【都響×アプリコ】井上道義&村治佳織 with 都響 | 北十字の旅と音楽会記録が中心の日記

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朝は、お出かけを躊躇したくなるような、雨と寒さの横浜だったのですが、午後になると一気に雲が消えて、暖かな日がさしてきたので、傘無しで出発。


【都響×アプリコ】井上道義&村治佳織 with 都響

15時~
大田区民ホール アプリコ大ホール

井上道義(指揮)
村治佳織(ギター)
東京都交響楽団(管弦楽)


今日の座席は1階5列目、左ブロックの端寄り。ソリスト、指揮者ともに斜めに見る位置。音響、視界的にもイマイチ。

オケがチューニングしたあと、村治さんと井上さんが登場。井上さんは第1ヴァイオリンの後ろに座って、村治さんのソロで1曲
🎵ロドリーゴ:小麦畑で
村治さんが椅子につくと、舞台が減光され 村治さんにスポットライトが当たる配慮。
地中海性気候の夏のような乾いた ラテンの音楽。
足元に置いたスピーカーのバランスが絶妙。音の不足を補うと同時に、ギターからの直接音もいい感じにブレンド。
プログラムにあった村治さんのお話では、この曲は、ロドリーゴとお会いした時に弾いたとか!

拍手を少し受けたあと、井上さんが指揮台に上がって演奏開始。
🎵ロドリーゴ:アランフェス協奏曲
第1楽章から井上さんの仔細にわたる 刺激的な表情づけが生き生き。フレーズ毎に明確な音作りが爽快でした。アクセントを効かせたところなどでは、ギターのPA使用が生きていました。
有名な第2楽章も、ソロのオーボエが感傷的というよりは、凛とした音作りが好感。
ただ、第2楽章に入る前に 1曲目と同様に、減光され村治さんにスポットライトを当てるのは いかがなものでしょう。オケ全体が休みの楽章ではないのですから!
そして明るさが元に戻っての第3楽章。
第1楽章と同様、井上さんの細かな音作りが生き生きとして冴えました。
こちらも地中海性気候の夏の乾いた空の風景が感じられました。

一時期、健康上の理由でお休みされていた村治さん。元気に温かなロドリーゴがとても良かったです。

2回目のガーデンコールで井上さんがマイクを持って登場。またまたおしゃべりを入れて、村治さんにバトンタッチ。アンコールは
🎵タレガ:アルハンブラ宮殿の思い出
絶品! 
表情豊かなトレモロと微妙に揺れる音の波が最高!
実演ナンバーワンのアルハンブラになりました。

後半は
🎵チャイコフスキー:交響曲第5番 ホ短調 op.64
今日の都響は絶好調。井上さんにしっかりと応えていました。
第1楽章の冒頭から、厚い音。そして暗く低い太陽の弱い光の鬱な風景。
主部の弦の刻むリズムは、雪の中を歩く様。
第2楽章は叙情性を感じる包容力のある音楽。冒頭のホルンのソロも 優しさを感じられる音作りに好感が持てました。
心地好いテンポに対して、刺激的に差し込まれる強烈な金管がユニークな第3楽章。
思う存分歌った第4楽章。
井上さんの演奏は ここでもとても細かな音楽作り。聴いていて(見ていて)良くわかるのがいい。オケには金管を思い切り吹かせるなど、大胆さと繊細さが共存する、冬のロシアの極寒の中で 力強く生活する風景を見ているようでした。

今日は音楽とともに、プログラムも楽しく読めました。しっかりした曲目解説(なんと英語も併録)も良かったですが、井上さんと村治さんの長いメッセージが出色!広告の無いシンプルなものですが、とても好感がもてました。

今日は終演後、お友達とマックで軽食。コンサートの感想や予定などを勝手気儘にお話しすることができました。