新日本フィルハーモニー交響楽団第48回 新・クラシックへの扉 | 北十字の旅と音楽会記録が中心の日記

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今日は午前中 仕事をして、移動。通勤経路で向かったら、時間ギリギリ!あとで気がついたのは横浜市営地下鉄のコース。20分も早く着いていたのにビックリ。

目的地は 錦糸町の
すみだトリフォニーホール
14時~
新日本フィルハーモニー交響楽団
第48回 新・クラシックへの扉

指揮:十束 尚宏


十束さんのハイドンは、2009年にセントラル愛知響で、ヴァイオリン協奏曲に交響曲4曲という大盤振る舞いの(と言うより後期の作品を入れない、私にとっては魅力的な)プログラムがあったのに、別の音楽会と重なり行けなかったのが悔しく 忘れられない指揮者。
十束さんを聴くのは四半世紀振り。その頃はハイドンを振るようには感じられなかったので、意外かつ興味津々。

今日の座席は1階2列、中央やや左。
全3曲ともスコアを片手に聴きました。
オケの編成は12型。上手手前にヴィオラを置く日本のオケの普通の配置。

最初の曲は
🎵ハイドン:交響曲第44番 ホ短調『悲しみ』
この曲は絶対に両翼配置でないと 面白みが半減しちゃう。第1楽章での2つのヴァイオリンの掛け合いが鮮やかなのですが、前後に並ぶと… なのでその部分をどう聴かせるのか 注目していたのですが、なんとも中途半端な演奏。第1ヴァイオリン主導でもないし…って感じ。
第1楽章の冒頭で うまく間を組み入れた表情づけをしていたので、これは!と期待したのですが、反復しても同じ。それ以降 ハッとするところも少なく、真正面からの落ち着いたハイドンが聴けました。
第3楽章のアダージョは弦を絞ることもなく、弱音器の温かな音色の豊かな響き。
第4楽章は激しく熱い演奏とは正反対。的確で教科書的なまとまった演奏で仕上げました。
今日は103番も、ソナタ形式の楽章では前半のみ 反復を実施しました。

続いて 今日 期待の
🎵ハイドン:協奏交響曲 変ロ長調 op.84 Hob.l:105
オーボエ:古部賢一(新日本フィル首席オーボエ奏者)
ファゴット:河村幹子(新日本フィル首席ファゴット奏者)
ヴァイオリン:西江辰郎(新日本フィルコンサートマスター)
チェロ:横坂 源
この曲の河村さんのファゴットと言えば、忘れもしない2011年12月の神戸市室内合奏団の定期演奏会。ボッセ先生 最後の演奏会で絶品のソロを聴かせてくれました。
今日のヴァイオリンは私が仙台フィルで定期会員だった時のコンマスの西江さん。そしてオーボエに古部さんまでくれば もうソロに関しては完璧すぎる布陣。
河村さんがちょうど指揮者の陰で まったく見えなくなったのは想定外。
4人のソリストの競演が楽しいこの曲、古部さんは真っ直ぐな音。襟を正したような感じで引っ張っていく。
西江さんは微妙に旋律を伸び縮みさせながら 大きな表情をつけながらの演奏。古部さんと ちょっぴり音楽づくりが違うような…
その中間を取り持っていたのが ファゴットとチェロ。
河村さんはしっかりとしたリズムを刻みながら、時に歌う。一度 まわりに置いてきぼりをくらったようになったのは 指揮者の責任?
チェロだけが新日本フィルのメンバーでなかったのが微妙だったかも。もしかして横坂さん、このあと新日本フィルのトップに座る予定があるのかな?私的には今日オケのトップで弾いていた木越洋さんのソロも良かったのかと…
今日の4人のスタイルは 合奏の部分を除くソロパートのみを中心とした演奏。座席が前だったこともあり、私の頭の中は 4つのソロパート中心で楽しみました。
構築感の大きさが感じられた第1楽章。
たゆとうリズム感が癒しの極致に誘う第2楽章。
元気いっぱいの第3楽章では、287小節のアドリピドゥムの箇所に4つのソロの大きなカデンツァが良かったです!
堅実なハイドンの充実した協奏曲が楽しめました。

休憩の後、今日のメイン
🎵ハイドン:交響曲第103番 変ホ長調『太鼓連打』
この曲をマニアックな指揮者が振る場合、第4楽章で3小節の総休符が組み込まれた おどけた初版を使うこともありますが、今日はやっぱり通常版。
冒頭のティンパニソロは リズムを刻みながら入るスタイル。ひと昔前とは変わりました。
全体的にメロディーラインをしっかりと描いた穏やかな演奏。楽器のバランスも良く、耳に優しいハイドンになりました。ただ対旋律までもがとっても穏やかに演奏されたので、ハイドン独特の構築の巧みさを感じにくい仕上がりになっていたのは、1曲目と同じで 楽譜持参の私には残念。また、第3楽章も丁寧な演奏ではありましたが、反復前後の変化に乏しかったのが残念。
私の席から指揮者の奥に、古部さんと河村さんが見えました。ソロだけではなく、交響曲でも素敵なアンサンブルを聴かせてくれました。

最後にアンコールがあったのですが、なんと
🎵バッハ:管弦楽組曲第3番~アリア
なんでハイドンプログラムなのに…?
アンコールピースならば『ハイドンのセレナーデ』かな?と予想していたので、ビックリ。ここまでしっかりハイドンを組んだのならば、『月の世界』か『報いられた真心』の序曲あたりを持ってくるのではとの期待もしていたのですが…
残念。
ちなみに このアリアはとっても美しい演奏で、前後半、繰り返しをしました。


今日はその後、国内線で初めての成田空港。あまりに殺風景で人のいない通路をビビりながら出発ロビーへ。
当初の10分遅れ予定が 到着が遅れて、搭乗(順序を守れない人々)と離陸でさらに手間取り1時間遅れて関空へ。



この山手線のホームに並ぶかのような乗客はLCCだから? いや、この間の大分~成田はそんなことなかったし…
60分の薄明の空の上のグラデーションの美しさは絶品でした。 そして関空に着陸前のターンでは大きく輝く月がきれい! 今夜は窓側で正解でした。

あとはたこ焼きを夜食に買って、天王寺の旅館に一直線(の予定)🐙