朝の集合時間まで雨だったので今日は野球の練習が中止になった。
ようやく時間とカラダが空いたので、
先月ガン告知を受け、治療のため入院している
従兄のケンちゃんのお見舞いへ。
もう切る事は出来ないほどの大きさになっていて、
抗がん剤と放射線治療という方針で進めている。
もともと細身だったケンちゃんはますます痩せて、
骨と皮ばかりのように見える。
それでも、話して笑ってくれたけど、その裏で
恐怖や苦痛と必死に闘っているんだろうと思うと…
ゆっくり穏やかに死ぬことよりも
生きる可能性を選んだ故の苦痛…
うちの父が亡くなってから、何度か実家に来てくれた。
私たちもお盆には母方実家の墓参りがてら
ケンちゃんの経営するドライブインへ行って
昼食を頂きながら話すこともあった。
ここ１年くらい「こんな爺ちゃん居たったなって覚えててほしくてさ」なんて
まるで今から死ぬみたいな事言って、どうしたんだろうって思ってはいたけど。
人は無意識のうちに、自分の身に起こる事を悟るのだろうか。
父が亡くなった後、あまりにも身辺が綺麗になっているのに母は驚いていた。
それはまるで「いつ死んでもいいように」なっていたのだそうだ。
突然死だったのに、まるでそれを悟っていたかのように、ね。
お父さん、自分がもうすぐ光に還る事を知ってたのかな。
帰り際ケンちゃんは
もう来んなよ 惨めな顔になっから。
９月になったらいいぞ。
そう言った。
８月には一応の治療が終了し、ひと月かけて回復していく予定。
うんと痩せて、骨が溶けてなくなったり片目の視力を完全に失うこと、
そういうことがあらかじめ説明されてわかっているからこそのコトバだろう。
アタシに出来る事なんて何もないのかな。
孫も４人目が生まれた。
でも、まだ５６歳。
なおったら、みんなで
どっかでバーベキューしたいなと思って。
その言葉のうら、言わなかったけどアタシには「昔みたいにさ」って聞こえた気がしたよ。
おばあちゃんが亡くなって、親族どうしでのもめごとがあって、
パッタリと交流が無くなってしまった時期が続いて、
それを解いてくれたのが、父の死だった。
小学生の頃には、長期休みの度に何日も何日も泊まって
ドライブインで働かせてもらったね。
みんなでバーベキューしたね。
きっとまた、あんなことがしたいんだよね、ケンちゃんは。
いっぱい頑張ってるのが痛い程わかるから
頑張ってねなんて言えなかった。
何も出来ないかもしれないけど
何か出来るかもしれない
探してみよう
アタシに出来る事