旧 石部隧道 と ふじのくに地球環境史ミュージアム | 北十字の旅と音楽会記録が中心の日記

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旅と鉄道と温泉が大好き。
そして、クラシック音楽も好きなもんだから、音楽会を理由に、日本国内を旅しています。
音楽と旅を中心に、日記を書いていきます!

焼津でお目覚め☁️

本当は長野県方面の湿原にワタスゲとニッコウキスゲを見に行く予定でしたが、天気がダメそうなので、方向を静岡に変えた次第。

焼津黒潮温泉の健康ランドは、ゆっくり休めました。が それは、利用客少なめってことで ちょっぴり心配。
食べ放題の朝食、今日はフレンチトーストが無くなっていて、ショック🍯 でもしっかり和食のあとに洋食をおかわりして、満腹スタート。


今日は静岡市周辺で、鉄道利用では行きにくくて難儀していたところ、2箇所をまわるのが目的。

まずは、旧東海道本線 石部隧道あと。
廃墟好きの間では 超有名なところ。そしてこの10年で、上り線の隧道入口が大崩落したという、まさに10年レベルでの大きな変化が見られる、生きている廃墟。
その理由は、地形を見れば明らか。なにしろこここそ、フォッサマグナ(糸魚川~静岡構造線)が海に沈んでいくところなのですから!そして それに波の浸食が常に加わっているのであればなおさら🌊

焼津から車で10分足らず、海沿いの県道(旧国道)を用宗駅方向に走り、トンネルの手前の小さな広場に車を止め、海の方へ排水路に沿った藪を下りていく(登山靴でもかなり危険。スパッツつけてスニーカーの方が良かったかも)。
廃線、廃道歩きの鉄則『草の枯れている季節』の掟を破っての訪問。なので、ドロドロツルツルの足元に加え、雑草の藪こぎ、クモの巣、波しぶき、蒸し暑さという、大変な探訪となりました。健康ランドで朝、着替えるのを躊躇、昨日の肌着を(靴下まで!)着用したのが大正解。

旧東海道本線の石部隧道。圧巻でした。
東海道本線が付け替えしたあと、一時 道路に転用され、放置されたもの。今は、トンネルから出たあとの路盤まで完全に海岸に崩落しており、その残骸が海岸にゴロゴロ。








自然の力を思い知らされるところです!
それにしても、フォッサマグナの上の海岸線にトンネルと路盤を作るって、今考えれば 暴挙ですね。

その廃墟から戻り、静岡側にトンネルをひとつくぐると、そこには『石部海上橋』という、名前の通りの 海の上を通る橋があります。


ところがそこから陸上を見ると 崖に沿って 崩落した岩に耐えている洞門があります。


つまり、危険回避の海岸橋。ここでも大きな地殻変動による、地盤変動の現状を感じることができました。

ちなみに、焼津から最初の廃墟に入るまでの途中には新しくて長い 中でくにゃくにゃと曲がっているトンネルがあります。ここは数年前に大崩壊を起こして道路を寸断して新たに掘られ 昨年完成したもの。崩壊箇所に行こうとしたものの、厳重なバリケードがあり、今日は こちらは目的ではないので乗り越えることはやめておきました。バリケード手前からは 崩落箇所は見えませんでした。

続いて もうひとつの目的地へ。
日本平に近い やたら不便なところにある
『ふじのくに地球環境史ミュージアム』
2年前にオーブンした新しい博物館。地球環境ってところが興味を惹くところ。静岡県立なので 静岡を中心とした展示にはなるものの、特別展も私の興味関心に近いものが企画されている。

到着してビックリ。なんと駐車場の脇が野球のグラウンド。高校生の部活が練習中。その上には校舎があり、高校に併設の博物館??と思って入口に行けば、高校の正門?
 
そう、ここは5年前に30年で廃校となった 県立高校の校舎を転用して開館した博物館とのこと。なので、展示室が細かく分かれている~つまり教室~。

エントランスでは この博物館の方向性を示す映像や展示品があったものの~縄文時代の土偶まで~それをすべて網羅するまでの展示には届いていないのが現状。それは3階建の校舎の2階までしか開放していないところや、ツキノワグマの剥製に月の輪のない個体を置いてあり、解説の方が「今 月の輪のあるツキノワグマを探している最中」と言っていたことも…

しかし、静岡といえば 地形・地質の特異性。南アルプスを有する高山地帯から温暖な伊豆半島までの生物相。それに、地質や化石などからわかる地球と生物の時間的変遷。

今回、すべてに興味を示しゆっくり観たわけではありませんがいくつかの箇所にはハッとさせられました。
特別展示の『南アルプスの自然』ではライチョウのテリトリーの研究(論文が読めればいいのに…)。
延長された特別展示の『美しい鳥の羽』
死んだ鳥の羽をきれいに外して、それを順に広げて見せるもの。小さな身近な種から 注目に値する種まで、鳥好きにはたまらないもの。


常設展示では、そう、学校らしく、展示の台に机や椅子が大活躍。様々な工夫にこちらも驚いてしまうくらい。




展示方法からテーマまで 楽しく観ることができました。
私的には、鳥が~もしかすると仕入れが間に合わないからなのか~木製のものが多数 展示されていましたが、剥製に比べて 色褪せしないので、とても見やすかったのが、好印象。これは無理やり剥製に変えなくてもいいと思いました。
また、高山帯の岩に張りつく苔など~サルオガセまで~の一般的に注目することのない種の展示まであったのには、ここの学芸員のこだわりが感じられました。

ただ、個々の展示に対する解説は少なく、興味の持てる人(大人)にはいいですが、子どもには何がなんだかわからない可能性も。骨格標本では 進化の観点の解説が一つ一つにあればいいのにと思いつつ、そこにはきっちりと頭の向きに小さなラベルが貼られてはいるものの、展示を観る人の動線は、横向き。展示が意地悪に感じることも。

そんなこれからの博物館。めちゃ不便(だから30年で廃校になった?)なところですが、また機会をみて 行きたいと思いました。

博物館の休憩室で お弁当を買ってお昼。ここは図書館だったのか、自然関係の図書も充実した空間。とっても居心地が良かったですが、ここではまると(温泉に寄りたいので)あとが大変なので、食事と数冊の本をチラッと見るだけにしました。


あとは帰宅するだけ。
でもこの時点で13時すぎ。
ならばちょっぴり寄り道も行けるかな…と、行先標を日本平に。

初めての日本平。
展望台は工事中で富士山方向しか見えませんでしたが、ちょっうど富士山から箱根までの山が見え始めたところでラッキーでした。


その後は下に下りて、三保の松原に こちらも初めての訪問。
羽衣の松が3代目っていうのも驚きましたが、その3代目って、2代目のひこばえからの…と思いきや、誰かが「これが良い形だからこれにしよう」って決めたということらしい~一緒になったバスガイドさんのお話~ これには笑うしかありませんでした。なんと適当!


三保の松原からの帰り道、右手に国鉄 清水港線の廃線あとらしきものが 見えて、かなり食指がうごきましたが、今日はパス。駅の跡や路線跡も見ずに一気に東へ。

途中由比から旧東海道の街道あとの県道を走りましたが、このまま箱根まで走る元気は 富士でなくなり、富士SAから東名に乗って、渋滞の始まる直前の秦野まで。秦野で下に降りたので、今日の温泉は、厚木市郊外の七沢温泉♨️ いつもの七沢荘。露天風呂が気持ち良くなる18時に到着。

ゆっくり入って、着替えて、日記を完成させて、2回目の温泉に入って…
さぁ、これから帰ります💨