リリス藝術大学クラシック学部 特別編 教授たちの放課後 ~昼下がりの室内楽コンサート~ | 北十字の旅と音楽会記録が中心の日記

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台風の影響の涼しさと雨の横浜。
今日は地元のホール主催の音楽会。


リリス藝術大学クラシック学部 特別編 教授たちの放課後 ~昼下がりの室内楽コンサート~

14時~
横浜市栄区民文化センター リリス

『教授たちの談義と演奏が誘う、室内楽の魅力。』

加藤 昌則(ピアノ)
川田 知子(ヴァイオリン)
須田 祥子(ヴィオラ)
小畠 幸法(チェロ)


舞台の下手前に 机と椅子とホワイトボードが置かれている。
時間になると4人が登場。
「音楽大学にいる人の服装」
ということで、
加藤さんは声楽科にいる やたら派手なシャツを着る先生。
川田さんはお歳を召した 演奏技術はさほどではないお局様的な先生。
須田さんは 普通に先生を想定して…と言うも、これはうるさいPTAでしょって突っ込みが…
小畠さんは 運動の衣服で、体育の先生。まぁ、音大にも体育はありますが…
と、登場からウケまくりでスタートしました。

前半は、お話の合間に音楽を演奏という感じ。
「今日の荒れた天気は誰のせい」という気楽な話題から始まりました。

その中でまず演奏された音楽は 川田さんと加藤さんで
🎵クライスラー:美しきロスマリン
川田さんらしい 明るく爽やかな演奏。フレーズの最後のちょっとした表情がお洒落。

ここで「弦楽器の方はピアノと合わせたりするけど、合わせにくい人っていますか?」という質問。
須田さんのお答が「今までいない!私は合わせちゃうから…」って。雰囲気的には、みんな合わせてくれちゃっているんじゃないの…でしたが。

もう1曲、川田さんで
🎵クライスラー:中国の太鼓
演奏前に加藤さんが
「この曲はまだ合わせていません。この舞台で初めて合わせます」
音楽をつくる裏の舞台を垣間見せるのが目的。
ところが スルスルと軽快に終わってしまった。
演奏のあと、川田さんが「中間部が少し速かった」って言いましたが、それで良し!
えーっ、丁々発止をヤラセでもいいから 見せて欲しかった。中途半端な演奏で終わった感じが残念。

次はヴィオラの位置付けについて。
「ヴィオラは音楽の要なんだ!」
とみんなでまとめ。
オケではヴァイオリンとチェロの繋ぎ役で「テンポとかがずれてきたときは出番」なんだ!と。まとめは「ダメな指揮者の時は パートのトップやコンマスの動きが大きくなります!」
昨日の新日本フィル、崔さん、めちゃ大きな動きだったけど… 最後は上岡さんと崔さん ハグしていたげどなぁ~ 東京フィルはそうなんでしょうね😉

そこでヴィオラの須田さんで
🎵加藤昌則:未在の庭
加藤さんの自作。冒頭、ゲンダイオンガクで 高齢者の多い区民中心の音楽会で大丈夫か…と思うも、すぐに聴きやすい音楽に移行していき、ヴィオラの温かい音に包まれました。

最後は今日一番若い小畠さんのチェロ。いっぱいからかわれながら…

🎵サン・サーンス:白鳥
端正な 冬の凍てついた湖の水面のところに浮かぶ白鳥の様。瀕死でも優雅でも ましてや餌をねだりに来る白鳥でもありませんでした。

加藤さんが中心に進めたお話は、ここまで。もっと突っ込んでも良かったかも、が素直な感想。

後半は4人で まずは
🎵加藤昌則:Agra-Catabra for Pianp Quartet
加藤さんが一言
「インド旅行した時の印象を音楽にしたもの。拍節感がなく、旋律が緩やかに流れるのが、インド音楽」
耳に優しく ちょっぴり異国情緒が漂う作品。このような町民対象のような音楽会でも愉しく聴ける作品になっていました。

続いて
🎵シューマン:ピアノ四重奏曲 変ホ長調 Op.47
こちらは充実した音楽。しっかりリハーサルをしたのかもしれません。
各楽章の前に短いお話を挟みながらの演奏。その理由は 第3楽章でチェロが調弦するための時間調整が必要なので、それならばすべての楽章の前でお話をしちゃいますというもの。
存在感一番が須田さんなので、ヴィオラがしっかり出てくる。4つの楽器がしっかりと絡まった立体感ある演奏が良かったです。

アンコールは
♪リムスキー・コルサコフ(加藤昌則編):熊蜂だと思っている蝿の飛行
小芝居が入る、お楽しみ要素満載の作品。ヴァイオリンとヴィオラで蝿の羽音の描写合戦、笑えました!


ホールから出ると雨は小雨でホッと一息。
横浜市の公共(区立)のホール。なかなか良い企画をしています。ただ、情報がなかなか入らないのが難。同じジャンルの情報を一括で見れるような工夫が欲しいです!