Geometric Multiplicity: eignvectors (1) | Chandler@Berlin

Chandler@Berlin

ベルリン在住

Eigenvalue と Eigenvector の関係で一つ疑問に思ってきたことがある.Eigenvalue はその値自体よりも multiplicity の方が興味ある対象である.なぜなら eigenvalue が同じ場合, eigenvector が独立でない「可能性がある」からである. eigen analysis のすばらしい点は, わかりやすい basis への変換にある.私の言うわかりやすいというのは, matrix が eigenvalue というスカラになってしまうという意味である. matrix は 2x2 ですら何が起こるか簡単にはわからないが,スカラ倍ならばなんとかなる.Ax = λx のmatrix A が λ に等しいというのはなんという驚きの簡単化であろうか!

ここで,eigenvalue が同じ場合, eigenvector が独立でない「可能性がある」と書いた.「可能性がある」とわざわざ quote したのは,一つの eigenvalue に対して,複数の eigenvector が存在するのかどうか不明だからである.

これが私のmultiplicity に関する疑問である.つまり,λ がmultiplicity (重解)を持つ場合,それに独立した eigenvector の数が関係するのかということである.

直感的には関わってくる気がする.というのも一つの eigenvalue に対して一つの eigenvector を計算することはできるが,二つ以上の独立した eigenvectorを探すことができるかというのが疑問だからである.

たとえば 2x2 の行列で λ = 1, 1 の場合,eigenvector は常に λ = 1 に対応する一つしかないのか? が疑問である.

これは eigenvector による対角化と関係していることが最近わかったので,ここにメモしておこう.実は私の直感は間違いである.

つまり,一つの重解になっているeigenvelue に対して複数の eigenvector が存在することは可能である.

次回は対角化と AM, GM を実際の例を見て考えてみよう.