錦織健プロデュース・オペラVol.6 :モーツァルト「後宮からの逃走」 | 北十字の旅と音楽会記録が中心の日記

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そして、クラシック音楽も好きなもんだから、音楽会を理由に、日本国内を旅しています。
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小雨の降る首都圏。花粉に乾燥の酷いこの季節には 寒いけど 嬉しいお湿り。
今日は9時半過ぎに 東京駅で仙台のお友達1に3月に譲る音楽会のチケットを渡して、お友達2にCDを渡し、第1の任務終了。
続いて、未知の町、越谷へ移動。
こちらでもお友達と待ち合わせ。お得なフランス料理のランチ、デザートつき、の昼食のあと、越谷 サンシティへ行き、レストランで、フランス料理とほとんど変わらない値段のケーキセットを楽しみお腹を満足させて🍰

14時~
サンシティ大ホールで
錦織健プロデュース・オペラVol.6
🎵モーツァルト「後宮からの逃走」

コンスタンツェ:佐藤 美枝子
ベルモンテ:錦織 健
ブロンデ:市原 愛
ペドリロ:高柳 圭
オスミン:志村 文彦
太守:池田 直樹
音楽監督・指揮:現田 茂夫
演出:十川 稔 
管弦楽:東京ニューシティ管弦楽団
合唱:ラガッツィ

という布陣。



今日は1階15列下手ブロック内側という 観やすい席。

3幕もので しっかりと2回、各20分の休憩を入れた 3時間10分の公演でした。

筋はスペインの貴族の娘一行が 海賊に捕まり、トルコの後宮に連れていかれたあとのお話。
そこにスペインから青年貴族が囚われた3人を救いに行く!
この1文で説明できちゃう単純なストーリー。なので 凝った演出を期待することは難しく、純粋にモーツァルトの音楽を聴きに行くのが目的になる。
このプロジェクトは今日が初日で3月24日まで全国で8公演が組まれています。そのため経費節約って感じもなく、大きな装置をしっかり組んだ 分かりやすい舞台になっていました。
それに合わせての演出も オーソドックス。とても安心して観れました。
そして最も安心して観れた理由は、台詞が日本語だったこと!この作品はドイツ語で歌われ(当時のオペラはイタリア語だった!)ストーリーもイタリア語のオペラと違って音符に乗って語るのではなく、台詞というスタイル。だから今日も歌はドイツ語ですがら台詞を分かりやすく日本語にしたので ストーリーの運びがしっかりとわかりました。

モーツァルトの音楽の魅力満載のこのオペラ、各曲ごとに聴きどころが散りばめられています。
今日、最も印象に残った役は、ブロンデの市原さん。華麗なアリアなどはないものの、第2幕で登場するや 最初のアリアで一気に魅了。そのあとも安定した歌唱と演技が光っていました。
また 憎まれ役のオスミンの志村さんも 押しつけがましくない人間味のある演技に、低音の魅力いっぱいの歌が素敵でした。
そして今回、このプロジェクトに絶対に行く!と決めたのが、歌の無い役、太守の 池田さん。子音をハッキリとゆっくりとした口調で語る台詞は 言葉の伝わりかたが図抜けていました。流石、のひとことでしたが、やっぱり歌を聴きたかった!
日本のトップクラスの歌手たちの公演だけあり、重唱のアンサンブルのまとまりは 昨日とはまったく違うレベルで聴くことができました。特に第2幕最後の四重唱は見事でした。

合唱はプロの集まりだけあり、見事。第1幕で太守が到着する際の合唱では 手前と奧に配置したメンバーが呼び応えるかたちで少人数に分かれる演出が生きていました。
オケはまずまず。ちょっぴり音が濁る部分や、コンスタンツェの第2幕の長大なアリアではソロ楽器が歌唱より不安定だったりと、ちょっぴり残念。座席からオケのメンバーがまったく見えず、オケピが深すぎる感じもしました。歌との微妙なズレは 歌手に合わせて修正をはかる現田さんの大きな指揮に、俊敏に反応仕切れていなかったり… ただ 今日が初日ですから!

最後の場面、太守が4人を開放する場面。イスラム教とキリスト教の和解について、これから将来にわたり… と語られたのは、偶然の一致か意図したものかはわかりませんが、今にピッタリの言葉に頷くしかありませんでした。まさに最後は 教訓として納得させられる締めになって(しま)いました。

会場は錦織さんの人気か、今日の聴衆の平均年齢があまりにも高く、女性が卓越していたのには驚きました。ただ、1階席の入りが6割程度だったのが 残念。そう言えば 都内でこのプロジェクトの越谷公演のチラシを一切見ませんでした。東京公演より3000円も安いのに…

今日は片道2時間近くかかりましたが、モーツァルトの華麗なオペラが楽しめました。行って正解でしたニコニコ