録が中心の日記

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~むーすーんで~

スーツが暑かった首都圏。やっと春が腰を下ろしてくれたみたい。

今日は
19時~
東京文化会館小ホール

日本合唱協会の定期演奏会
に行ってきました。

今日のタイトルは
『音楽家 ジャン ジャック ルソーの実像』情熱としての音楽~生誕300年

指揮:北原 幸男
監修とお話:海老澤 敏

レクチャーコンサートに近い、相当マニアックなプログラミング。

前半は
『むすんでひらいて』の源流を辿る。

🎵むすんでひらいて(遊戯歌)

以下 日本における受容として
🎵戦闘歌(軍歌)
🎵見わたせば(唱歌)

そして、讃美歌から民謡と伝わったものや、器楽曲を概観。

最後に
🎵ルソー『村の占師』~パントミム

『むすんでひらいて』 の 原曲とされているものまで、全14曲。
あとからあとから『むすんでひらいて』を1時間連続で聴きました。

日本の軍歌は、日清戦争の時に歌われたもの。

桜満開の上野に『見わたせば』はぴったりでした。

日本の歌のあとは 英語の歌詞の曲。
充実した合唱で聴く、英語の『むすんでひらいて』は 黒人霊歌にそっくり。宮澤賢治が劇中歌に使った『アフトンの流れ』を思い出してしまいました。

🎵クラーマー:変奏曲
これも『むすんでひらいて』のまま。

そして 最後に『むすんでひらいて』の原曲と言われる ルソーの「村の占師」のパントミムをピアノで聴くと ちょっぴり違和感。

そうなんです。
「ルソーが『むすんでひらいて』の原作者か?」
というのが『むすんでひらいて』研究家の 海老澤敏先生の論。

海老澤先生によると、先のクラーマーのピアノ曲、主題と変奏曲 に「ルソーの夢」と副題をつけたため『むすんでひらいて』がルソーの作品と言われるようになったということ。

クラーマーの作品が1812年作。それ以降 あの『むすんでひらいて』が そのままの型で流布していったと考えると、ヒットしたのは クラーマーの作品と考えるべきだ、と。

で 前半、14曲の『むすんでひらいて』を立て続けに聴いたらあとの、前半最後は、案の定
「皆さんもご一緒に」
もちろん振りをつけての合唱です。

めちゃめちゃ楽しく前半を締めました。

後半はルソーの音楽。
🎵「村の占師」~合唱
これはオペラで親しんでいる曲。

歌曲から3曲。
🎵私の植えたバラの樹が
ギターとソプラノソロでの歌唱。単純な4節の美しい曲

🎵3つの音の歌
ドレミの3つから出来ている曲。そんなことを感じない 充実した曲。バスのソロにエオリアンハープが素敵でした。

🎵柳のロマンス
あの「オセロ」の一節のフランス語訳。
この曲は本当に美しさの極み。ルソーの最後の作品と言われているようですが、この曲を聴けただけでも十分ってくらい。

🎵サルヴェ・レジナ
マリア様を讃えるサルヴェ・レジナは 誰の曲でも美しいですが、このルソーの曲も例外ではありませんでした。女声が天から降るように響いてくると、背中がゾクゾク。
ちょっぴり転調が無理やりっていう点が、素人くささがあって 微妙でしたが…

最後は
🎵万軍の主よ あなたの住居よ
これも美しい宗教曲。
合唱の深い響きがホールいっぱいに広がって、作曲家 ルソーの魅力がいっぱい伝わってきました。


今日は仕事疲れがピークで、寝るの覚悟で行ったのですが、古典派の音楽だと しっかり集中して聴けちゃうものですね。