グラナダから南西に進路をとり、地図を眺めながら
久々のロングランの為にゆっくりと走り出す。

真夏のアンダルシアの暑さは、昼過ぎには35度を超える。

オリーブ畑が延々と広がる山地をひたすらに走り、
どこまで続くか分からない上り坂を自転車を押して進む。

真上から照りつける太陽をさえぎるものは何もなく、
時折目につく大きな松の木の下で休憩をしては、
松ヤニが靴にへばりつくのだが、気にすらしない。

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約1年ぶりの荷物を積んでのロングランは思いのほか厳しく、
この時期、この場所からのスタートを選んだ事を後悔しそうだった。

いきなりの山脈は流石につらく、暑さもハンパではない。

しかし3年前の夏に、町も商店も数十km何もない、
中国のタクラマカン砂漠を走った事を考えるとまだマシだ。

問題は体力が想像以上に落ちている事であり、
元の体力に戻すには一ヶ月は必要だろう。

山地で標高が高いせいか過呼吸気味に呼吸が荒くなり、
心臓の圧迫感と、太ももの痙攣が同時に起こった時は、
流石にヤバいかもしれないと思った。

初日は上りが多い事を考慮し距離は少なめに、
60km先の『アルハマ・デ・グラナダ』を目指したのだが、
8時間かけてなんとか辿り着く事は出来たものの、
適当な宿を見つけ、シャワーを浴びた後、
横になった瞬間からしばらく起き上がれなかった。

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アルハマ・デ・グラナダの町。ガイドブックには
なかなか載らないですが、超オススメです。

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走行中はコーラと水とオレンジジュース以外、
何も食事を摂らない僕は夜にピザを食べたのだが、
疲れ過ぎているせいか食べきる事が出来なかった。

日焼けした肌は熱を含みながら、
時間を増すごとにヒリヒリと痛み出す。
関節や筋肉のきしむ音が聞こえる様な状態で、
ようやく旅をしている事を実感する事ができる。

そしてそんな状態が幸せにすら感じるのだ。


翌日は『アルハマ・デ・グラナダ』のインフォメーションで
予めどんなルートが良いか相談して教えてもらった道を、
地中海を目指して南へと走り出した。

しばらくは急な上り坂を2時間程自転車を押して進む。

峠を越えた所からしばらく走った『ベンタス・デ・サファラヤス』
のスーパーでオレンジジュース1.5Lを一気飲みした後に、
トラックの運転手に確認の為に目的地までの道を聞くと、
スペイン語で何を言っているのかはほぼ分からなかったが、
「そこを曲がった所をまっすぐ行けばいいよ。」と、教えてくれた。

それと口笛を吹きながら指を下に向けて
「ずっと下り坂だし最高だぜ~。」みたいな事を言っていた。

そして走り出し言われた道を曲がって100m程進むと、
マラガ県の看板が立ち、目下には広大な景色が延々と広がる。

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山頂に辿り着かなくては得られない感情があるように、
何か一つを成し遂げた充実感がそうさせるのだろう。

言葉を失う程の美しい景色には何度か遭遇した事はあるが、
やはり過酷な道を進んだ後に、汗を流しながら見る景色は別格だ。

とりあえず記念撮影をすませた後は、海までの30kmを一気に走る。

スペインのヨーロッパ離れしたダイナミックな自然に囲まれながら、
時速60km以上で飛ばしまくるこの道は、今まで旅してきた中でも
最高の下り坂だった。

久々の地中海に辿り着き、海沿いの宿にチェックインした後は、
すぐに水着に着替え海に飛び込み、火照る体を強引にしずめた。


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『マラガ』までは30km程度の距離にある宿をとったので、
翌日はゆっくりとスタートし、難なくマラガに到着。
筋肉の疲れを取り、超回復をはかるべく2泊している。

この時期のヨーロッパはあちこちでお祭りが催されていて、
マラガでも祭りが行われ、街は派手に賑わっている。

歌と演奏と踊りと歓声と喧噪と歓喜と、、、

真夏のアンダルシアにはそんな賑わいがよく似合うのだった。

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マラガワインは非常に上品な甘さです。
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アンダルシアの青い空の下、建物の白い壁は太陽をそのままに映し出す。

マドリッドからアンダルシア地方へ南下するにつれ、
周辺の景色にはドット画の様なオリーブ畑の丘陵地が広がる。

6世紀初頭からイスラム勢力によって征服されたイベリア半島を、
再び取り戻す為のキリスト教徒達の活動『レコンキスタ』。

国土の回復を目指した再征服運動は、1492年にグラナダの
アルハンブラ宮殿が陥落した事で終焉をむかえた。

イスラム文化とキリスト教が融合した様な街並は、
他に類を見ない程に奇妙でありながら興味深い。

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そしてレコンキスタを象徴する『グラナダ』から、
自転車の旅は遂に本格的な再スタートを切る。

アンダルシアに照りつける真夏の日差しは厳しく、
日中は35度を超え、ほぼ毎日晴れ続ける。

「ピレネーを越えたら、そこはアフリカだ。」と、
かのナポレオンも言ったとか言わないとかの話だが、
ここから北アフリカまでは400kmを切る距離であり、
景色には既にアフリカの面影を感じる事が出来る。

日本への一時帰国や準備期間を含めて、
約一年はまともにロングランをしていない僕は、
若干の不安はあるものの、「とりあえず行こうか。」
と、楽観的な気分で出発する時を待っている。

残りのイベリア半島をジブラルタルを目指し走り、
約2週間後には海峡を船で渡り、モロッコに入ろうと思う。

アンダルシア地方の地図を買い、小刻みに丸をつけ、
無理せずに景色と過酷な暑さを楽しみながら走る。

次の目標は「アフリカ大陸を自転車で縦断制覇する!」

実にシンプルな目標であるからこそ、
言葉にすると達成可能な感じがする。

そんな事を思いつつ、明日からが本当の再出発。

長らくお待たせしたTERU-TERU Project第5章は、
『アフロスタイル』と銘打ってレコンキスタの魂を感じさせる、
ここ『グラナダ』からその1幕が始まるのだった。

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Facebookに登録してからは、ブログをさぼりがちでしたが、
これから再び旅の記憶を、記録として残して行きます。

皆様方乞うご期待!!
マドリッドの周辺観光をしながら数日間を楽しむ。

以前に訪れた際には風車の村『コンスエグラ』、古都『トレド』を周り、
マドリッド市内の美術館に何度も足を運んだ。

今回はまだ行った事のない所に行ってみようと、
マドリッドからバスで約1時間半の所にある『セゴビア』に向かった。

古都『セゴビア』はマドリッドからの日帰り観光地として人気があり、
バスも頻繁に出ているので、あまり時間を気にせずに出発する。

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セゴビアには非常に状態の良い水道橋が残り、大聖堂を含めた
旧市街全体がユネスコの世界遺産として登録されている。

細長い断崖の上に作られたセゴビアの街は要塞のようであり、
街の外観を眺めているだけで充分に時間を過ごす事が出来る。

旧市街の西端には『アルカサル』と言う古城が建ち、
美しい佇まいを今に残すこの城は、ディズニー映画
『白雪姫』のモデルになった事でも有名である。

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全長728mにおよぶセゴビアの水道橋
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セゴビアには午後1時くらいに到着し、刺す様な日差しの中、
ふらふらと旧市街を歩き、疲れたらカフェで白ワインを飲む。

町並みは流石にどこを見回しても美しく、
濃い影が落ちる細い路地からのぞく大聖堂は、
太陽に照らされ光り輝いている様に見える。

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しかし最近は天気が良すぎる。
と、言うか雲を見ていない。

ロンドンの曇り空が懐かしくすら思える。

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そんな中「アルカサルは遠くで見ないと、外観が全く分からない。」
と、せっかくだから城の外観が見てみたいと思い始めた。

そう思ったら行くしかないが、どう行ったらいいのか分からず、
とりあえず街を取り囲む道路を歩いて一周する事にした。

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暑いし日差しも強いしで、流石にしんどかったものの、
約一時間かけて外周をカメラ片手に歩き続ける。

感想としては「やはり大変かもしれないが外観を見るべき!」

崖の上に壮大にそびえる城の姿もさる事ながら、
教会や塔が象徴的な街の情景などは、
街の中からでは決して味わえない優越感がある。

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大都市であるマドリッドは街中にも多くの見所があり、
しばらく観光したとしても飽きのこない街ではあるが、
周辺にも多数の素晴らしい観光名所が存在する。

まだまだ見たい場所があり、また何処かへ足を運ぼうと思う。


しかし暑さにやられ、本気で食欲がないこの頃、
今日もコーラと生ハムのみで一日の食事が終わるのだった。