滅多に雪や氷の張らない岡山県南でも
今朝はみぞれが降りました。
これで思いだしたのは父の事
頑固で怖い父が見せた優しさ
会社員なりたての頃早朝勤務をしていました。
5時出社に合わせて
3時半に起きて身支度を整え
4時半にマイカーで出発という日々
当時は実家で暮らしていたので
家族を起こさないよう
抜き足、差し足で静か~に出かけてた。
そんな早朝勤務で怖いのは雪。
滅多に雪が降らない地方なので
冬用タイヤはもってない。
社会人も新人なら運転も新人。
2センチ程度の雪でもビビってしまう。
ある年の朝、起きたら雪でした。
早朝なのでバスは走っていないし
会社まで歩けば1時間、、、遅刻だ
玄関でオロオロしていたら
寝ていたはずの父が
すでにコートを着て立っている。
「こっちに乗れ。」と一言
自分のクルマに乗り込んでいく。
照れくさいのか
「雪道は怖いだろうから送ってあげよう。」
とは絶対言わない。
頑固で怖い、昭和オヤジ
気に入らないと「出ていけ!」が口癖て
手が上がることもあった。
女に学問は要らないと信じているし
言いたいことは全部母経由で伝えられる。
めんどくさくて
近寄りがたくて
煙たい父だったのだ。
父が亡くなって26年
私もその歳に近づいて判ったことがある。
家族を起こさないよう静かに出かけていたつもりだけど
父は絶対起きていた。
車を出す音まで聞いて
「今日も無事出かけたな。」
と布団の中で確認していたと思う。
だからこそ
雪の朝、玄関でオロオロしていた私の
いつもと違う気配に気づけたのだ。
物音をたてたら
「うるさ~い!」と怒るとばかり思っていた
毎朝、娘の出勤を密かに見守っていたであろう
父の優しさには
最近まで気付かなかった。
私に子どもはいないけど
家族を思う気持ちは少し判るようになった。
頑固で怖い父の思い出は変わらないけど
送ってもらった思い出とともに
「父の優しさ」に気づくことが出来て
イメージが少しだけ修正された。
故人の素敵な一面に気づくことができる
年を重ねるのも悪くないね。
こんなの雪じゃない!
と全国から突っ込まれそうな今朝の椿
ではまたね。

