東京二期会オペラ劇場~NISSAY OPERA2018 提携~後宮からの逃走 | 北十字の旅と音楽会記録が中心の日記

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今日はお昼前に御茶ノ水あたりで、ちょっぴりお買い物。
昼食のあと、日比谷に移動。


東京二期会オペラ劇場
NISSAY OPERA 2018 提携
👗後宮からの逃走
オペラ全3幕
日本語字幕付き原語(ドイツ語)上演
台本:ゴットリープ・シュテファニー
作曲:ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト

14時~
会場: 日生劇場
 


指揮: 下野竜也
演出: ギー・ヨーステン
舞台美術: ラモン・イバルス
照明: 喜多村 貴
合唱指揮: 大河内雅彦
演出助手: 木川田直聡 
舞台監督: 幸泉浩司
公演監督: 佐々木典子

太守セリム:大和田伸也
ベルモンテ:山本耕平
ペドリッロ:北嶋信也
コンスタンツェ:安田麻佑子
ブロンデ:宮地江奈
オスミン:斉木健詞
合唱: 二期会合唱団
管弦楽:東京交響楽団


この作品、数年前に池田直樹さんのセリムの素敵な舞台の印象があるものの、それ以前は、もしかすると1991年に日生劇場で観たかもしれませんが、記憶にない。またCDはモーツァルト全集、DVDも数年前の格安の企画もののオペラDVDがあるものの、どちらも手をつけた記憶がない。そしてなぜかオイレンブルクのミニチュアスコアがあるが、やはりこちらも開いた覚えがない。
予習なしを後悔しながらの劇場に入りました。

日生劇場なので(どこの席からもしっかり舞台が見えるので)今回は一番リーズナブルのB席。2階の6列(中央通路の後ろの列)の中央、舞台全体が良い角度で見下ろせる位置。日生劇場の2階正面は、私的にはGSや1階後方より、お気に入り。

最初、倉庫風の背景があり、先日の三部作の延長か?と思いましたが、もちろんそれとは無縁。
軽快に序曲が開始。中間部に入ると舞台が動き出しました。そのまま第1幕に続くベルモンテのアリアの場面から、オスミンが部下を引き連れて、ベルモンテをいたぶる場面。あまりに暴力的な場面が続く演出に、観ているこちらのテンションがドン底になっちゃいました。そのため こちらの気分が標準レベルに戻るのが休憩のあとの第3幕までかかりました。
なので、第1幕と第2幕はこちらのテンションが下がった状態で 観ることになりました。

なので、まずは配役について。
今日の5人の歌手と1人の語り手ですが、大和田さんは もちろんテレビを通じて良く拝見させていただいてますが、実演を観るのは初めて。良く通る 落ち着いた声は、セリムにぴったり。ただ、日本語とドイツ語のチャンポンはどうにも… 異国の太守の役なので、異国の人が話す場面を すべて日本語に統一した方が良かったように思えました。大和田さんの日本語のきれいな言葉は魅力的。それに対してドイツ語の発音で ぼやける場面があったのが残念でした。

歌手の4人は初めて聴く人たちかもしれません。皆、若手でこれからの逸材というところ。
その中では、安田さんと斉木さんが頭ひとつ出ていた感じです。安田さんはあのアジリタ満載のアリアが安心して聴けましたし、斉木さんは第3幕のアリアが安全運転すぎてフラストレーションがたまりそう(←下野さんの音楽作り)。それはもっと切迫させるようにガンガンと歌わせて欲しかった と思わせる実力があったから。
他の3人も十分聴かせてくれました。ただ、テノールの方が、ちょっぴり高音で苦しそうに感じたり、fの箇所で叫ぶように聴こえたのが 次回への課題でしょうか。

演出については先に述べたように、ドイツ語の台詞の部分(に日本語が脈略もなく入る)ところが一番大きな課題のように思えました。
それと私にとっては、暴力で始まるのに凹んでしまいました。ただ、よく考えると 暴力での敵対に対して、許すことの美しさへの対比なのかもしれない、とも。しかし、それがわかるのが最後の場面なので、そこを理解できずに観ていた前半が辛かったです。そんな感情があったため、浴場で歌うブロンデのアリアで、タオルを巻いたり、オスミンをからかう場面など、どうにも下品に感じてしまいました。

今回は助演も含めて配役全員の 舞台上のテキパキとした動きが、背景を効果的に動かす流れも、見事でした。幕が開いてから降りるまで、舞台が停滞することがありませんでした。

舞台は4枚のパネルを、上で述べたように、舞台上の人たちが 演技の中で動かしながら、舞台装置を組み立て、それぞれの場面を作り出していきました。それが自然で無意識に次の場面に気持ちが移行できたのは 良かったです。

照明は第3幕が印象的。舞台後方を暗転させ、舞台前面にソリスト。その時に客席を全灯させるという驚きの効果。また幕切れで、最後にセリムからコンスタンツェに渡された金の箱を舞台中央に置いて終わった時に、残った照明で、その金の箱だけが輝くところが、めちゃ印象的できれいでした。これは第3幕開始前(休憩中)に紗幕につけられた金の(後宮の部屋のデザイン)箱の模様と同じ。この直方体の箱のデザインが強烈な印象となって残りました。

第3幕は『箱』を中心に、人の心の動きを巧みに映した 素敵な演出でした。

そんな舞台でしたが、目の前の2階のS席(は中央の前2列以外)とサイドのA席(30枚くらいしか売れてないんでないかい)にはほとんど人がいなかったのには驚きました。今日は首都圏でオペラが3つも当たったこともあるのかな。ちょっぴり残念って思いました。

↑ホール入口ロビーは すでにクリスマス仕様🎄

今日のお昼ご飯は 上等カレー。大阪とちがい 神保町近くの小川町店では、私の好きなキャベツのピクルスが取り放題なのがいい。


そして夕食は、横浜、港南台の 味奈登庵。ここは系列にお蕎麦を供給する工場併設なので、打ち立てが食べれるのがいい。そして丼のセット、特に玉子丼が絶妙。そして半端ない麺の量。このまま寝たら明日の朝、お腹が大変😁


お腹もあわせて充実した1日でした。