少年少女ファーブル昆虫記 (2)/ファーブル

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【著者】ジャン・アンリ・ファーブル
【対象年齢】全年齢

特集第二弾はかりうどばちの話です。
かりうどばちの研究は、ファーブルが昆虫の研究を始めるきっかけとなるものでした。

以下は読書のポイント

【昆虫学者レオン・デュフール】
ファーブルが昆虫の研究を始めたのは、医者であり昆虫学者でもあるレオン・デュフールの
研究論文を読んだのがきっかけでした。
デュフールはタマムシフシダカバチというかりうどばちの研究を行い、
世界で初めてその生態を明らかにしました。
ファーブルはその論文を読み、自分も昆虫の研究をしようと決意したのです。

【昆虫の生態の研究】
当時の昆虫の研究は、標本を元に虫の名前を調べたり、
形態から種の分類をしたりという内容が中心でした。
デュフールの研究は、それらの研究とは異なり、生きた昆虫を観察し、
その生態を明らかにしたという点で非常に優れた研究でした。
農家に生まれて、日頃から生きた昆虫に接してきたファーブルにとっても
デュフールの研究方法は非常に魅力的なものだったのです。

【かりうどばちの獲物は生きている】
デュフールの研究は優れていましたが、ファーブルには1点疑問がありました。
「タマムシフシダカバチは獲物の虫を狩る時に防腐剤を注入し、
幼虫が食べるまで獲物が腐るのを防ぐ」という点です。
ファーブルは近い種類のコブフシダカバチが狩ったゾウムシを採集して観察し、
狩られたゾウムシがまだ生きていることを突き止めます。
そして、獲物のすりかえによってコブフシダカバチに目の前で狩りをさせることに成功し、
コブフシダカバチがゾウムシの神経を麻痺させることで獲物を生きたまま捕らえている
という新事実を明らかにしました。
さらに、ファーブルはペン先とアンモニアを使って、自分の手でゾウムシを麻痺させ、
ハチの獲物と同じ状態を再現することにも成功しました。

【ファーブルとデュフール】
ファーブルがかりうどばちの狩りについての新事実を発表し、学界から賞をもらうと
デュフールはファーブルに手紙を出しました。
自分の研究の間違いを指摘されて怒ったのでしょうか?
いえいえ、デュフールはファーブルに激励の手紙を送ったのでした。
ファーブルは専門の昆虫学者ではなく、当時はアマチュアの研究者と見なされており
昆虫記も科学者ではなく畑違いの文学者たちから支持されていました。
そんなファーブルが辛抱強く研究を続けられたのは
このときのデュフールの励ましがあったからこそと言えるでしょう。

ちなみにこの話は道徳の教科書にも載っています。
昆虫記は読んだことがなくてもこのエピソードを知ってる人もいるのではないでしょうか。
もっとも、美談として語られるということは、このようなケースはまれだという事でもあります。
他人の間違いを指摘されて逆恨みされることって多いですよね。