Carpe diem for Billy | Chandler@Berlin

Chandler@Berlin

ベルリン在住

作家のキルゴア・トラウトはstar system を使っているので,同じ登場人物が異なる話に登場する.そのうちの一人はビリーである.ビリーの話が印象に残っているのでここに書いておこう.

あるビリーの人生では,ビリーは問題に直面している.それは彼が人生の意味を見失っていることである.彼はそれを再発明しようと SF を読む.他の文学は残念ながら彼に意味を与えなかったため,これが最後の希望だった.しかし地上では彼の人生の意味は四次元の世界にあるため,彼はそれを認識することができない.彼は心理学者に相談する.

ある時彼は最近亡くなった有名な人のトークのビデオを見る.彼は毎朝鏡に向かい,自分に尋ねる.「もし今日が人生の最後の日であるならば,今日やろうとしていることをするだろうか.」ビリー以前に既にこのような考えを聞いたことがあった.しかし,同じ内容であるにもかかわらず,この話者の話は彼の心に響いた.話者は言う,誰もが心のどこかで人生の意味を知っているのだと.

ビリーは考えた,もしこの考えを使って人生の意味を見出そうとするのであれば,それは彼にとって単なる概念ではなく.真実に近くなくてはならない.ビリーは自分の最後の日,デッドライン,を決めた.それまでに人生の意味が見い出せなければ,それは真に彼の最後の日になるであろう.ビリーも人生の意味がわかるかもしれない,しかしあまりにも長くそれを見つけることができないのであれば,それは彼にとって意味のないことであった.なぜなら毎日が彼にとって苦しみであったからだ.

この考えは最初の数週間,彼に人生の意味は与えなかったが,彼はより世界をクリアに見ることができるようになった.何をすべきかはわからないが,何をすべきではないかが良く見えるようになったのだ.彼の人生への興味は多少回復した.彼は今日が人生最後の日ということは実感できなかったが,あと何日で終わるということを考えることで,今日が終わりに近い日であると実感するようになったのだ.

しかし,結局彼は彼の決めたデッドラインまでに人生の意味を見い出すことはできなかった.そこで彼はこの世界から去っていった.彼は意味はみつけられなかったが,最後の日々を多少良く暮らすことができた.しかし,それはそれなりに良いことなのだろう.そういうものだ.