情報の大切さと踏み出す勇気 | 小鳥のしあわせ大使館

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まだ、バラナシにいます。

その時の僕には問題が2つありました。

1、お金がない
2、どういう交通手段で、どう行けば、残りの所持金で目的地につけるのかわからない。

一つ目はもう仕方が無いので受け入れましたが、もう一つの方は、わからないと本当に困る。

本来ならば、「地球の歩き方」と言う、安宿に泊り、安旅行をするひとたちのバイブルを持っているはずでしたが、当時の僕は本当に何も考えていなかったので、何故か、いいホテルといいレストランしか載ってないような、およそ今の自分には全く役に立たない、とてもすてきなインドガイドブックしか持ち合わせておりませんでした。

ただ、救いなのが、日本人旅行者のほぼ99%にのひとは、その「地球の歩き方」を持っているという事実、そして、今まさにホテルのレストランで二人の若い日本人男性が食事をしていると言う事実があり、
これはまさに千歳一遇のチャンスと言わねばなるまい。

ただ、一つ問題があり、それは僕がシャイガイだということ。そして僕が、都会人風の人間に対して恐怖に近い感情を持っているということである。

インド人に対してはわりと横柄な態度で接している僕だが、こと日本の都会人となると話は別で状況は一変、絶望的な様相を帯びてくる。

ホテルへ入る時に、その日本人男性二人が食事をしているのをさりげなく確認したあと、僕は一人自室にこもり、今こうして緊急会議を脳内で繰り広げる事となっている。

たかだか一冊の本を貸してくれと頼むだけなのに本当に情けない話だが、当時の僕はそれこそ真剣に悩んでいた。好きなあの子に告白をする時も、おそらくこれほど悩んではいなかっただろう。

でも、情報がないと真面目に家に帰れないので、しょうがないから、僕は決死の覚悟で、本を借りに行くことにした。

話しかけると、二人とも本当にいい人で、本を貸してくれるどころか飯もおごってもらったし、文明人のすうタバコももらえたし、本当によかった。

部屋に戻って、満腹の腹をさすり、もらった上等のタバコをふかしながら、一人達成感に酔いしれていた。

変なところで、インドにきてよかったと思った。