読売日本交響楽団 第191回 土曜マチネーシリーズ | 北十字の旅と音楽会記録が中心の日記

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午前中、お仕事をして 午後から都内へ。
お昼になると霧雨の首都圏。はっきりしないお天気が続いております。

今日は
読売日本交響楽団 第191回土曜マチネーシリーズ

14時~
東京芸術劇場

指揮:ゲンナジー・ロジェストヴェンスキー


《チャイコフスキー/三大バレエ名曲選》
チャイコフスキー:「白鳥の湖」、「眠りの森の美女」、「くるみ割り人形」から

82~92年まで10年間、定期会員だった読響のなかで、とても印象に残った指揮者。その後もできる限り足を運ぶようにしています。定期会員の時にはショスタコーヴィチの爆演や、絶対にリハは1回通して「じゃあ、よろしく!」で終わったであろう ハイドンなど、聴いていて『楽しめる』指揮者。そして今では日本フィルの某指揮者のオハコの終わった瞬間に後ろを向いて『ドヤ』と微笑むお茶目さも楽しみ。もちろん指揮の姿もfの瞬間、左手を『パー』にするなど、魔術師ばりのオーケストラコントロールが魅力。
もちろん今日もそこを期待。

今日は1階10列目、右端でしたが、ちょうど前の席から壁が外に開く位置にあったため、圧迫感もなく、指揮者を斜め後ろから見ながらオケ全体を見渡せる席は、S席でも納得の位置。案の定の完売公演。

最初は
🎵チャイコフスキー:「白鳥の湖」から
序奏~ワルツ~4羽の白鳥の踊り~ハンガリーの踊り~フィナーレ
冒頭から艶のある弦の音に魅了。読響、ここまで変わる? 昨年まで大阪定期会員で聴いていたのに、この音色は無かったゾ!
ワルツは遅めのテンポでリズムを明快。フレーズを繰り返すところで同じにするあたりは、バレエの舞台を思い出させる音楽づくり。
3羽…とハンガリー…もバレエ音楽!って感じ。そんな中、金管をまろやかに、でも 弦を覆い被せるようなバランスで 響かせるあたりは、さすが 音の魔術師。

2回目のカーテンコールでくるっとまわる得意のポーズを見せるや、タクトを降り下ろす。2曲目は
🎵チャイコフスキー:「眠りの森の美女」から
ワルツ~パノラマ~アダージョ
有名曲を3曲並べた選曲は、オーケストラの演奏会らしい、シンフォニックな堂々とした音楽づくりは、明らかに白鳥とは違うアプローチに聴こえる。
私のほとんど聴かない、『眠り…』でしたが、親しみを持って愉しく聴けました。

後半は
🎵チャイコフスキー:「くるみ割り人形」から第2幕
情景:魔法の城~情景:クララと王子・くるみ割り人形の登場~ディヴェルティスマン(6曲)~花のワルツ~パ・ド・ドゥ~序奏、変奏Ⅰ、変奏Ⅱ、コーダ~終幕のワルツとアポテオーズ
くるみ割り…は私の好きな作品。小学生の頃から、フィードラー抜粋盤のLPで親しんでいました。
ロジェストヴェンスキーさんの第2幕の演奏会は、昔、文化省響の来日公演で聴いたような…
冒頭からとても丁寧な表情づけがされていました。指揮の姿はここでは半分近く腕を振らない、ロジェストヴェンスキーさん独特のスタイル、左手 ぐーぱー の指揮。それだけでよくもこう ふくよかな音楽になるなぁ~と、もう感動的。リハが細かいの? 副指揮者、もしくはコンマスの力? と詮索したくなるくらい。
遅めのテンポは白鳥に近いですが、表情の豊かさは コンサートの仕上げ。ppが効果的に響いた箇所もありました。
ディヴェルティスマンのピエロの踊りのABAそれぞれの対比、特にAの部分のリズムの切れは楽しめました。また最後の 金平糖の踊りのきらびやかさはまさに天国的。チェレスタとハープのバランスが絶妙でした。

今日は 軽めのプログラムだったので、それなりかな…と思っていましたが、いやいや、素晴らしい演奏を愉しむことができました。
ロジェストヴェンスキーさんに応える読響に拍手です。

終演後、ロジェストヴェンスキーさんの時は毎回、サインを…と楽屋に行こうとすると、今日はダメ!と。仕方なく楽屋口にまわるも、そのままハイヤーに乗られてお帰りになりました。
『ロジェストヴェンスキーさんの指揮台』で立たれての指揮でしたが、ちょっぴり脚が弱くなられていたようでした。残念でしたが、元気で お茶目さ満載のかわいさ爆発のお姿が見られて大満足でした。