みなさん、こんばんは。早いもので4月になりました。関東のお花見は卒業シーズンですが、北日本はこれからが見頃ですね。毎年、日本は縦に長いなあと思う瞬間です。

 

さて、今日は胎児の心拍についてです。前回の記事(妊娠週数の数え方)では、妊娠週数の数え方についてご説明しましたが、一般的に胎児の心拍が確認できるのは、妊娠6週半ば~7週にかけてです。ものすごく成長が早くて妊娠5週末に心拍がかすかに見える方、妊娠8週になってやっと心拍が見える方、それぞれおられますが、いずれも頻度は少なめです。


胎児の心拍は見え始めで1分間100回あるかないかくらいから始まり、妊娠7週後半で心拍130~150前後、8週後半で150~170前後を経て、妊娠9週で人生?最高の1分間190回くらいまで速くなり、その後は徐々に落ち着いて出産する頃には140程度になりますが、個人差が非常に大きく、コンセンサスのある正常値というものはありません

 

妊娠10週あるいは11週で、前回よりも心拍が遅いが大丈夫かなどとたまに質問されますが、正常な変化ということになります。また、妊娠初期の心拍数は、波形を保存することで心拍があったことの記録になるので測定することが多いですが、胎児の場所が奥だったり小さすぎたりその他いろいろな事情で測定できなかったりすることもあります。ただし、よほどの徐脈(脈が遅いこと)ということでなければ、基本的には動いていれば大丈夫で、胎児の心拍数が、さほど重要というわけではありません。

 

なお筆者の主観ですがおそらく間違いはないと思いますが、妊娠週数計算上、体外受精の〇週〇日の胎児と、自然妊娠の〇週〇日の胎児では、自然妊娠児の方がやや大きめ、体外受精児の方がやや小さめです。これは週数の定義上そうなっているだけで、育ちがいい悪いではありませんが、特に体外受精後の妊娠の方が、自然妊娠の方の情報と比べて、「胎嚢(胎芽)小さくないですか」と聞いてくるのはあるあるですが、2~3日くらい小さめに推移する印象がありますので、多少小さいなと思っても気にする必要はありません。

 

妊娠5週なら胎嚢は「あればよい」、妊娠7週以降は「動いていればよい」というものです。

 

ところで、皆さんはよく、胎児の心拍が「聞こえる」などと表現することが多いと思いますが、胎児の心拍は、超音波の機能的に疑似音をスピーカーから出すことができないわけではありませんが、あくまでも疑似音であり実際に音がするわけではありませんので、私たちは妊娠初期の胎児心拍は通常「見える」とか「確認できる」などと表現することが多いです。

 

ということで、今日は、胎児の心拍数についてお話してみました。次回もお楽しみに!