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λ計算で最初に私がとまどったのは函数がλしかないことであった.まあ,本当は函数をλと呼ぶためにλしかないのだ.λとは函数のことであるから,函数を「函数」と呼ぶのは当然なのだが,慣れないとどうも納得できないものだった.それまでの函数の概念と多少違う函数なので,そのまま函数と呼べば混乱を招くかもしれず,区別のために何か他の名前が必要だったのだろう.
とにかく函数というのはλである.何故記号「λ」が函数を表現するものとして選ばれたかは諸説あるが,ここでは立ち入らない.(logic で使われたから L のギリシャ文字λを使ったとか話はあるが,著者が知らないことなのでこう書いておくことにする.)
次に謎だと思ったのは calculus である.数学だとこういうものは Algebra ではないのかなと思っていた.記号論理学(symbolic logic)ではこういうものもcalculus と言うようだ.しかし,私は所詮素人なのでよくわかっていない.