佐藤久成と仲間たち トリオ・コンサート~偉大な芸術家の想い出に~ | 北十字の旅と音楽会記録が中心の日記

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夏の日射しになった湘南は、暑いったらありゃしない😅
今日も仕事を早く終わらせて、都内へ移動。

佐藤久成と仲間たち トリオ・コンサート
~偉大な芸術家の想い出に~


19時~
東京文化会館 小ホール

佐藤久成:ヴァイオリン
ドミトリー・フェイギン:チェロ
佐野隆哉:ピアノ

当日券ですが自由席なので安心。文化会館小ホールは前方の端でなければどこでも良い。
佐藤さんの強烈キャラは前だと恐ろしいので、今日は一段高くなったK列中央ブロック。バッチリ!

最初の曲は
🎵ハイドン:ピアノ三重奏曲 ト長調 Hob.XV:25 「ジプシー」
先週、LFJで3日連続で聴いた曲。今日を含めると1週間で4回の実演を聴くということ。この頻度は完全な聴き比べをしている感じ。
それにしてもこの作品、いつから「ジプシー(ロンド)」などどいう名前が載るようになったのだろう?これはあだ名嫌いの私の愚痴ですが…
第1楽章、チェロのバランスが異様に大きい。これが第3変奏まで続きました。そしてヴァイオリンはといえば、pを効果的に、そして思った通りの独特なフレージングでの音づくりを楽しめました。
第2楽章は期待をするほどの独特な(極端な)表現はなく、安心?して楽しめました。
ジプシーロンドの第3楽章。ABCADAの形式のAはまだしもBCDの箇所は強烈!『テンポを落として 濃厚に』ではなく、『テンポアップして一気に』というスタイル。火傷しそうに熱い熱い🔥 そして最後のAのアッチェレランドは「やり過ぎ?」とも…
ビブラートのめいっぱい掛けられた久成節のハイドンが聴けました。
LFJからのハイドンでは、やはりこの毒に対しての耐性が無いので、3/4というところか…

次は
🎵アレンスキー:ピアノ三重奏曲 第1番 ニ短調 作品32
もちろん初めて聴く作品。アレンスキーはチャイコフスキーより21歳年下という、20世紀まで生きた作曲家。
急~スケルツォ~緩~急の4楽章形式。
旋律のはっきりした第1楽章から 惹きつけられました。
第2楽章での丁々発止は見ていても楽しい。生き生きとした音楽が作られました。
それに対してのゆっくり歌う第3楽章の美しいこと! ビブラートの艶のある音と、彼方にそれを飛ばす演奏が 曲にピッタリ。私の中の今日の白眉はここでした。
第4楽章の端正な姿の曲を 熱くデコレーションしたかの演奏は、ちょっぴり古典的なこの作品を20世紀直前に書かれたと証明をしたかの様。
熱い拍手に包まれました。

休憩のあとは
🎵チャイコフスキー:ピアノ三重奏曲 イ短調 作品50 「偉大な芸術家の思い出に」
今日のメイン作品。私も昨年 どこかで聴いてはいるけど、CDは持っていないし、距離感としてはかなり遠い位置にある作品。
第1楽章から強靭な音楽が響きました。特に前半までは 陰に隠れすぎてきたピアノが 圧倒的迫力で その存在感を現しました。ヴァイオリンとチェロもダイナミックで感情の起伏の大きな演奏に圧倒。そんな中、チェロの弦が切れるハプニング! 演奏開始5分くらいで 少しの休憩が入りました。第1楽章前半を2回聴けたのは親しみの無い作品に対しては良かったです。
大規模な変奏曲の第2楽章。各変奏毎に、それぞれの主役となる楽器が、それは感情豊かに語る姿は、佐藤さん率いる楽団という感じでした。特に悲しみを帯びた変奏の寂寥感はひとしお。久成節のオンパレードでした。
そして最後の最後、ppで閉じたあとの静寂までの熱い音楽はこちらも興奮でした。

アンコールは
♪デュボワ:ピアノ三重奏のためのカノン
最後は気分転換?か、明るい曲で締めました。

ちょっぴり高めの価格設定でしたが、私の脳の範囲を超えるハイドンも聴けて、楽しめました。