神奈川県民ホール リニューアル記念 オープンシアター2018~オペラとパイプオルガン | 北十字の旅と音楽会記録が中心の日記

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今日はお出かけを止めたので、当初の音楽会予定に行くことに。


神奈川県民ホール リニューアル記念 オープンシアター2018


みんなでたのしむオペラ『ヘンゼルとグレーテル』

11時~
神奈川県民ホール 大ホール

🎵フンパーディンク:歌劇『ヘンゼルとグレーテル』短縮版(日本語上演)

指揮:沖澤のどか
演出:田尾下哲
構成:田尾下哲、宮本益光
訳詞・台本・字幕:宮本益光

ヘンゼル:青木エマ
グレーテル:鵜木絵里
ママ・お菓子の魔女:岡本知高
パパ:宮本益光

管弦楽:神奈川フィルハーモニー管弦楽団
児童合唱:赤い靴スタジオ・赤い靴ジュニアコーラス


概要は
『美しく親しみやすい音楽でつづられたドイツのメルヘン・オペラ『ヘンゼルとグレーテル』
すべての子ども大人たちに贈る親子の愛の物語を個性豊かな歌手と神奈川フィルハーモニー管弦楽団の生演奏でお届けします。
はじめてのオペラ鑑賞にもぴったりです。ご家族そろってお楽しみください! 』

大ホールは1階ロビーまでイベントスペースで開放。サイドの通路でチケットのチェックをうけて進むと、そのままなんと 舞台へ。公演20分前まで 舞台とオケピを見学するコースからスタート。


オペラが初めての子どもの興味づけには 最高の企画。本番前に舞台にお客様を入れたりと、裏方さんの対応に頭が下がります。


当日券なので2、3階を覚悟で行ったのですが、3階席はクローズ。そしてなんと1階14列の中央左サイド席を1列当日券で開放した様。そこに座ることができました。歩くと暑いからとバスに乗って早めに着いたおかげ。

この公演は75分の休憩なしに再編成されたもの。もちろん子ども向きということをわかって行きました。
会場の過半数が子どもでしたが、みな真剣に舞台に引き込まれて、時折、親にこそっと「(お菓子の家に)行っちゃダメだよね~」などの 舞台の素直な感想が漏れるのは、微笑ましいくらい。集中力を割かれたのは 大人の袋ガサガサの方。

舞台は思った以上にしっかりとした装置を作っていました。背景の森の木も1本ずつ吊っていたり、お菓子の家は、大きなデコレーションケーキ。手抜きなし!
前半のヘンゼルとグレーテルの部屋のセットも引き上げる際に8の字を書くように舞台を回し、その裏側を見せる(ちょっとしたペイントがあったり…)などのこだわりすら感じられる、子ども向きのレベルを超える演出まで。

衣装は前半は普通の家庭の作業着やパジャマでしたが、後半はホイップクリームをイメージさせる白い螺旋型の衣装。児童合唱のメンバーは魔女にお菓子(クリーム)にされてケーキに乗せられていました。その頭に被った帽子はイチゴ柄🍓

そんな児童合唱団、前半はモダンダンスをしっかり決め、最後の合唱も とても綺麗。歌に演技にしっかりとした成果が示されました。今日一番の好演はここかも。

4人のソリストも おしなべて好演。舞台後方(と上方)がオープンになっていたので、声が飛ばなかった人も… そして慣れない日本語訳、歌詞を忘れてしまった人も(日本語歌詞の字幕は歌手には酷? 反対側に投影すればプロンプターの代わりにはなりそう)…
私の今回の目的、ソプラニスタの岡本さん。2役(3役)を見事にこなし、後半になるにつれて声に演技に絶好調。
ヘンゼルの青木さんは 子どもっぽさ溌剌とした 元気いっぱいの演技が最高。
グレーテルの鵜木さんは 宝塚の男役みたいに颯爽とした雰囲気がとても魅力的。子どもではもったいない感じ。
今回は対訳や舞台構成までの大役を受け持った、お父さんの宮本さんは、さすがの安定感。
この配役の方々で全力の公演となれば 悪いわけはない!素晴らしい公演に仕上がりっていました。

神奈川フィルはピット内で元気いっぱい。コンマスは誰だったのかな… 光ったのはホルンのソロ。めちゃ綺麗。オケ全体の響きは、歌のソロ以上に目立つ場面も。最後の児童合唱の伴奏などは 1階席の私にもどうにも鳴らしすぎは否めないくらい。
指揮の沖澤さん、初めて聞く名前の方でしたが、もう少し声楽の伴奏として抑えて欲しかった感じもしました。


これが2500円(午後の公演もありますが)、ちなみに親子券が3500円!、はお得かつ 超満足でした。

リニューアル企画だからかもしれませんが、とても充実した見事な公演でした。ぜひ来年にもつなげて欲しいと思いました。

終演後は 今日はホール全体で様々な企画が満載。
まず私は地下の展覧会会場に。


編み物で作った『おかしの家』がとっても可愛かったです。トリエンナーレやビエンナーレの展示みたいで、私好みの展示でした。



その後、コンビニでお昼を買って ホール6階の会議室の休憩スペースでのんびり。窓からは山下公園とベイブリッジ、そして氷川丸がよーく見えました。


そのあとは、もうひとつの企画の音楽会へ。


14時~
神奈川県民ホール 小ホール
 

音楽のおくりもの
オルガンとヴァイオリン フランス・パリでの出会い


紹介文は
『オルガンとヴァイオリンの素敵な演奏をお楽しみください。
終演後、オルガン見学もあります。
演奏時間 約45分+オルガン見学 約15分』

オルガン:梅干野安未
ヴァイオリン:正戸里佳

こちらは入口で現金500円を払うという、チケットレスというか、投げ銭方式。小ホールと言いながら、400人近く入るホールに半分以上の入り。子どもが多いだろう…の予想は 意外にも外れちゃいました。この公演も午前、午後の2公演で、午前中がすべて子ども向けのプログラムだったから そちらに集中したのかもしれませんね。

まずはオルガンソロで2曲
🎵バッハ:来ませ、聖霊、主なる神 BWV651
🎵バッハ:前奏曲とフーガ ニ短調 BWV539
小さなホールに全力のパイプオルガンが響きました。最初の曲のベース音はお腹にズシンと響きました。

梅干野さんのわかりやすいMCが効果的。ここでヴァイオリンの正戸さんが加わり
🎵プーランク:平和のためにお祈りください
とっても落ち着いた美しい音楽。プーランクらしくない?作品。私好みの音楽が聴けました。

次の2曲はオルガンソロ
🎵ボエリー:幻想曲とフーガ 変ロ長調
🎵フンパーディンク:夕べの祈り(オペラ「ヘンゼルとグレーテル」より)
ボエリーは私も何枚かCDを持っている作曲家。梅干野さんはロマン派と紹介されましたが、私は古典派のはしくれと思っていた作曲家。実はこの音楽会に行く決めがこの曲でした。明るい旋律が楽しめました。
ヘンゼルとグレーテルからの曲は やはり大ホール公演を意識しての選曲だったとのこと。オルガンにピッタリの選曲。ホールが宗教的な雰囲気に満たされました。

正戸さんが再登場で
🎵ラインベルガー:主題と変奏(“ヴァイオリンとオルガンのための6つの作品”より)
大規模な素敵な作品。これは珍しく ヴァイオリンとオルガンの組み合わせで書かれた作品とのこと。ヴァイオリンが生き生きとした好演でした。

オルガンのソロで
🎵グノー:マリオネットの葬送行進曲
初めて聴いたはずなのに、どこかで聴いたことがあるような…  とっても楽しい曲でした。

最後はまた正戸さんのヴァイオリンが入って
🎵モンティ:チャルダッシュ
ヴァイオリンで有名なこの作品。原曲はヴァイオリンではなくマンドリンとのこと。それは知らなかった!今日はオルガン伴奏で どうなるかと思ったのですが、豊かな響きのチャルダッシュはオーケストラ伴奏のようでした。

45分予定がMC充実で、ここですでに60分。アンコールの準備を(ストップ操作と譜めくりアシスタントが)していたのですが、客席の明かりを上げてしまい、これでお仕舞い。

終演後、順番に舞台に上がってのパイプオルガン見学会。


ストップの種類をゆっくり見ることはできませんでしたが、現代のいろいろな機能を持ったパイプオルガンは興味深く見れました(使い易そうな仕組みでした)。




演奏会のあとは、ゆっくり自宅まで 歩いて行きました。
途中、横浜公園(横浜スタジアム前)では、恒例 みなと祭りのバザー。


久しぶりに行くと、バザーではなくB級グルメの屋台が過半数みたいに状況になっていました。安くて掘り出し物などは見る影もなく、素通りで帰宅しました。