レンタルニート開始から今までを振り返り | ニート株式会社のレンタルニート

ニート株式会社のレンタルニート

NEET株式会社の事業、有り余る時間でみなさまと一緒に遊ぶレンタルニートです。

noteのコミュニティ「ニートマガジン」で作った文集に寄稿したのと同じ内容です。レンタルニートに歴史あり。

 

レンタルニート生活

俺は仲 陽介。2013年のニート株式会社設立以来、1時間1000円で遊びに付き合う「レンタルニート」をやっている。大した収入もなく起業してるんだかニートなんだかわからないような状態だけど、これまでの体験には面白いエピソードもいろいろあったのでそろそろまとめておく。これはニート株式会社(ニー株)の成果でもある。

1.NEET株式会社への加入

2013年春。大学を2年留年して卒業し、就職先も特に決まっていなかった俺は卒業した大学の就職相談課に通って履歴書の書き方を習うなど申し訳程度の就職活動をしていた。しかし大して本気になってはいなかった。ここに至るまでにあせっていなかった理由としては、そもそも日本流の新卒一括採用の風習に疑問を持っていたし、2年も留年してすでにほかの同世代とは違う立場に立たされていたのである種の開き直りがあった。挫折も味わったものの自分なりのやり方を貫こうという意志が固まっていた時期だった。

そう考えていた同年5月、当時からよく見ていたニュース系まとめサイトの記事に「救世主、求む」という大層なキャッチコピーとともに「ニートたちで作るNEET株式会社の設立メンバー募集」という内容が出ていた。自分の求めているものに合致しているようなしていないような気がしつつも、「起業」というテーマにも興味があったためひとまず応募フォームから申し込んでみることにした。

事業案会議などの設立準備期間を経て2013年の11月には「仮称」であったものが正式名称となり「NEET株式会社」が設立。翌月の12月には記者会見が派手に行われ、この時点で展開予定の事業の宣伝が大々的に行われた。

2.レンタルニートのはじまり

ニー株の設立はメディア向けに話題を作ることに重きをおいており、集まったニートたちよりも企画側の都合によって設立のスケジュールが進められていたところが大きい。記者会見まで開いたけどその後半年ぐらい、事業展開という意味での全体の動きはあまり活発ではなかった。

このままでは変化に乏しいこと、2014年春を迎えたことで大学卒業から1年が経ってしまったことなどからそろそろ自分で動き出そうと思い、構想していた「レンタルニート」を1人で開始したのである。当時ネットのニュースやTV番組などで「レンタル彼氏」「レンタル彼女」といった言葉が一般に認知されてきた時期だったので、同じく「レンタル友達」的なサービスを考えているのだとニー株メンバー達との話し合いの中で話題に出したところ、「僕らがやるならそれは『レンタルニート』だね」と名前と付けた人がいたので、響きのいいそのネーミングを採用することにした。

「1時間1000円で一緒に遊ぶサービス」の発想としては、設立準備期間に読んでいた本に影響を受けた。クラウドファンディングのCAMPFIRE創設者である家入一真氏の著書「お金が教えてくれること ~マイクロ起業で自由に生きる~」。小さいことから始める「マイクロ起業」という話題の中にあった、極めて限定的なエリアで1回500円でおつかいをするサービスなんかがヒントになっている。

レンタルニートと似たようなものに「おっさんレンタル」というサービスがあるが、やり始めたこの時期のちょい前にニュース記事になっているのを見てはいた。しかしパクったつもりはない。あちらは当時「人生経験豊富なおっさんがアドバイスをしてくれる」みたいな評判で広まっていたはずだけど、こちらは人生経験に乏しいニートが遊びに「だけ」付き合うサービスとして始めたので自分としては着眼点は全然違うのである。

「レンタルなんもしない人」という人もいるが、こちらはレンタルニート開始から4年後ぐらいに始まったもののはずなので同じく関係はない。しかし「ごく限定されたこと以外は全くしない」という発想は非常に近い。彼のエピソード報告の中には自分自身も同じく体験したような内容が結構多いので、レンタルの利用内容の傾向としては割と似通ってるはずだ。

なお、おっさんレンタル創始者の西本氏にはその後twitterでブロックされていることが発覚した。


3.宣伝方法どうするか?

レンタルニートを始めるにあたって取った独自の宣伝スタイル。それは看板を持って街中に立ち、その場で利用を受け付けることである。いろいろ作戦があったのだが、この頃の自分は「すべてを失って出来ることがなくなったときは街中で通行人から仕事を受け付けることで生き残ろう」と決めていた。ニー株設立から約半年後、2014年の5月にダンボール板に「レンタルニート 1時間1000円で一緒に遊びます」と書かれたプリント用紙を貼って秋葉原駅前で宣伝を開始した。

この看板には「スペック:25歳職歴なし 遊戯王やモンハン、ベーゴマやめんこなどで一緒に遊べます!」みたいなことが書いてあったわけだが、結果的には自分自身でこの看板を写真に撮ってtwitterに載せたツイートが計7000リツイートぐらいされて広まったのだった。「交通費が無くなって無一文になるまで宣伝をしよう!」と意気込み、秋葉原に通い始めてからまだ3回目の出来事であった。その後メディアの取材が入ってテレビ出演したりもあり、いろんなレンタル利用が入るようになった。

ちなみに初利用はこのtwitter投稿とは関係なく、同日にインターンで秋葉原のお店に来ていた大学生からの利用。就活に悩む中で「レンタルニート 25歳職歴なし」という文字を見て他人事ではない何かを感じたという。カフェでお茶しながらおしゃべりしたわけだが、つまりレンタルニートの初依頼は就活相談だったのである。


4.レンタルニートで体験したこと

開始早々にメディアで広まってくれたおかげでいろんな依頼が来た。よくあるのは食事の付き合い。初利用と同じくカフェでお茶しながら話すというようなものも多いけど、利用者がこちらへ聞きたいこととか、自身の悩み相談とか、話題の内容はそれぞれ。

杖道(じょうどう)という武道のトレーニング相手を受け付けたときがあったが、「マイナー武道ゆえに練習相手を得るのに苦労する」とのことだった。このような「相手を得るのに苦労する」案件には幅広く対応していきたいと思った。

よくある質問として、「今まで一番大変だったレンタル依頼は何ですか?」というのがあるが、こちらとしては1時間1000円の料金で大変な思いをするつもりは全くないので、お金に対し負担が大きそうな依頼は断っている。よって大変な思いをしたことはほぼない。連絡の段階で断った例として多かったのはバイトの代打とかで普通の労働を頼まれたときや、対応するのが男の俺自身であるとわかった上での男性からの性的サービス依頼。

宅飲みに対応したときに体を密着させてきた変な男の人はいたが、そういうときは冷たい対応をし、料金をしっかりいただいて早めに帰るだけである。世の中にはしょうがない男がいるのと同じで、しょうがないゲイも多い。エピソード的にはこれが「大変だったレンタル」に該当するのかもしれない。

よくある質問その2として、「じゃあ女性からの性的サービス依頼は無いんですか?」というのがある。その気がある人もいるのかもしれないが、女の人で最初からハッキリとそういう要望で連絡してくる人というのは少ない。あくまで通常の利用内容で会った女性とその後たまたま仲良くなっちゃったことはあるにはある。おかげでいきなり距離を縮めてくる感じのメンヘラ女性に対し経験を積んだ。しかしそれはレンタル利用とは直接関係ない場面である。いわばアフター。気分次第により対応。「添い寝依頼」ならばあったけど。


5.その後のレンタルニート 他にはどんな依頼が?

ここからは長い経験の中であったレンタル依頼の内容のうち印象に残ったエピソードを紹介する。

・旅行同行依頼。常連利用者に付き添い沖縄や北海道にも初めて行く機会となった。いわく、普段から出張が多い仕事もしているしプライベートの旅行も含めると定番の観光スポットにはもう何度も行っており、1人で行くのは飽きているとのこと。なお連日の旅行同行依頼の場合、寝る時間や自由時間は料金は発生しないものとしている。

・人探し依頼。上記「旅行同行」の記事をブログに掲載していたところ、「この記事に載っている依頼者は○○さんではありませんか?」と聞かれる。スマホに疎く、不用意に機種変したらLINEのデータが消えて連絡が取れなくなったということらしい。本人に連絡したら知り合いであることの確認が取れたので連絡先を伝え解決に至る。この2人は元々「ゲーセンで知り合った競馬ゲーム仲間」であり、共通の知り合いなどもいないのでLINEでしか繋がりがなかったらしい。

・気功(ヒーリング)の練習台。公園でベンチに座り、依頼者が俺の腹や頭に手をかざし何やら集中するのに付き合う。教本も持ってて、親が気功によって病気の治療ができたみたいなことを言ってた気がするがなんか怪しいと思った。邪魔しないほうがいいのか?と思いほとんど喋れずに座ってただけだった。

・しつこい元カレと縁を切るための別れ話の立ち会い。依頼者の女性と待ち合わせをしてから該当の元カレがやってくるのを駅前の市街地で待つが、話によればその人とはすでに過去に警察沙汰になっていたらしく「刃物持ってこないでね」などと電話口で言ってたので一気に緊張が走った。その後、駅前広場でやり取りする様子を3mぐらい横で見守り、元カレが立ち去るのをしっかり見届けた。念のため依頼者に対しその後の事情聴取はしっかりしておいた。弁護士の仕事か?

・仕事や生活の悩みでメンタル乱れてポストに郵便物がたまってしまい、公共料金の支払いをせずにいたらガス止まった人からの依頼。1人でポスト開ける勇気がないので一緒に開け、その後の書類整理やコンビニでの公共料金支払いを見届けた。リピーターだが、大学卒業直前に就職先を変えた結果、生活にいろんな苦労がある様子だった。あまりにも不穏だったのでその後色々と相談に乗ったり、気晴らしに付き合うことがあった。

・風俗店同行。手コキのお店。リピーターと食事しながら酒も飲んだあと「このあと女の子と濃厚接触しに行きますか!」というノリで行く(言い出した依頼者は飲んでない)。俺はといえば結構酔っていたためあっちの反応が悪く、だらしない結果になったのだった。なおこのときコロナ禍の騒ぎになり始めた初期で風俗店なんかが問題視されていた時期なので、当時おもしろネタとして利用報告を出せる雰囲気じゃなかった。ここで出して供養することにする。

・富士急ハイランド同行。ジェットコースター大好きな女性に付き添い、こちらは絶叫マシン未経験ながら楽な気持ちで臨むが、「体は正直」というやつで乗ってる間ガチガチに防御反応を示し、思った以上の疲れが発生した。なお翌日同じ方と続けて東武動物公園に行くが、動物園に行くものだと思ってたら実際には半分は遊園地であることを知り、ここでもジェットコースターに乗らされたのだった。タフな遊び方をするお方である。

・目が見えない人からの遊戯王カード対戦依頼。相手は自分のカードスリーブに点字シールを貼り付けることで種類を識別しており、互いのカードの詳細についてはスマホで検索し、Webページの読み上げ機能をかなり高速にして聞き取って情報を得ているようだった。頻繁に場の様子をお互い確認しながら勝負を進めるわけだが、目が見えないならカードの配置や場の状況を頭の中でしっかり把握しなければこの勝負は成立しない。すごい体験をしたと思った。


6.遊び以外の仕事を受け付けることもある

レンタルニートをやる中で「なんでも屋」のような仕事を受け付けることも今までに結構あった。当初は遊びに付き合うことを1時間1000円でやること以外は頑なに断る姿勢でいたが、いろんなことに対応できると常連利用者からは反応がよかった。よって条件によっては普通の仕事や代行業のようなことも受け付けるようになったのである。

なおこれらは当然1時間1000円ではなく値段は相談によって決定される。1時間2000円~が基準といった感じである。

・部屋掃除の手伝い。
・イベント参加代理。ライブに行って推しへのプレゼントを渡し、依頼者宛チェキも撮る。
・イベントの動画撮影とYoutubeアップロード。
・裁判傍聴付き添い。原告側陣営の人数増しのためか。スーツを着てその場にいればいい。いろんなイベントに応用が効きそう。
・退職代行。ニー株メンバーが短期的にやってたバイトの辞職表明となる電話を代行した。
・PCデスクトップ画面共有ツールを使い、遠隔操作をしながらの各種電話相談。通販の注文代行やメール代行、Webページの情報検索やプリントアウトなど。

もはや「なんでも屋」としての仕事も始めつつあると思う。

これら依頼の経緯はほとんどレンタルニートの常連利用者や知り合いからの依頼であって、こちらの人物像が伝わっていることによって成立していると思う。


7.今後やっていきたいこと

ここ数年では「ゲーム代行」の依頼を受け付けるようになった。ゲームの高難易度パートを代わりにクリアし、攻略をサポートするといった内容である。FF10の「雷避け200回」依頼をレンタルニートの連絡として受けて以来、「とれとれチョコボ」の代行依頼など定番の人気依頼が確立してきている。なお「とれとれチョコボ」代行料金は5000円、早ければ5分で終わる。まったく同様の依頼を今までに30件以上受け付けた。ゲーム代行事業は実はレンタルニートよりも圧倒的に専門性が高く、現実味のある仕事だったりする。

その他、俺は元々プラモデルが好きでニー株の活動の中でプラモデルの製作代行業もやっていた。ただ作るだけじゃなくエアブラシ塗装とかまでやる専門的なものだ。こちらもガンプラのMG作って1個あたり3万~とかで単価は高いんだけども、最近では時間効率が悪いのでしばらく受付を休止している。しかしプラモデルについても元々の趣味なので何かに活かしたい。「積みプラモ」を一緒に作ってあげるサービスとかやりたい。

通常のレンタルニートも含めこれらに共通することは趣味や遊びのサポートをするという発想であることだ。忙しい現代人、そして複雑な人間関係を抱える現代人にとって自分のスタイルに合致した遊び相手や趣味仲間を常に用意しておくことは難しいらしい。

これまでの経験で人々にはいろんな趣味があり、人間関係があり、事情による悩みがあることがわかってきた。これからもレンタルニートをはじめとして人々の遊びを手伝う仕事をしていきたいと思っている。
 

 

(↑もう10年前だよ~これ)

 

 

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