映画と原作コミックでは、ラスト、地下鉄に横たえられて爆破とともに散ってしまうのは共通してるんだけど、原作コミックではそこでも"V"へのコダワリが発揮されてるのですよね。
Vはイヴィーに後のことを託し、「バイキング式に葬ってくれ」と言って絶命するんだ。
バイキングって、北欧で活躍してたヴァイキングだ。Viking、やっぱり"V"!
ヴァイキングの葬式は、遺体を船に乗せて火葬したり埋葬したりしたのだそうです。ヴァイキングっていわゆる海賊なのですよね、だから船なんだ。
北欧神話では、果敢に闘った末に命を落とした戦士の魂はヴァルハラという館に運ばれ、いずれ訪れる巨人族との戦いラグナロクに備えるために、戦いに明け暮れ戦士としての腕を磨くのだそうです。ヴァイキングたちにはその魂がヴァルハラへ迎え入れられるのが誇りであったそうです。
ヴァルハラ。Valhalla. やっぱり"V"なのだ。
原作コミックでは各章のタイトルが全て"V"から始まる言葉になっていて、最終章、CHAPTER11は "VALHALLA" なのですよね。
あの地下鉄が、ヴァイキングの船なんだなあ。Vのスペアのマスクを着けたイヴィーが、Vの亡骸を抱えて地下鉄に安置するところもコミックでは描かれてます。イヴィーすごい怪力?!というのは言わない約束よ!きっとVのために力を振り絞って抱き上げたのです!Vの最後の頼みなのだから。
しかしここまで綺麗にVが揃うなんて、完璧過ぎやしませんか。最初から考えてたのかなぁ、作者は。
20年前に手製の爆弾を爆破させてラークヒルを破壊し"V"となった彼は、今度も自身が仕掛けた爆弾によって散り、逝ってしまったんだ。
イヴィーと出会っていなかったとしても…もしV一人での革命だったとしても、Vは、クリーディとの決着をつけた後あの列車まで戻ってきて、その手でレバーを引き、その命を絶つつもりだったんだろうなと思う。
なんというか、一人で、何もかも一人で。始まりも終わりも一人。壮大な復讐劇も革命活動も一人。Vは何もかもたった一人でやり通すつもりだったんだ。自分の最期までも、自分の手で片付けるつもりだったんだろう…。
ヴァルハラへ。
でも、今度こそゆっくりして欲しいぞ、Vよ。