こんにちは。

札幌レポの途中ですが、
先日、子供との会話で、野生動物と人間の関係についての話になったので、ここでも。

知床で出会ったヒグマの話。
コメントで、「無事で良かったですね」という言葉をいただきハッとしました。

ヒグマを動物園で見たばかりで、北海道では道路でシカやキツネなど野生動物と遭遇することが何度かあったので、今回ヒグマを見つけた時も、「すごい!」とただ感動して車から眺めていました。



もちろん、緊張感もあったので声を出したり注意を引こうとしたりはしていませんが、クマがこちらを気にしていないようだったので、恐怖心や身の危険を感じるという感覚がなくて。



実はこのブログの後には続きがありました。

ヒグマに遭遇した後、知床五湖の展望台で、ある看板が目に止まりました。


実際にあった出来事を元に、野生のヒグマと人間の共存における悲しい現実が記載されていました。


最近のiPhoneはすごくて、この写真から文字を抜粋してくれたので、こちらに記載します。
長くなりますが、読んでいただければと思います。

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オコック展望台

湖畔展望台

エサやりがクマを殺す

ヒグマと共存するために私たちができること

Feeding bears can kill them. ~ Here's what we can do to protect them.



いちど人の食べ物の味を覚えると、人から食べ物を奪おうとしたり、車や家屋の中に侵入するようになり、あなたの後から来る観光客や地元住民を危険にさらすことになります。そんなクマは殺さなければならないこともあります。

クマにエサをやらないで。




「ソーセージの悲しい最後」コードネーム97B-5、またの名はソーセージ。


初めて出会ったのは1997年秋、彼女は母親からはなれ独立したばかりだった。翌年の夏、彼女はたくさんの車が行きかう国立公園入口近くに姿を現すようになった。

その後すぐ、とんでもない知らせが飛び込んできた。


観光客が彼女にソーセージを投げ与えていたというのだ。

それからの彼女は同じクマとは思えないほどすっかり変わってしまった。人や車は警戒する対象から、食べ物を連想させる対象に変わり、彼女はしつこく道路沿いに姿を見せるようになった。そのたびに見物の車列ができ、彼女はますます人に慣れていった。



我々はこれかとても危ない兆候だと感じていた。かつて北米の国立公園では、餌付けられたクマが悲終な人身事故を起こしてきた歴史があることを知っていたからだ。我々はは彼女を必死に追い払い続け、厳しくお仕置きした。人に近づくなと学習させようとしたのだ。

しかし、彼女はのんびりと出歩き続けた。



翌春、ついに彼女は市街地にまで入りこむようになった。呑気に歩き回るばかりだが、人にばったり出会ったら何が起こるかわからない。そしてある日、彼女は小学校のそばでシカの死体を食べはじめた。


もはや決断の時だった。子供たちの通学が始まる前にすべてを終わらせなければならない。

私は近づきながら弾丸を装楽した。スコープの

中の彼女は、一頭、あっ、というような表情を見せた。そして、ゆきつける激しい発射音。


ライフル弾の恐ろしいカ。

彼女はもうほとんど動くことかできなかった、瞳の輝きはみるうちに失われていった。


彼女は知床の森に生まれ、またその土に戻って行くはずだった。それは、たった1本のソーセージで狂いはじめた。

何気ない気持ちの餌やりだったかもしれない。けれどもそれが多くの人を危険に陥れ、失われなくてもよかった命を奪うことになることを、よく考えてほしい。



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というお話。

「ソーセージ」という名前も、最後まで読むととても悲しい名前に。



子供たちも、動物園での餌やりなどに慣れているので、こういう現実を伝えないとなと思いました。


もちろん、人間のエゴもあるけど、厳しいけど、これが現実。



「ソーセージ、かわいそうだね。」

今はその気持ちを持ってくれただけでも大事なことだと思います。


先日私たちが出会ったヒグマももしかしたら…と想像すると胸が痛くなります。





危険度は変わるけど、私の地元広島の、宮島の鹿も全て野生動物。

餌をやらないようにと言われています。

観光客から食べ物をもらい、そのゴミを漁るようになり、胃袋にビニル袋が溜まって亡くなっているという話も聞いたことがあります。



知床に限らずだとは思いますが、このような話をちゃんと現実として知り、理解した上で、野生動物との距離の取り方が大事だなと感じました。



知床湖の一つの看板で、いろんなことを考えさせられました。


楽しい遊びや観光だけでなく、旅先でのこういう話をしっかり子供たちに伝えていけたらと思いました。




Remi