ギドン・クレーメル&クレメラータ・バルティカ:兵庫県立芸術文化センター KOBELCO大ホール | 北十字の旅と音楽会記録が中心の日記

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梅田の阪急百貨店から西宮北口に移動して、お茶☕。私はお腹いっぱいのはずなのにピザトーストセットを完食。
時間調節をしてホールへ移動。


ギドン・クレーメル(ヴァイオリン)&クレメラータ・バルティカ

16時~
兵庫県立芸術文化センター KOBELCO大ホール

ヴァイオリン:ギドン・クレーメル
クレメラータ・バルティカ
ピアノ:リュカ・ドゥバルグ


紹介文は
『不世出のヴァイオリニスト、ギドン・クレーメルが、手兵・クレメラータ・バルティカとともに贈るこだわりのモーツァルト・プログラム。
ピアノ協奏曲ではリュカ・ドゥバルグも登場!チャイコフスキー国際ピアノコンクールに上位入賞し、その才能をクレーメルはじめ、ゲルギエフなどにも高く評価されている話題のピアニストです。
天才クレーメルがあぶり出す、天才モーツァルト。この日、この瞬間、この場所でしか出会えない、一期一会の名演に、ご期待ください。』
と、ある。

私にしてみれば、クレーメルが古典派を演奏する機会なんて これを逃がせば もう無いであろう…ということで、チケットを早々に取った次第。

1階9列目、ほぼ中央で聴きました。

最初の曲は オケだけ(クレーメルさんなし)で
🎵モーツァルト:アダージョとフーガ ハ短調 K.546
まずはオケの音を聴くって感じ。6-6-6-4-2の上手手前にチェロを置く並び。
フーガでは 指揮者無しでも、ピシッと合ったまとまりはなかなか。
清楚な音色の健康的なモーツァルトからスタートしました。

次は クレーメルさんがソロで加わり
🎵ラスカトフ:モーツァルトの生涯から5分間
モーツァルトを題材にした現代曲。クレーメルさんならではの選曲と、モーツァルトだからと選んだくせに 私の期待はここがピーク。
音楽は『アヴェ・ヴェルム…』の素材を展開したようなユニークな作品。打楽器のカラフルなキラキラが印象的。初めて聴いても十分に楽しめました。

拍手に返礼してそのまますぐに
🎵モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第3番 ト長調 K.216
クレーメルさんの独特のヴァイオリンの音色に魔法にかけられた感じ。演奏は、スコアに忠実で、装飾なども組み入れない、普通の演奏。ところが、芯の強い、しかしなんとも涼しげな、気持ちのいい風が吹き抜ける 心地よい空間のあるモーツァルト。
こんなモーツァルト、初めて聴きました。ビブラートを小さめですがしっかり掛けているものの、透明感のある音色に びっくりでした。

休憩のあとは(クレーメルさんは引っ込んで)
🎵モーツァルト:ピアノ協奏曲 第12番 イ長調 K.414
もちろんドゥバルグさんのピアノはスタインウェイのモダンピアノ。しかし「フォルテピアノでないとモーツァルトの協奏曲はうるさい」という私でも 納得のバランスでのモーツァルトが楽しめました。
まずは小型のオケの軽い響きにピッタリのピアノ。fで弾いたところが無かったともいえるくらいの ピアノの力半分の中での勝負のような音作り。クリスタルのようなピアノの音色が素敵でした。
ただ、第3楽章の一部で ペダルを踏み込み、音を濁らすような効果が耳に残りました。後半でのこの対比は いいアクセントに感じられました。
ドゥバルグさんは終始、スコアに忠実。私的には 再現部なとで 装飾などの変奏を入れての模様替えを期待したのですが、残念でした。

アンコールで
🎵スカルラッティ:ソナタ ニ長調 K.491
端正で光輝くようなスカルラッティ。途中の鐘の音を思わせるところでは、ペダルを踏み込んでの豊かな響きをつくるなど、モダンピアノの長所を作品にしっかりと投影した 見事な演奏でした。

最後に
🎵モーツァルト:セレナーデ 第6番「セレナータ・ノットゥルナ」
コンマスとヴィオラとコントラバスのトップがクレーメルさんとともに4人がオケの真ん中でソロをとして立っての演奏。ティンパニは上手側斜め後ろのまま。
現代音楽好きのクレーメルさんだから、何かしらやるだろうと思っていましたが…
まず驚いたのは、クレーメルさんが『第2ヴァイオリン』だったこと!これが「第1ヴァイオリンの下で残念」ってこととは正反対の、第1ヴァイオリンに丁々発止をかけまくる『音楽の戯れ』そのもの。
演奏していて 楽しんでいるなぁ~ がビシビシと伝わってくる音楽。
ティンパニ奏者、なんで2曲に目に使った楽器がそのまま置いてあるのかと思いきや
🎶「チーン」叩くし…
第3楽章のアインガングを入れる箇所では、コントラバスが
🎶『上を向いて歩こう』弾いちゃうし…
もちろんクレーメルさん愉しそうに惹いてる…
最後はティンパニにしっかりアインガング、叩かせて… いや、それ以前から、ティンパニの撥を持って後ろでパフォーマンスを繰り返していたのを私は見逃さなかった…
愉しすぎでした!

そんなあとのアンコールは、まず、オケだけで
🎵テディ・ボー博士:Mc Mozart Eine Kleine Bright Moonlight Nicht Music
アイネ・クライネ・ナハトムジークの第1楽章の間に様々な音楽が差し込まれた作品。途中に『鉄道唱歌』の冒頭に瓜二つの旋律が出てきたのにびっくり。鉄道唱歌の引用? それとも鉄道唱歌がどこかのパクりの曲だった?
最後は『螢の光』が一緒に響いて締められました。
こういう曲って めちゃ楽しい!

クレーメルさんが出てきて
🎵クライスラー/プシュカレフ編:愛の悲しみ
ここでクライスラーは、ビックリでした。弦楽合奏のちょっぴりモダンな伴奏が新鮮でした。

続いてのアンコールを期待したのですが、これでお仕舞い。もしかして 帰りの新幹線の時間の関係? ちょっぴり「あれ~?」でした。
兵庫芸文にしてはちょっぴり高めの価格設定だったのですが、この座席だったので、行って正解。でも高めと感じた分のアンコールを期待しちゃったので肩透かしはアレレ~でした。

帰りに天王寺で韓国料理の夕食。オリンピックに影響されたつもりはないのですが…
今日は旬の食事も楽しめました。

今夜は天王寺の日本旅館でのんびりです。