謹賀新年

昨年末には衆議院選挙があり、今年春には統一地方選です。
これまでは経済学の対象ではないため、静観してましたが
政治学では数理モデルや計量分析が用いられ、その基礎に
経済学があることを知り、なにか分析してみようと情報を収集しています。


国政選挙では、地方組織の有無が得票に大きくかかわるように思います。

市町村レベルだと個人票が大きいが、都道府県レベルだと政党の得票も
重要な要素となります。

衆議院選挙の結果と前回の地方選の結果を踏まえて、春の地方選を考察してみようかと
思います。

経済学のツールが他分野でも使われていることに経済学の奥深さを感じます。
いろいろな分野へ経済学の基礎を通じて進めていきたいですね。
あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いします。

昨年からの自分の研究を振り返ると
書物や論文を読んで、経済学の可能性を感じた1年でした。
経済学は社会科学の女王といわれたりします。
その意味を感じた1年でした。

経済分析という場合、使われる道具立てはミクロ経済学、
マクロ経済学、計量経済学です。
経済学の研究者にとって評価されるのは海外の学術誌に
投稿することであって、政策立案を考えることではないのです。

ただし、政策立案への経済学のニーズは確実に増えているように思います。
環境政策など政策立案に使われる道具はミクロ経済学で、デフレ政策は
マクロ経済学のツールを利用します。
物事を詳しく見ていく時に経済学のツールを利用することが
多くなるようになって来ました。
TPPなどの国際的な貿易交渉においても経済学の考え方を用いて政策の分析をし、
それが交渉に反映されています。

しかしながら、経済学のトレーニングを受けた人はまだまだ不足しているように思います。
経済学のトレーニングを受けていない人が経済を語りだすと必ず根拠を示すことなく
政策を語ることになり、頓珍漢な議論になってしまいます。
産業政策においても、これまでは直感で行っていた政策立案を経済分析を通して行うことが
多くなってきていますし、経済学の利用範囲は広がりを見せているというのが、
自分の感じていることです。

応用一般均衡分析が自分の分野ですので、
これをより政策に利用し発信していく年にしたいものです。
    堺区 中区 東区 西区 南区 北区 美原区 単位:%
2009年
自民 48.2 50.4 49.9 49.7 39.3 47.3 50.7
維新 46.6 43.4 43.6 43.2 53.6 46.7 43.0
2013年
自民 63.2 58.9 59.8 60.6 48.6 61.8 58.3
維新 36.8 41.1 40.2 39.4 51.4 38.2 41.7


堺市長選挙が終わりました。維新の会にとっては厳しい結果となりましたが,
個人的な感想をいえば,道州制にいたる過程は思うほど難しいということでしょうか。
堺を含め,関西地方は歴史ある都市がほとんどです。
大阪市と大阪府の二重行政は理解されても堺を含めるかということは
理解を得られなかったと推察します。近畿以外に居住する人たちには
わかりづらいかもしれませんが,それぞれの都市が確固としたアイデンティティーを
持っています。関東と同じ目線で見てはいけません。
関東では東京のベッドタウンになっている周辺都市がほとんどですが
歴史も文化も言葉も違うのが関西です。

さて,選挙ですが簡単に数字を見て振り返ってみます。
前回の市長選と今回の市長選で自民,民主,共産と維新で分けて
得票率を比較してみましょう。
2009年では南区,北区以外では自民ほかの票数が大きいことがわかります。
これが2013年になると全体で票数を伸ばしています。
南区では維新の得票が上回っています。今回の選挙では得票が2倍の差になっているのが
わかります。
2009年に維新に流れた票(浮動票)は2013年には自民民主共産に流れていると
考えられます。基礎票がある自民,共産は党勢や政治状況などの変化があっても
最低獲得できる票数が計算できます。今回それに無党派層が追加され
この結果になったのでしょう。

無党派に頼る選挙,あるいは政策を論じて票を獲得するというやり方と
基礎票つまり地盤をもつ選挙がありますが,
昔ながらの地盤,看板,鞄の選挙手法がいまだ有効であるということも
言えるでしょう。地方選挙では特に地盤のない選挙は勝てませんね。

東京都議選の結果が出ました。自民・公明の圧勝,民主の惨敗という結果でした。
今回の選挙では,共産党の躍進が目立ちます。獲得票数を前回の2009年選挙と比較すると,
票数自体は減少させている候補が多く,共産党が票を伸ばしたというより,
民主の票が分散し,組織票を持つ政党が当選ラインを超えたと考えるほうが自然な気がします。

たとえば,世田谷区選挙区を考えて見ます。
2009年選挙では,獲得票数に占めるシェアは
民主 40.7%
自民 22.7%
公明 15.2%
共産 7.5%
その他 13.9%
でした。民主党がほとんどの票を獲得し3人の候補者が当選しました。

2013年選挙では
民主 11.4%
自民 31.7%
公明 16.1%
共産 7.3%
維新       8.5%
みんな      7.7%
その他 33.5%
という結果でした。
民主党投票数の激減がわかります。
ざっくりと票の動きを考えると前回の選挙において,民主に集まった票のうち30%が
自民10%,その他に20%が移動しているようです。
公明と共産は大きな変化がありませんので,基礎票での当選と見るほうが自然でしょう。

自民党も10%の増加ですから,票を大幅に増加させたわけではないと言えます。
自民に入れたくない有権者が一定数いるということでしょう。
また,これらの票は共産党にも流れていないのです。
第三極がどう作戦を立てたかによるのではないでしょうか。

維新とみんなのシェアを計算すると維新8.5%,みんな7.7%でした。
みんなは単独候補で維新は2人の候補者を立てました。
みんなの党候補者は当選していますが,維新の2人は落選でした。維新が単独候補で
戦っていたら当選を果たした可能性が高いですね。

今回の選挙で,自民党は全員の候補者の当選を果たしました。
1人か複数候補かという選択をうまく票を読んで立てています。
自民の作戦が思い通りに決まったという感じです。
基礎票があり,そこから何人という計算をしていると思うのですが,
うまく当選ラインに乗せています。
それに比べて,維新は2人候補を立てたことについて,どこまで票を読んでいたか疑問です。

ほかの選挙区を見ても,民主票の激減が見て取れます。
この票がどう流れているか,流れをどこまで防いだかで当選ラインが変化しています。
民主候補者が踏ん張れたところは,流出を防いだと考えられるでしょう。

次は国政の参議院選挙です。第三極には厳しい戦いですね。
安倍首相がproject syndicateに2012年12月27日付で投稿をしています。

project syndicateは国際的なNPOであり、各国の新聞をつなぐ組織である。
専門家や活動家、ノーベル賞受賞者、政治家、経済学者、政治思想家、
ビジネスから学者にいたる各界のリーダーによる論考や分析を会員の新聞および
雑誌社に配信しています。

http://www.project-syndicate.org/commentary/a-strategic-alliance-for-japan-and-india-by-shinzo-abe

ここでセキュリティダイアモンドという言葉が出てきて、
中国の覇権主義を南シナ海は“Lake Beijing,”のようだと表現しています。
これまで、日本の政治家がこれほど明確に言っていることに驚きました。
このダイアモンドとは、ハワイ、インド、オーストラリアを結ぶラインが
安全保障上の連携が重要との認識を示すものです。

しかしながら、日本のマスコミは一切取り上げていません。
大阪の番組が取り上げていますが、全国ネットではないと思います。

日本のこれからを考える際に、安全保障や国防などの思考停止してきたことを
国益や将来のために考えていかなければなりません。

隣人だから仲良くしなければならないことはありませんし、
隣人でも悪意がある人とは付き合わないという選択肢があってもよいと思うのです。

反日は政治的なプロパガンダと考えるほうが自然です。
愛国教育をするために敵が必要だったのでしょう。
しかし、日本にとっては迷惑なだけです。こんな隣人に友好な関係が築けると思えません。
世界には日本にとって友好的な国もありますし、付き合う国を選ぶことも重要でしょう。
経済的な関係を危惧することもあるでしょうが、基本的に資本財を日本から輸入し、
加工した製品を米国などの先進国に輸出する経済関係ですので、
困るのは中国であって日本ではありません。

同様なことを韓国でもいえます。どうも最近は友好な関係をあきらめて、
反日に対して毅然とした態度をとるべきではないかと思ってます。謝罪と賠償とかw
あけましておめでとうございます。今年よろしくお願いします。

2002年に京都から東京へ引っ越してきて、10年がたちました。
2002年ワールドカップを見て、サッカー観戦を始めましたので、
京都サンガを本格的に見るようになったもの10年ですね。

経済学の学位を取る目標は達成できましたが、なにか社会への貢献をやってみたいと
模索した感じがします。

研究を続けて思うことは、経済学は実証的でなければならず、
現実の世界から、何を改善すればよいのか、
どう制度設計をすればいいのかを提案することが強く求められています。

いま研究をしようと思っているテーマを考えると

観光
環境
スポーツ
エンターテイメント

道州制
公務員制度改革
税制改革
教育制度
国防
社会保障(医療、年金、介護、福祉)
経済成長戦略

などなどいろいろありますが、具体的でイメージしやすい制度設計を
心がけたいと思います。
安倍内閣のもとで,新しい政権が始まりました。
今回の政権では,経済政策を強調していますし,デフレ脱却を主張していますね。
これらをアベノミクスといっていたりしますが,インフレターゲットを設定し,
日銀に2%のインフレ目標を守らせることでデフレ脱却を図ろうとしています。
このため,日銀法を改正し日銀が政府の施策と強調して金融緩和を行うことになるのでしょう。

インフレとはインフレーションのことで,物価上昇を表します。
逆に物価下落をデフレーション(デフレ)といいます。
一見してデフレのほうが良いように思いますが,一国経済で見た場合,そうとも言い切れません。
デフレは物価が下がっていきます。すると,企業の利益は減少していきます。
そうなれば,社員の給与も下げていかなければならず,家計の所得水準も減少していきます。
すると,物が売れない。この繰り返しがデフレスパイラルです。
経済が縮小してしまうわけです。
物の値段が下がるのですから今日買うよりも明日買ったほうが安く手に入ります。
消費の手控えが起こりますます経済は縮小していきます。
そこで,インフレを起こし,物の値段が上がっていくからこそ,
今買わないといけないようにし,消費を引き起こします。
インフレはお金の値打ちが下がることでもあるので,円安になります。
円が安くなれば輸出に刺激が加わり,輸出産業が息を吹き返すでしょう。

インフレターゲットのインフレは物価上昇ですが,
物価の指標は主なものとして2つあります。
1つは消費者物価指数,CPIとも言います。
さまざまな消費財のうち,代表的なものを選んで,消費財のバスケットを作ります。
この価格の変化を見るのがCPIです。
もうひとつがGDPデフレーターです。
名目GDP/実質GDPで計算されます。
名目GDPは物価の変動が含まれているため,
年を超えて比較するときは実質化=物価の影響を除いて比較します。
GDPは消費C+投資I+政府支出G+輸出X-輸入Mで構成されます。
だから,GDPデフレーターは投資財を含み,輸入財は含まない物価変動が算出されます。

インフレターゲットを行うときの数値は消費者物価指数を使うかもですが,
GDPデフレーターのほうが,一国の物価水準を表していると思うので
GDPデフレーターをお勧めしたいですね。
衆議院選挙が終わり,政権の交代となりました。
個人的には友人が立候補したこともあって,今回は
裏方さんも見ながらの選挙戦でした。

結果は自民党の勝利となりましたが,日本維新の会が54議席の獲得は
良い結果といっていいのではないでしょうか。

第3極勢力が分裂したことは票が割れることにもつながり,結果的に
自民党に勝たせてしまったというのが,数字を見ても明らかです。

サイト『ザ選挙』のまとめデータを引用して見ていきましょう。
たとえば,比例区の東京を考えて見ましょう。

投票総数,約650万票です。
このうち,自民党の票が,約160万票,前回2009年の選挙では,
約175万票で,得票率で見ると,約25%で変わりません。
自民党の圧勝でしたが,東京について言えば票を減らしているわけです。
続いて民主党は,約100万票でした。前回の選挙では約280万票でした。
大きく票を減らしています。得票率は40%から15%に減らしています。
民主党の政権運営についての有権者の評価が現れているようです。
さて,第3極はどうだったか,見てみましょう。
日本維新の会は,今回の選挙で初めて選挙を戦っていますので,
まずはみんなの党を見ます。前回の選挙では約42万票でした。
今回の選挙では,約76万票と獲得票を増加させています。
日本維新の会が約130万票を獲得していますから,
単純に足し算すると約206万票となり,
これに,日本未来の党の44万票を足し合わせると約250万票となり,
第3極勢力が一番大きな勢力となります。
東京の小選挙区では,日本維新の会は勝てませんでしたが,
うまく連携ができていれば
比例で議席を獲得できたでしょう。

ただ,民主党が失った約180万票は日本維新の会やみんなの党などの
第3勢力に流れています。
ここで,自民党の選挙は地方議員が国政の議員を支えるようにできていて,
この地方組織の強さが,票を逃がさないシステムになっています。
地方議員は党支持者よりも個人の支持者が多く,
個人の支持者が集まって国政の議員を送り出します。
今回,日本維新の会は地方組織を持たないまま戦いましたが,
次の選挙に勝つためには,地方の基盤は必須です。

自民党と民主党に入れない有権者がいることは確実ですし,
ここをうまくコーディネートできるかが,
国政のキャスティングボードを握れるかにかかってくるでしょう。
強豪として知られたクラブが降格の危機となっている。
さて、わがクラブ京都サンガは昇格する気があるのか
まったくわからない。
はぁ ため息。。
研究テーマを探して、論文や書籍を読みますが、ふと思ったのが、

経済学から考えてみる という言葉です。

このとき経済学は新古典派経済学を指していますが、日本において
教授されている経済学は必ずしも新古典派ではない経済学もあります。

日本では近代経済学とマルクス経済学の
2つのグループに経済学の基礎を分けていました。

近代経済学は日本独自の用語です。マルクス以外の経済学を
近代経済学と呼んでいます。新古典派やケインズ、制度学派など
細かい分類をすればたくさんのグループがあります。
しかしながら、ミクロ経済学やマクロ経済学などの書物で
紹介されている用語は共通していますので、ここでは、ミクロ経済学の
用語を使う経済学と考えましょう。

さて、この区分がソ連の崩壊、東欧諸国の市場経済化によって
マルクス経済学の存在意義が問われる形となりました。
マルクス経済学は名前を変えて分析手法も変更して(分析的マルクス経済学など)
いまも存在しますが、世界のマルクス経済学者の9割が
日本在住といわれた時代から比べれば小さなグループになった印象がありますし、
明確に2分することがなくなってきたように思います。
ただ、分野(経済史など)によってはいまだ影響力を持ち、
生き続けているというところでしょうか。

そうして、大学の講座名にマルクスの名前を見る事が少なくなりました。
と同時に、近代経済学といわれている分野が勢力をつけてくることになります。
これまで、マルクス経済学者が論じていた分野などが近代経済学の装いを
して、再登場しています。分析手法が近代経済学の基礎を形成している
ミクロ経済学になったため、専門用語から変えなくてはならなくなりました。

経済学から考えるというのはミクロ経済学の用語を用いる経済学者が
よく使います。新古典派といわれるグループが有名ですが、現在では
新古典派とケインジアンという分類をしません。仮定を変えただけの違いですから
グループというほどの違いはないのです。
ただし、マルクスとそれ以外は違いが大きいですし、
用語の定義も異なることが多いので同じ土俵で議論することは難しいのです。

さて、ここからが本題。
経済学から考えると言うと
市場経済を導入とか、市場メカニズムを導入などの言葉を聞きます。
価格が売り手と買い手で決まるように制度設計しようと言うことです。
ここで、注意したいのが新古典派の「新」の部分です。
そのもっとも大きな特徴は、市場は失敗する、ということを認めていることです。
つまり、市場を導入すれば必ずうまく行くわけではない
というのが新古典派の考え方のひとつです。
だから、経済学として考えるというのは
市場経済の導入はほかに比べてよい
という意味で、市場化すればすべて解決と言っているわけではありません。

市場が良いというのは専門用語を使えばパレート効率を達成できる
ということです。パレート効率とは損する人がいない状態を指している
と考えてください。市場を導入すれば損をする人がいなくなるので
望ましいわけです。
でも、条件によってはうまくいかないこともあるということですね。


社会保障の議論でもめるのは、たぶんここのコンセンサスがないからかなぁ
と思うんです。