今日7月10日、あなたへ送る法華経からのメッセージは
『他人のせいにしない』
『不説侘人 好悪長短』
(ふせったにん こうあくじょうたん)
妙法蓮華経安楽行品第十四から
この文言のある安楽行品は、お釈迦様が
「悪世に法を弘めるための心得」
を菩薩たちに伝える章です。
安楽行というのは、
“安らかな心で、自ら願って行をなす”ということで、基本的な法が四つあります。
①身安楽行…振る舞いについての心得と交友についての心得。
②口安楽行…口に関する振る舞いの心得。
③意安楽行…精神的な心得
④誓願安楽行…『法華経を広める』という大慈大悲の誓願に関する心得
そして今回の文言、『不説侘人 好悪長短』は、②口安楽行について説かれています。
『他人の長所も短所も取り上げることは避けた方がいい」というこの文言は、
口は災いの元、という保身のためではなく、
それをする自身の心の有り様を顧みるよう促しています。
ある人の行いが、よく映るか悪く映るかは、見る人の心や、その人との関係性が影響します。
批判の精神で見れば、相手のアラばかりが見えてきます。
自分が正義だという基準で見れば、相手を否定・攻撃する材料はいくらでも作り出せますが、
自分のフィルターを通して見ている世界は、客観的事実ではありません。
また人を褒めることは、時として相手を有頂天にしてしまい、必ずしも相手にとってプラスになるとは限りません。
もしそれが過剰な賞賛であれば、それを言う自分の内面に、自己卑下や何かの要求など、ネガティブなな要素があるかもしれません。
この文言は、自らを内省し、自分の問題を他者に投げる事を戒めています。
今日も素晴らしい1日になりますように。