日本センチュリー交響楽団 いずみ定期演奏会 No.33:ハイドンマラソン | 北十字の旅と音楽会記録が中心の日記

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旅と鉄道と温泉が大好き。
そして、クラシック音楽も好きなもんだから、音楽会を理由に、日本国内を旅しています。
音楽と旅を中心に、日記を書いていきます!

今日は7時半の飛行機で伊丹へ。7時半の便だと 5時起きで大丈夫なので、朝がめちゃ楽。でも、朝イチ便の料金を下げてくれた方がやっぱり嬉しい。朝イチなら伊丹空港でNHKの朝ドラ見れるし…

今日の予定の筆頭は、床屋。2週間前から頭が爆発状態だったから。それなら久しぶりのスマートボールもしたいので…
ということは、伊丹から直接だとスマートボールに早すぎるので、午前中は映画を観ることに。

12/1に行く予定で行けなかった
『この世界の片隅に』
戦時中の生活を描いたアニメ。アニメですが ストーリーは子ども向きではなく、戦争を体験した大人が観てもいい内容。
昨日、夜のニュースでやっていたためか、金曜日なのにかなりの混雑には ビックリ。
当時の普通の人の普通の生き方。戦争が何を引き起こしたか…を痛切に感じられました。いいように歪曲させないストーリーが、ストレートに心に入ってくる作品でした。個人的にはアニメ(の仕上がり)のタッチが苦手かなぁ~と思ったのですが、それは杞憂に終わりました。
観て 良かったです。

そのあと新世界で、床屋~たこ焼き~スマートボールのあと、どんどんきれいになる天王寺公園を抜けて、旅館にチェックイン。
おじちゃんやおばちゃんがビールを飲みながら将棋をやっていた風景は 過去のものとなりました。

その後 身軽になって、お友だちと合流。
夕食はオーガニックの素材の味を生かした絶品のお味。



スイーツのパフェまでつければ大満足。



そうしたら、ゆっくりしていて時間に追われて ダッシュ💦

日本センチュリー交響楽団 いずみ定期演奏会 No.33
ハイドンマラソン第7回

指揮:飯森 範親

19時~
いずみホール

指揮:飯森 範親
チェンバロ:パブロ・エスカンデ
チェロ:ヨハネス・モーザー


HPによる紹介は
『今シーズンのハイドンマラソンの中でも、唯一のオール・ハイドンプログラムです。個性豊かな作品を4曲お届けします。
交響曲第2番は、諸説ありますが、ハイドンが20代の頃モルツィン伯爵に仕えていた頃の作品ではないかと推測されています。交響曲第50番はエステルハージ公爵の楽団の楽長時代の作品で、オペラの序曲の改作と言われる第1楽章や、オペラのアリアのような第2楽章など、ハイドン好きには隠れた名曲と言われています。
交響曲第88番は、数あるハイドンの交響曲の中でも演奏される機会の多い作品です。「V字」という不思議なタイトルは、楽譜出版社の整理記号だそうで、音楽とは関係がないものです。この3つの交響曲は、約10年おきに作曲されています。疾風怒濤の時代の変化を、飯森範親がどのように描き分けるのか興味が尽きません。
チェロ協奏曲第1番のソリスト、ヨハネス・モーザーは、チャイコフスキー国際コンクールなど数多くのコンクールで輝かしい成功を収めています。ベルリンフィル、バイエルン放送響、ロンドン響、ニューヨークフィルといったオーケストラに度々招かれ、強い信頼関係にあります。 』

今日は5列目中央で聴きました。
オケは3曲目までは6-6-4-3?-2の両翼配置。コントラバスは舞台後列。

まずは
🎵ハイドン:交響曲 第2番 ハ長調 Hob.I:2
かわいい最初期の交響曲作品。なんとこの作品、反復記号がありません。オペラの序曲みたいな形式の交響曲。そのため、演奏時間は10分に満たなというコンパクトさ。
元気いっぱいの第1楽章は第1ヴァイオリンと第2ヴァイオリンの掛け合いが明瞭に決まり、その楽しさを存分に感じられた演奏にニコニコ。
第2楽章は 弦のみの演奏。スコアには弦4部で書かれていますが、それを紐解くと、2つのヴァイオリンはユニゾン、ヴィオラとチェロ・バスもユニゾン。つまり弦2部という簡単な音楽。舞台の前がヴァイオリンになり、とても明るい音楽が作られていきました。

続いて
🎵ハイドン:チェロ協奏曲 第1番 ハ長調 Hob.VIIb:1
ハイドンの器楽曲の最高傑作と言っても過言ではない素晴らしい作品。今まで実演では、ロストロポーヴィチさんや宮田大さんの名演(どちらも小澤さんの指揮)を聴いている。今日はそれに匹敵する素晴らしい演奏に酔いました。
第1楽章からモーザーさんのアグレッシヴな火花が飛び交いました。しかしガンガン飛ばすだけの演奏ではなく、大きな表現は 古典派の領域を超えて、ロマン派 そして現代音楽の冷たさまで感じさせる 今の音楽を聴かせてくれました。
モーザーさんは開放弦を多用して、ダイナミックな伸びのある音をホールに満たしていきました。
また第2楽章や第3楽章でのppの絶妙な色合いもゾクゾクものでした。
ヴァイオリンとユニゾンで動くところなどでは、オケの奏者と密接なコンタクトをとりながら オケとの音色を融合させる演奏も良かったです。

アンコールは
♪バッハ:無伴奏チェロ組曲第1番~サラバンド
オリジナル重視のバッハとの対岸に位置するような ロマンティックな演奏。本当に美しいの極みでした。

休憩のあと
🎵ハイドン:交響曲 第50番 ハ長調 Hob.I:50
2番の交響曲からおよそ15年後の作品。私の今日1番の目的はこれ。劇音楽から再編集されたというこの交響曲は ソナタ形式の第1、2楽章の後半と、メヌエットのトリオに反復記号が無いのも 当時としては珍しい。
序奏のついた第1楽章はバロック風。
主部は8分音符の刻みをどのようなアーティキュレーションで処理するかが聴きどころ。でも 第1主題と第2主題では描き分けたものの、それ以上の複雑なことはしませんでした。
ディヴェルティメント風の第2楽章は第1ヴァイオリンと第2ヴァイオリンが16分音符の同じ動きをするところで なかなか合わなかったのが ちょっぴり残念。チェロの16分音符の動きはソロをイメージした動き(当時の楽団のチェロは1本)なのでどう扱うかな、と 気にしていましたが、やはりソロではなく チェロの合奏での演奏。ソロの音色で聴きたかったかも…
リズム主体のメヌエットと生まれたばかりのような旋律のトリオの第3楽章。トリオのユニークな形式の中、63小節目からの6小節単位の主題を同じ編成で4回繰り返す場面、どう変化を与えるかと構えていましたが、出てきた音は同じ。飯森さんは3回目にオーボエソロを前に出すかのような指示をしたものの…
快速で走り去る第4楽章。41,42小節でのヴァイオリンの2分音符に記されたターンの記号は 今回 無し。私的にはあの場面でターン3連続はちょっぴり変 って感じているので 納得。オイレンブルクとフィルハルモニアのスコアしか見てませんが、他の版にもターンがあるのかは わかりませんが…
大きな期待で待っていたため、もうちょっと突っ込んで欲しかったのは、私のわがままかもしれません。

今日の締めは
🎵ハイドン:交響曲 第88番 ト長調 Hob.I:88「V字」
意味のないあだ名つきのこの作品。円熟期の最高傑作ともいえる交響曲。
冒頭の音から それまでの3曲と異なっていて、驚き。山形響のモーツァルトの様な響き!
私はこれを待っていたのです。
文句なしの素晴らしい演奏が繰り広げられました。ホルンやトランペットは古楽器を想起させるよう。荒々しく そして 艶のあるハイドンが聴けました。
そんな中、宗教的な美しさをも感じられる第2楽章は 第75番の交響曲の第2楽章と類似した曲調。こちらを高く評価するなら『交響曲第75番にも光を!』と思いながら聴きました。
そして特筆すべきは、この曲でもチェンバロを加えたこと。音のコントラストがより濃厚になり、チェンバロのキラキラとした音色が 適度な華やかさが加わり、この作品に大きな魅力を与えてくれました。

終演後、ホール前でお友だちと3人でしゃべっていると、飯森さんがお帰りになるところ。3人で新しく出たハイドンのCDにサインをもらっちゃいました。



お疲れのところ、とってもフレンドリーな対応でさらにファンになってしまいました。

今日は天王寺の旅館でゆっくり休みます。