東京都議選の結果が出ました。自民・公明の圧勝,民主の惨敗という結果でした。
今回の選挙では,共産党の躍進が目立ちます。獲得票数を前回の2009年選挙と比較すると,
票数自体は減少させている候補が多く,共産党が票を伸ばしたというより,
民主の票が分散し,組織票を持つ政党が当選ラインを超えたと考えるほうが自然な気がします。

たとえば,世田谷区選挙区を考えて見ます。
2009年選挙では,獲得票数に占めるシェアは
民主 40.7%
自民 22.7%
公明 15.2%
共産 7.5%
その他 13.9%
でした。民主党がほとんどの票を獲得し3人の候補者が当選しました。

2013年選挙では
民主 11.4%
自民 31.7%
公明 16.1%
共産 7.3%
維新       8.5%
みんな      7.7%
その他 33.5%
という結果でした。
民主党投票数の激減がわかります。
ざっくりと票の動きを考えると前回の選挙において,民主に集まった票のうち30%が
自民10%,その他に20%が移動しているようです。
公明と共産は大きな変化がありませんので,基礎票での当選と見るほうが自然でしょう。

自民党も10%の増加ですから,票を大幅に増加させたわけではないと言えます。
自民に入れたくない有権者が一定数いるということでしょう。
また,これらの票は共産党にも流れていないのです。
第三極がどう作戦を立てたかによるのではないでしょうか。

維新とみんなのシェアを計算すると維新8.5%,みんな7.7%でした。
みんなは単独候補で維新は2人の候補者を立てました。
みんなの党候補者は当選していますが,維新の2人は落選でした。維新が単独候補で
戦っていたら当選を果たした可能性が高いですね。

今回の選挙で,自民党は全員の候補者の当選を果たしました。
1人か複数候補かという選択をうまく票を読んで立てています。
自民の作戦が思い通りに決まったという感じです。
基礎票があり,そこから何人という計算をしていると思うのですが,
うまく当選ラインに乗せています。
それに比べて,維新は2人候補を立てたことについて,どこまで票を読んでいたか疑問です。

ほかの選挙区を見ても,民主票の激減が見て取れます。
この票がどう流れているか,流れをどこまで防いだかで当選ラインが変化しています。
民主候補者が踏ん張れたところは,流出を防いだと考えられるでしょう。

次は国政の参議院選挙です。第三極には厳しい戦いですね。