古典四重奏団 -ハイドンの部屋- 第17回「円熟の境地 その3」:松明堂音楽ホール | 北十字の旅と音楽会記録が中心の日記

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旅と鉄道と温泉が大好き。
そして、クラシック音楽も好きなもんだから、音楽会を理由に、日本国内を旅しています。
音楽と旅を中心に、日記を書いていきます!

環太平洋造山帯を目の当たり。災害列島日本を痛感。断層の真上に町があるわけで、小さな余震?でも大きな被害になってしまいます。
そして本震(余震)がどれとか言っていますが、人間の物差しと地球の物差しの違いを客観的に捉えた見方も必要。中央構造線の上に沿っていることを考えれば、まだまだ序の口と考えれば大変だ。大分県や愛媛県の方に繋がらないといいのですが…
それより阿蘇はカルデラ、霧島も大量の火山砕屑物を出した噴火の過去があるのだから、南九州の地下のマグマのエネルギーの大きさも。地震での地殻の破壊が心配。噴火については大きな場合ほど わかったとしても公表はできませんね。
でも そんなことを気にしていたら 日本には住めません。被災していない地域との協力こそ、今 やるべきこと。東日本大震災の時の他都市の無能な活動家による瓦礫搬入阻止運動など、それをまともに取り扱う一部民放のアホな報道など、今回も変な方向にならないように願うばかり。
そして、人的被害を減らすには… は、私のいろいろな話の中での過激な対策も冗談ではない!と 話をしながら午前中に仕事をしたあと、今日は長時間の移動。

気を取り直して
西武線で新所沢へ。

松明堂音楽ホール
古典四重奏団 -ハイドンの部屋- ハイドン弦楽四重奏曲全曲演奏会 第17回「円熟の境地 その3」


松明堂音楽ホールで
15時~

古典弦楽四重奏団で
ハイドンの「エルデーディ四重奏曲集」の前半の作品の演奏会。
今日は後ろから2列目の中央。小さなホールなので、4つの音が適度に溶けて聴こえる このホールでの特等席。

前半最初は
🎵ハイドン:弦楽四重奏曲 ト長調 作品76-1 Hob.Ⅲ-75
音を上下させながらの第1主題がちょっぴりおどけた感じの第1楽章。後期の作品だけあり、4つの楽器が緻密に結びついていて、聴きごたえのある音楽。
眠たげな雰囲気を醸すアダージョは2つの主題が対比させながらの楽章。モダン楽器だったので、音に艶が出ていました。この楽章は渋い音色が合う感じかな。
プレストの指示があるメヌエットfとpの鋭い対比がいい。チロル民謡かと思えるトリオは旋律の音の跳躍がスリリング。ここでは大きな遊びを期待したのですが、落ち着いて楽譜の通り正確にダイナミックを再現した感じの真面目な演奏でした。
2つの主題を交互に出してくる終楽章。
精巧に組み立てされた音楽を ガッチリとまとめていきました。

続いて
🎵ハイドン:弦楽四重奏曲 ニ短調 作品76-2 Hob.Ⅲ-76 “五度”
この作品集の中では 屈指の名曲。第1楽章は副題についている『5度』音程が終始奏でられながら 音楽を作っていく。それはまるでベートーヴェンの音楽を聴いている様。
第1楽章の装飾音符を前打音的に扱ったのちちょっぴり抵抗を覚えましたが、それ以外は 曲全体に耳につく5度音程をそれぞれの楽器に織りこんでいきました。音も安定し 見事な演奏を聴けました。

休憩のあと
今回は先取り?プログラムで、ハイドンの最後の、未完で終わってしまった弦楽四重奏曲。
🎵ハイドン:弦楽四重奏曲 (変ロ長調)ニ短調 作品103 Hob.Ⅲ:83《未完成》
この曲は 本来の第2楽章と第3楽章が遺された作品。
短めの穏やかなアンダンテの最初の楽章。変ロ長調の柔らかい音色の曲を ちょっぴり憂いを帯びた雰囲気にまとめました。
ニ短調のメヌエットはちょっぴりシリアス。作品と等身大の 初期の作品のような感じの演奏が素敵でした。

今日の最後は
🎵ハイドン:弦楽四重奏曲 ハ長調 作品76-3 Hob.Ⅲ-77 “皇帝”
有名なこの作品。私も小学生の時から何度も聴いていて、一番耳馴染みのある弦楽四重奏曲。第2楽章がドイツ国歌の『皇帝讃歌』の変奏曲。お友だちは『讃美歌』(第2編194番)と 言ってましたが、ハイドンで最も世に知られた曲でしょう。
充実したアレグロの第1楽章。
展開部後半、チェロとヴィオラのハーディ ガーディーを模した空虚なドローン弦の響きが 私的にはこの曲のツボ。ヴィオラの後追いのリズムがしっかり聴こえたのが良かったです。
主題と各楽器に旋律を与えた4つの変奏曲のアダージョの第2楽章の 皇帝讃歌。第1変奏での第2ヴァイオリンの旋律に第1ヴァイオリンが絡む ヴァイオリン二重奏での音の豊かさ、第3変奏のヴィオラの潤いのある音が良かったです。
メヌエットでは4小節目の第2ヴァイオリンの最低音の民族楽器のような響きに乾杯!皇帝ではなく、農民の音楽!
颯爽と第4楽章を駆け抜ければ、そこには爽やかな田園の風かありました。

今日はハイドンの弦楽四重奏曲のなかでも 屈指の名曲と有名曲の組み合わせ。そしてどちらもあだ名つき!安心して?楽しめる演奏会でした。
この企画もあと2回となってしまいました。