6σ の女性(3) | Chandler@Berlin

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ベルリン在住

ある人がどれだけ特殊かというのを図で示してみよう.図1で塗りつぶされている部分が,x <= +- 1σの中に入る人達である.ガウス分布では,中心が平均で,平均近くに沢山の人がいる.そして,平均から遠ざかっていくと --- つまり特殊な人になると --- その数は急激に減っていく.図2で塗りつぶされている赤い部分が,x <= +-1σ の中に入らない人達である.
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図1



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図2





実はこの図形の面積は全部で 1 になるようにしてある.だから面積を計算すると,どれだけ特殊なのかがわかるようになっている.さすがはガウス.

この値は私には手では計算できないので,ある賢いプログラムに尋ねてみると,図1の青い部分の面積は,0.6827 であるということである.つまり,68% の人は1σの人(正確には +-1σ)なのであった.さて,統計では,「普通の人」の割り合いは +-2σ (95.4%) か +-3σ (99.7%) がよく使われる.「普通の人」とは何かとは残念ながら数学では決まっていない.そこで,統計をとる人が勝手に決めるのである.ある政府は,「普通の人」を決める σ を統計によって変えるので,できればやめて欲しい.これはかなり恣意的で,たとえば,お客様満足度を測るとき,+-0.5 σ を「普通のお客様」ということにすれば,なんと 38% のお客様(半分以下!)が満足しているだけなのに,全ての「普通のお客様」が満足してしまうのである.これはまいった.残りの満足していないお客さんは,異常な客と数字の上でみなすのである.

では,私の友人の 6σ の人と呼ばれた人はどこにいるのだろうか.図3の面積がそうである.見えません!
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図3

計算してみると,
ans =
1.9732e-009
二億に一つの可能性になってしまった.日本にいる可能性は少ない.0.0001 *0.03 = 0.00003 (3e-6) は,100万人に3人なのでちょっと6σは言いすぎかもしれない.計算してみると,4.5σ位が丁度良いようである.ですから,今後彼女を 4.5σ の女性と呼ぶのは悪くはないであろう.