フェスタ サマーミューザ KAWASAKI 2016:日本フィルハーモニー交響楽団 | 北十字の旅と音楽会記録が中心の日記

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旅と鉄道と温泉が大好き。
そして、クラシック音楽も好きなもんだから、音楽会を理由に、日本国内を旅しています。
音楽と旅を中心に、日記を書いていきます!

昨日の大垣からの電車は花火に行く人、帰る人で賑わっていました。浜松止まりの電車が 臨時に袋井まで行くというので、そのまま乗って行けば 臨時のホームに入線し臨時の改札があり… と、これはレアだ!と思うや、花火が『ドン!』
乗り換えで本線のホームに行くと、側線に入った電車の向こうに大きな花火が見えました。



焼津の健康ランドでマグロの握りと黒はんぺんのフライ、塩味の駿河やきそばでお腹を満たして、ゆっくり。



テレビはオリンピック一色。ちょっぴり出遅れた感 否めず…
でも0時~、中村紘子さんの特番を懐かしく見ました。あのパワフルで温かいお人柄の中村さんが もう聴けない、って まだ信じられません。

今朝 健康ランドを出ようとして告知にビックリ!
『8月いっぱいで長期休業』って!
昨夜 書き直した8月以降の予定でも、9月17日は焼津泊のつもりでいたのに… 10泊の特典もそろそろなのに…
駿河健康ランドは駅から遠いのですが、これからはそちらになるのかな。

青空と山の緑が鮮やかな中、今日は東へ。帰宅せずにそのまま川崎へ。


フェスタ サマーミューザ KAWASAKI 2016
日本フィルハーモニー交響楽団
『オーケストラの醍醐味 バボラークの英雄』

ミューザ川崎
15時~(11時開場)11時30分~公開リハーサル

指揮:ラデク・バボラーク
ピアノ:仲道郁代


今日は11時30分からの公開リハーサル(ゲネプロ)から入りました。
ホールに入ると 1階席ロビーに中村紘子さんの色紙と写真が飾られていました。



中村紘子さんの最後のコンサートが今年の4月30日のミューザ川崎の東京交響楽団の演奏会のモーツァルトの協奏曲の出演だったということ。その日の色紙がありました。
昨夜のテレビのこともあり、ちょっぴり切ない気分になりながら、2階席へ上がっていきました。
お友だち3人もゲネプロから来ていました。私は前半の序曲とピアノ協奏曲は舞台下手サイド、後半の交響曲は舞台上手側後方で見ました。

3曲とも「予習のつもりで聴いておいて良かった…」という演奏。特に 交響曲ではバボラクさんの作品にどう対峙するかとしゃべる場面もあり、それを聞くことができたのが良かったです。
久し振りの日本フィルですが、特に交響曲での楽譜をその通り吹くだけ、という姿勢に大丈夫?って… 気になった所ではバボラクさんがしっかりチェックを加えてはいましたが、もう少し自主性があってもいいのでは…と。
日本初演?の協奏曲は、初めてでも耳に馴染む作品ですが、予習ができたのが嬉しかったです。第1楽章中心に、仲道さんの指が十分にまわってないのでは…と心配しちゃうところも散見。

みんなで昼食のあと
15時~ 本公演
1階3列の中央で聴きました。

そうそう!今日のコンサートマスターには(大阪フィルのコンマス)田野倉雅秋さんが座っていました。コンマスの出張、驚きもありますが、とても期待しちゃいます。このような特別客演のコンマスについて プログラムにひとこと載せてくれるといいのになぁ~

最初の曲は
🎵ウェーバー:歌劇「魔弾の射手」序曲
バボラクさんの音楽作りは、英雄交響曲もそうですが、楽譜からすべてを読み取ろうという姿勢がとても強い。恣意的なものはもちろん、時代の流れにすら影響されないというもの。
この曲ではオペラの序曲というより、交響詩のように、10分余りの中で『魔弾の射手』のストーリーすべてを語り尽くそうというような とても濃い音楽づくり。
テンポは極めて遅い。しかし、フレーズをしっかりと決めて 音を的確に構築していくので、間が持たないなどということが無い。
これをオペラの序曲としてやられたら「早く幕よ開け~」って感じですが、コンサートなら良しって感じです。
スコア重視の私好み(スコア無視も好きですが…)で、大満足。

続いて仲道さんのピアノが加わり
🎵クーラウ:ピアノ協奏曲 ハ長調 Op.7
オケは12型になりました。
第1楽章はベートーヴェンの1番の協奏曲に鳴り方、構成がそっくり。ただピアノは悠然と構えたベートーヴェンに対し、こちらは細かいことをチマチマとするような慌ただしさが 可愛らしい。
第2楽章ではクラリネットの扱いがベートーヴェンにそっくり!
ロンド形式の第3楽章はモーツァルトというより、ベートーヴェンの14歳の時のオケが未完成の変ホ長調の協奏曲に良く似ていること!
仲道さんは この珍しい作品の紹介の取り組みに拍手です。ゲネプロ時に感じたたどたどしさは解消されはしませんでしたが、機会があれば また他のオケでの演奏や、フォルテピアノでの演奏も聴いてみたくなりました。
唯一、ピアノアンコールに ソナチネアルバムから…と思っていたのですが、強制的にお開きにされてしまい、残念。

休憩のあとは
🎵ベートーヴェン:交響曲第3番「英雄」
ゲネプロと席が違うため、響きのバランスが極端に異なりました。ゲネプロの不安はそのためだったのでしょうか? ヴィオラがしっかりと聴こえたことで バランスの取れた組み立てが見えてきて、そして無表情に思えた管が それは節度をもった温かな表情で音を紡いでいたのに、ビックリでした。
全4つの楽章とも、とても遅いテンポ。そして特筆すべきは、特に第2楽章ですら、最後まで その遅いテンポを保持したということ! この交響曲のスコア、数年前に手を入れて まったく開くことなく、今日 初めて見ました。そんな私が ゲネプロと本番の2回でその忠実なフレージングの正確さや 楽器間の旋律の繋がりが如実に納得させられるような、目のつんだ演奏に感動でした。
バボラクさんの温かなお気持ちがひしひしと伝わってくる音楽。そこでは スコアの応援もあり、ベートーヴェンの実験的な精神がわかりやすく説明されていました。
現代流行りの スポーティーさとは対極の音楽。聴衆が寝ちゃうのでは…と心配しましたが、大きな拍手で締めることになりました。
今日はスコアを持っていって正解でした。

終演後、お友だちと再度集合して駅まで みんなでワイワイ言いながら歩いて解散。
私はバボラクさんがアンコールしなかったのが、オケを振るのじゃなくてホルンを吹く方、残念って!

慌ただしい週末でしたが、楽しめましたニコニコ