ラ フォル ジュルネ びわ湖2016~1、2+レクチャー | 北十字の旅と音楽会記録が中心の日記

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旅と鉄道と温泉が大好き。
そして、クラシック音楽も好きなもんだから、音楽会を理由に、日本国内を旅しています。
音楽と旅を中心に、日記を書いていきます!

GW突入!
前半は5/1の拝鈍亭があるので おとなしくしているつもりが、音楽会チェックでビビビッと来たのが4/30の夙川教会。被らないから行ける!って決めたら、29日にはわざわざ行くまでの規模でもないと思っていた、ラ フォル ジュルネ びわ湖がちょうど!(ついでに前日には平日だからと諦めていた名古屋フィルにも行ける!)
と、言うことで、一石二鳥どころか3つに増えて、昨日は名古屋となった次第。
で、今日は名古屋からびわ湖に移動。



初めてのびわ湖ホール!





ラ フォル ジュルネびわ湖も初参加。


最初に入れたのはコンサートではなく
✒レクチャー 「『森の歌』をめぐって ~音楽・政治・社会」

13時45分~
びわ湖ホール 小ホール

紹介文には
『政治・歴史に翻弄された『森の歌』。作曲に至った時代背景やその意義を探る。』

講師:亀山郁夫(名古屋外国語大学学長 ロシア文学者)
ゲスト:浅田彰(京都造形芸術大学教授)

最初に亀山先生が「森の歌」の背景の概略のレクチャー。
スターリンの粛清やジダーノフ批判の背景などは、勉強になりました。特に後者が、第2次世界大戦でドイツに進行した兵士が西の世界を見たことに対する怖れというのには 説得力がありました。

その後 お2人での自由な雰囲気での対談。ショスタコーヴィチの音楽は多角的に見るべき、と結論づけたストーリー。
ここでは社会主義リアリズムとは「現在を見るのではなく、将来の理想の世界はこうなる!」それに翻弄されたといわれるショスタコーヴィチの音楽は、第4交響曲までの前衛的音楽があるからこそ、森の歌のような 社会主義に迎合する音楽が書けたのだ!
とても中味の濃いお話を、かなりの早口で凝縮した60分でした。

レクチャーのあと30分のインターバルで
<オープニング・コンサート>オラトリオ「森の歌」

15時15分~
びわ湖ホール 大ホール

紹介文は
『オープニングを飾るのはショスタコーヴィチによる声楽作品。旧ソ連で第二次世界大戦後に進められていた大規模な植林事業への讃歌を、大人数の合唱で歌う壮大な作品。日本では戦後のうたごえ運動で盛んに歌われていたので懐かしく感じる人も多いのでは。』

二塚直紀:テノール
片桐直樹:バス
ラ・フォル・ジュルネびわ湖「森の歌」合唱団
びわ湖ホール声楽アンサンブル
大津児童合唱団
日本センチュリー交響楽団
指揮:ダニエル・ライスキン

合唱は総勢300人あまり。男女比が大きかったのは一般公募の合唱団では致し方ない。児童合唱も50人弱入りました。
座席は1階18列目の中央。適度な傾斜があり、文句なしの位置。

最初は
🎵スメタナ:連作交響詩《わが祖国》より“モルダウ”
強弱の対比は明瞭なものの、滑らかさにちょっぴり欠ける感じ。テンポが速い分、一本調子っぽく聴こえたのが残念。いつも いずみホールで聴くオケですが、やはりホールの大きさ、それにバックに合唱団のスペースを大きく取ったため、反響板が無い状態で、音が前に飛んで来ないため、微妙なニュアンスが届きずらかった感も。

続けて
🎵ショスタコーヴィチ:オラトリオ「森の歌」op.81
この曲は声楽が好きで、ショスタコーヴィチ好きと来れば、勿論。政治的駆け引きもそこに加われば、尚更。それが植物や自然を歌うとなれば、極致。
CDも新しいのを見つけると、即購入という、ハイドン的偏愛振りなのが、この曲。スコア持参の予定が行方不明で無しに。そのため音楽に集中できました。

冒頭、バスのソロの歌に驚いた。 なんと日本語歌唱。公演前にお友達と「日本語だと分かりやすいんだけどね~」と言ってたので。
こちらもちょっぴり一本調子に聴こえたのはオケの音がデッド気味だったこともある。が、それにもまして合唱が大味だったことも。
そんな中、4曲目の『ポプラ、ポプラ…』の児童合唱の弾力のある美しいクレシェンドの効いた歌唱は、どうみても合唱指揮者の力量が如実に発揮された結果でしょう。
それに続く『若者は前進する』の躍動的な曲では、合唱団の乗りの良さに指揮者も共感、どんどんテンポアップ。盛り上がりはいいのですが、リハと違ったであろうオケがバタバタ。弦がどんどん遅れて、こっちがハラハラ。遅れ気味のオケなんか無視の指揮者の度量の大きさにもビックリでした。
滋賀県民の熱い想いが結実した森の歌。びわ湖に来て良かったと思える演奏会になりました。

森の歌のあとに休みなくもう1公演


イリーナ・メジューエワ(ピアノ)

16時30分~
びわ湖ホール 中ホール

ホールに入ると なんと見事な書が4枚舞台の背後に掛けられていました。このホールの前の公演が 書道パフォーマンスと音楽の公演だったことに気づきました。またロビーにも別の小型の、といっても普通よりは大きな書が展示されてていました。



紹介文は
『ラ・フォル・ジュルネびわ湖でもすっかりお馴染みとなったメジューエワは、母国ロシアの大家チャイコフスキーの組曲を演奏。ひばりが春を告げる3月、ロマンチックな5月の白夜、悲哀をのせて11月の雪原を走るトロイカ…。抜粋で演奏される事は多いが、十二月(つき)全曲を通して演奏されることは滅多にない。音楽を通して描かれる、ロシアの季節の移ろいを楽しんで。』

12列目、右ブロックの内側。ベゼンドルファーのピアノ。メジューエワさんの手は見えませんでしたが、顔を見ながら聴けました。

🎵チャイコフスキー:四季-12の性格的描写 op.37bis

実演で有名な『舟歌』と『トロイカ』以外、初めて聴きました。
メジューエワさんらしい堂々とした音づくりの12曲。ペダルで微妙な音色を作っていくというより、鍵盤に触れた指の範囲で音の枠を決めていくという感じ。そんなメジューエワさんの音には 7~9月の3曲が一番ピッタリでした。

終演後、外に出るとメジューエワさんのサイン会。持参したCDにサインをもらいました。

帰りにお友達と夕食のあと、膳所駅でお友達とわかれて、私は瀬田の唐橋の中洲の宿でのんびりです。