NHK交響楽団 第1855回 定期演奏会 | 北十字の旅と音楽会記録が中心の日記

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そして、クラシック音楽も好きなもんだから、音楽会を理由に、日本国内を旅しています。
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今日はお昼前に渋谷へ。渋谷での寄り道はCD屋くらいしか無い昨今、今日もその通り。1時間半お店を丹念に見たものの、ここで買わなきゃ!というものがまったく無く、無駄遣いなし。

お友だちと待ち合わせをして、昼食。

NHK交響楽団 第1855回 定期演奏会

15時~
NHKホール

指揮:下野竜也
ヴァイオリン:クリストフ・バラーティ

12~2月までの定期会員。1階右サイドブロック6列目の内側。

今日の前半は、20世紀の社会的問題に関わる作品が2つ。

最初は
🎵マルティヌー:リディツェへの追悼(1943)
ナチにより消滅させられた村の追悼のための作品。
悲惨な現実に対する音楽なので、どのような音楽となるのか と期待と不安 半々で聴きましたが、暗い弦の響きの上に温かみのある管楽器の旋律が流れる感じが、とても美しいというより 空虚な雰囲気を醸し出す不思議な作品でした。特に後半は、壊滅させられ 更地、荒れ地、になった草原に吹く風を感じるような音楽は、大震災で家が流された宮城、荒浜~閖上にかけての風景を彷彿させるものでした。

続いて
🎵フサ:プラハ1968年のための音楽(管弦楽版╱1969)
この作品はタイトルからわかるように チェコ事件を扱った作品。チェコスロヴァキアのフサは この時、アメリカに住んでいたとのこと。
4つの楽章からなる作品で、68年版は吹奏楽で オケ版が翌年69年に作られたとのこと。
吹奏楽作品からの編曲だけあり、打楽器の効果的な使い方が光っていました。また、第1楽章の冒頭など 弦を休ませたり、旋律線を管楽器に振り分けるなど、弦の響きを背景として描くあたりは、聴き慣れたオケの作品とはひと味違う面白さがありました。
抑圧や暴力、そして威厳さなど、社会的な背景を感じさせる音楽は難しい部分もありました。そんな中、最後にスメタナの『我が祖国』で聴き慣れた『フス教徒のコラール』が高らかに奏でられ、私にもそのトンネルの出口の光を一緒に見ることができました。
これを聴くと、チェコスロヴァキアは共産主義の中でも、やはり思想的には許容範囲が広かったことがうかがえますね。ソ連ならこれはダメでしょう。

休憩のあとは
🎵ブラームス:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品77
ソロのバラーティさん。ハンガリーのヴァイオリニストで リスト音楽院でタートライに師事したとのこと。峻厳さは期待薄かもしれませんが、ハンガリーのヴァイオリン奏者独特の鄙びた音色に期待しました。
オケの前奏からとても落ち着いた雰囲気。それに対してヴァイオリンのソロが速めのテンポで入った時は、えっ!と思いましたが、それはそのフレーズのところだけ(再現部でも)。渋さだけを期待した私には ビックリでしたが、それはまだまだ私の頭が硬すぎってこと。それよりあとからあとから来る重音奏法の確かなテクニックと安定した張りのある音は圧巻でした。カデンツァのあとのシューマンの協奏曲そっくりだと私が思っているコーダの響きは、それはシューマンそっくり。そこでは思わず身をのり出しました。
第2楽章はオケの前奏の管楽がえっと思うくらいの強奏。それに対してヴァイオリンは美しく滑らか。素敵な音楽。
ハンガリーの血を引く第3楽章。熱い舞曲のような華麗な舞を期待したのですが、それは高望みすぎました。バラーティさんの音楽は堅固な枠がしっかりとかたち作られた 堂々たる演奏となりました。
私の理想の渋いブラームスとはちょっぴり離れた若さあるれるブラームスが聴けました。
アンコールは
♪イザイ:無伴奏ヴァイオリンソナタ第2番~第4楽章
これは本当に素晴らしいかった。渋さを求めない耳には 一直線に心に入ってきました。


今日は帰宅して、サザエさんのあと アメトークは鉄道ネタ。これは私のツボ(ひとりで大爆笑)。
そのあとは『北の国から~帰郷』
青函連絡船が廃止になった直後のこの時代は毎休み北海道に入り浸りだった頃。滝里のHYと彫った木を見つけに行ったのを思い出しました。