名古屋市科学館:プラネタリウム と 名古屋フィル 第60回市民会館名曲シリーズ | 北十字の旅と音楽会記録が中心の日記

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旅と鉄道と温泉が大好き。
そして、クラシック音楽も好きなもんだから、音楽会を理由に、日本国内を旅しています。
音楽と旅を中心に、日記を書いていきます!

今日、横浜から東海道本線で名古屋へ。
数日前までは、昨日、仕事上がりに静岡入りして、名古屋へ向かう予定にしていたのですが、荷物の大きさと、ちょっぴり体調が怪しかったので、前泊をやめて新幹線利用で昨夜は自宅に。今朝、仕事と同じリズムで起きれたので、それなら各駅停車で行っちゃえ…ってことで、この冬、もう何回目かもわからない、東海道本線各駅停車。

熱海、興津、掛川、豊橋とこまめに乗り継いで名古屋へ。今日は富士山が綺麗でした。


躊躇せずに向かった先は
名古屋市科学館

15時20分~
プラネタリウム
2月のテーマは
「重力波をつかまえた」 

2回目の訪問。ここは座席が広くて回転できるのがいい。
前半は 今夜の星空の説明。やっぱり冬の空は賑やかで見ていて飽きない。
後半の重力波の話は、ちょっぴり難しかったです。というか、そこまでの解説がなかったので 疑問がたまったって感じかも。電磁波と重力波の違いがよくわからない私には…
ただ、アインシュタインの予想がやっと証明されたってことはわかりました!

プラネタリウム前後に他の展示も楽しく見れました。ただ、やっぱり時間不足。ここなら1日いても飽きないですね。

ホテルにチェックインして 荷物を置いて、まずは夕食。今日は先日 お昼の時間に間に合わなかった 栄の味噌カツ丼のお店。


お腹を満たして 地下鉄で金山へ。


名古屋フィルハーモニー交響楽団 第60回市民会館名曲シリーズ
〈ベートーヴェン・ツィクルスⅤ/日本音楽財団ストラディヴァリウス・シリーズ2「ハギンス」〉

18時45分~
日本特殊陶業市民会館 フォレストホール(名古屋市民会館 大ホール)


指揮:川瀬 賢太郎(名フィル指揮者)
ヴァイオリン:イム・ジヨン
コンサートマスター:後藤 龍伸

今日のこのプログラム、私の好きなベートーヴェンの作品が3曲も入っているので、平日とか 微妙に遠いとかの悪条件も無視して名古屋へ来たわけ。

1階4列目のど真ん中で聴きました。

最初が最も聴きたかった作品
🎵ベートーヴェン: ウェリントンの勝利(戦争交響曲)作品91
実演では読響定期で ホルライザーさんが指揮した時以来。CDは多数所有していますが、ドラティ盤が傑出した出来で この盤中心に聴いています。
ホールに入って左右の花道にバンダの設えがありました。前7列がオケピットに当たるので、バンダが真横。下手がイギリス軍、上手がフランス軍でした。

バンダで戦争があらわされる第1部、フランス軍のトランペットがダイレクトで強烈な音。それに対してイギリス軍は譜面台が効果的に 間接音でバランス良い、そしてホールの反対側に当たって帰ってくる音もしっかり。そこからしてものすごいコントラストで聴くことができました。
前半はオケのパートは完全に伴奏と化した感じ、というか、私の席でも動きがはっきり聴こえない… でも、それでいいかもしれない。後半、戦争が終わりに近づくにつれて、オケが輝いてきました。そしてオケが切れ切れに 戦争の最後の場面を描くところ。オケはだんだんと音量を落としていくところ、イギリスの大砲(大太鼓)も音量を落としたいところですが、さすがにそれはおかしい。大砲がpで撃てるわけないから、そこではしっかり最後まで ffで突き進んだのは、立派。まぁ、音楽的な表情を狙うのなら、音量を落とすべきなのですが、川瀬さんは『大砲』にこだわっての演奏でした(私好み!)。

バンダがお休みになる第2部。つまり普通のオケ編成。
『運命』の終楽章みたいに開放的に盛り上がるこの楽章。最初のアレグロの主題、ここはfで突き進んで欲しかったのですが、川瀬さんは時に音量を抑えたりの表情づけ、ちょっぴり私には『えっ!』って感じがしました。しかしそんなことは些細。めちゃ明るく、生き生きしたリズムが聴いていて幸せいっぱい感がありました。
やっぱりこの曲、無条件で愉しく聴けます。この曲聴けるなら 日本中 喜んで旅しちゃいます。

ここからはヴァイオリンの愛すべき小曲が2曲
エリザベート王妃国際音楽コンクール優勝の副賞で、4年間、ストラディヴァリウスの「ハギンス」という楽器が貸与されており、今日はその演奏。音楽会の冠はそこから。
🎵ベートーヴェン: ロマンス第1番 ト長調 作品40
冒頭のヴァイオリンソロの重奏の音の不安定さでハラハラの開始。主題の2回の演奏とも何か迷いながらの演奏の様。そこでのオケの伴奏もなんか方向性が違う感じ。ただロンド形式のBの箇所、単音での演奏になると、ちょっぴり落ち着いてきました。その後はビブラートを大きめに掛けた 艶っぽい演奏が聴けました。

川瀬さんが聴衆が拍手をどうするかを上手く誘導。拍手を入れて、2曲目に。
🎵ベートーヴェン: ロマンス第2番 ヘ長調 作品50
こちらは技術的な不満はありませんでしたが、ちょっぴり単調な感じがしたのは 私だけの感想でしょうか? もう少しロマンティックにテンポを揺らすなどして欲しかったかも。ビブラートはしっかり掛けての艶っぽい音色だっただけに、なおさら。こちらは第1番に比べて ジヨンさんの方向性が見えてきた演奏でした。

アンコールは
🎵バッハ:無伴奏ヴァイオリンパルティータ第3番~ガヴォット
立ち位置の1歩前で 曲がわかるようなオーラを漂わせての演奏開始。立った瞬間に演奏開始で 思ったような音が出てきました。つまり私の波長と完全に合致したかの様。
ベートーヴェンの演奏とは別人のよう。そして忘れていましたが ヴァイオリンの鳴りも別の楽器のよう。異なる2つの音色を自由に操る演奏は圧巻でした。重奏も安定していて、この演奏なら リサイタルに行きたいと思えるレベルでした。

後半は
🎵ベートーヴェン: 交響曲第4番 変ロ長調 作品60
この第1楽章は、ベートーヴェンの交響曲の中で一番好きな第1楽章。
川瀬さんの真っ直ぐな生き生きした音楽が気持ち良かったです。第2ヴァイオリンの相づちもしっかりと聴かせた、立体的な演奏。ただ、クレシェンドの大きな波の中で意図的にpに落としたところは、ちょうど加速中に突然のブレーキみたいな違和感がありました。
第2楽章は森に囲まれた湿原のような風景。広さは感じませんでしたが、手の届く範囲での温かさのあるほっこりする演奏でした。
リズムが弾んだ第3楽章。
そして今日の白眉、第4楽章。速いテンポで一気呵成に突き進む。楽器ごとの掛け合いを明瞭に出した表現は、とても立体的なガッチリとした箱根細工のような隙のない組み立て。ここでの強弱を駆使した表情は とても自然でワクワクさせるものでした。

今日はベートーヴェンの好きな作品を聴けて、ちょっぴり辛口でレポートした感じもありますが、名古屋まで来た甲斐がある演奏会でした。

今日は温泉つきのホテル。これから温泉に入ってゆっくり寝ます♨️