環境保全から地球保全へ〜宇宙共生時代の黎明 | Rememberのブログ Love & Harmony゚・:,。☆

Rememberのブログ Love & Harmony゚・:,。☆

Renegade Member of Family of Light. Systems Buster. Available for altering systems of consciousness within the free-will universe. On call ! Yoga-Maya is a Cosmic illusion by which divisions seem to exist in the Oneness that is true Reality.

科学雑誌「Seismological Research Letters」の2017年9/10月号に、もともと活断層もなく地震の少ない地域に建設されるダム、シェールガス採掘、温室効果ガス隔離政策(GCS=CO2地下貯留)、油田掘削、廃液地下投機、地中への電流放流、地下核実験などの人間活動が、その地域でのその後の地震活動と深く関係しているという研究が発表されています。


論文では「過去150年間における人間活動が原因とされる地震が728カ所で起きている」と指摘しています。都市伝説などでよく取り沙汰される地震兵器といった類いの「人工地震(Artificial Earthquake)」とは全く別で、人間活動が予期せず引き起こしてしまう、科学的裏付けのある地殻変動のことを「人造地震Induced Seismicity)」としてこれを区別しています。


1962年米コロラド州の軍需工場で化学兵器の製造過程で排出された放射性廃液を、3670mの地中深くに井戸を掘って一日に2万トン圧入廃棄したところ、それまで地震が全くなかったコロラド州に地震が起き始めました。試しに翌年廃棄を止めたところ地震は急減し、さらに翌年再び再開したところ地震は再発しました。

1967年、インド西部で発生した大地震(M6.3)の原因が、その4年前に建設されたコイナダムであるというのは世界の地震学者の間では定説です。元々、この一帯でほとんど発生してなかった地震がダム建設のあとに急増、特にダムの水位が上昇すると発生していたことが分かっています。


また、2017年に起こった韓国南部地震(M5.4)の原因を韓国政府の調査機関は、原油やガスの採取や地熱抽出やCO2貯留のために使われる技術で、岩盤に液体を圧入し岩石を破砕する「水圧破砕法(Hydrau lic Fracturing)」を用いた地熱発電所の建設にあると発表しました。同地域では発電所の建設以降、震度2以上の地震が頻発するようになりました。


「水圧破砕法」では作業で排出される有害な化学物質が混入された排水を、再び地中深くへ高圧で戻すために、本来はしっかりと噛み合っている岩盤の断層面が緩み滑りやすくなります。米オクラホマでは1978年から2008年までに年2回程度しか観測されなかった地震が、この方式を採用して以降は2014年に60回、2015年には907回も発生しています。

環境活動に取り組む日本を含む各国は、温室効果ガス削減目標達成のために、二酸化炭素を地中に圧入させる技術(GCS)を採用しました。しかし、世界各国で「人造地震」の研究が進むにつれ、この「CO2の地下貯留(CCS)」が地震発生率のリスクを高めることが分かってきました。


この人造地震の研究をまとめた日本で唯一の一般向け著書『多発する人造地震』の著者で「制御地震学国際会議(CCSS)」の委員長も努めた地震学の国際的権威の島村英紀教授は、『人間が巨大なエネルギーを正確にコントロールすることなど不可能。欧州や米国などでは「人造地震」の研究が日本より遥かに進んでいる』と言います。


海外の有名人が日本に来日し、生まれて初めて地震を体験したという話もあるほど海外では地震が少ないため、人間活動と人造地震の因果関係もより明確に把握しやすいのでしょう。地震の多い日本では自然地震か人間活動による人造地震か検証が難しいかもしれませんが、かと言って日本で起きていないとは言えません。


1961年の北美濃地震(M7.0)の震源近くには、1年前から貯水を始めた御母衣ダムがあり、1984年の長野県西部地震(M6.8)3年前からは、近くの牧尾ダムで貯水が始まり、2004年の新潟中越地震の震源から20kmの南長岡にある天然ガス田では、地下4Kmの岩盤に廃水を圧入していました。


英国の地球物理学者、M.ウィルソン氏らの研究では、2008年の中国四川大地震(M8.0)は、近くの紫坪埔ダムの3億トン以上の重量の水が引き金になったと報告しています。日本でも元々地震が少ない地域だった富山県の黒部ダム周辺では、2016年9月1か月だけで400回以上もの群発地震が観測されています。ダムは豪雨の際の放流による河川氾濫の呼び水ばかりでなく、地震を誘発する可能性が高いのです。


世界最高の高さを誇ったイタリア北東部のバイオントダムは、ダム建設後に急増した地震で弱くなった地盤が地滑りを起こし、記録的な豪雨で水位が上がったあと決壊しました。多くの家屋が全壊し多数の死者を出したこの事故は、2008年ユネスコの「国際惑星地球年(International Year of Planet Earth)」の一環として、技術者と地震学者の失敗による「世界最悪の人災による悲劇」ワースト5に認定されています。

人間が地下で何かをすれば、それが地震の引き金を引く恐れがあるのです。それに気がついた電力各社は既にダムに地震計を設置し、貯水の地下への染み出しや水の重量と地震との因果関係を調べています。しかしそのデータの多くは非公開とされており、日本ではこの分野の研究は海外ほど進んでいません。黒部ダムを建設した関西電力は地震計のデータを学会に出したことは一度もないようです。


日本の地震研究者の多くは、いまだに地震の原因を専ら火山活動と太平洋プレートだけで片づけようとします。しかし、特定の人間活動が地球内部に及ぼす負荷が、結果的に火山活動やプレートの移動と同様の刺激になるという研究が、何故日本では諸外国のように進まないのでしょう。研究者は政府や電力会社、ゼネコンなど大企業の意に沿わない研究は進めづらいのです。


米国地質調査所(日本の気象庁のような役割)では、2016年より「地震危険度予測マップ」に自然地震だけでなく人造地震の予測地点も加えるようになりました。このマップは緊急時の対応のみならず、建物の安全基準見直しや保険料の算定などにも使われます。日本の活断層のみのハザードマップに人造地震ハザードが加わるのはいつのことでしょうか。

地球温暖化や環境意識の高まりとともに、私たちは大気を汚したり、河川を汚染させたり、海洋に廃油やプラスチックを廃棄することが地球環境に深刻な影響を及ぼすことを認識しました。しかし、放射性廃棄物を含めた人間活動が生み出す有害物質や温室効果ガスを地球内部の奥深くに埋めてしまうことに関しては、いまだにあまりにも無分別で思慮に欠けていると言えます。

地球が、この宇宙に生まれた人間や動物や植物たちと何ら変わりなく、同じように鼓動し、呼吸し、体温を持つ生命体だと考えたときには、地震とは言わばその生命活動の一環としての、身震いやしゃっくり、くしゃみのようなものだと思えてきます。と同時にそこには、この銀河系宇宙の中での人類の地球への関わり方が見えてくるような気がします。


想像してみてください。人間や動物の身体を循環する動脈や静脈の一部を堰き止めて、身体の一部に血液を貯蔵したり、一定量以上の大量の体液や血液を血管から採取したり、体内深くに注射針を刺して影響度不明の物資や気体を注入したら…人間やペットの動物たちは一体どんな生体反応を起こすことでしょう。


新型コロナウィルスCovid-19対策として、人類が経済活動を止めたことにより、インド北部から数十年ぶりにヒマラヤが眺望できたり、イタリアベニスの運河でクラゲが目視されたり、春なのに東京から富士山が真冬よりクッキリ眺められたりと、久しぶりに澄み渡った空気を吸い込んだ地球は、ホッと一息ついているとは考えられないでしょうか。

これまでの我々の環境問題への取組みは、あくまで地球の〝外側〟を取り巻く環境に偏重していたという気がします。これまでの温暖化対策やPM2.5の抑制などは、我々人間の目に見え肌で感じられる、地球の表面的な環境改善にすぎませんでした。地球内部がどんな深刻な変化をきたしているかに無頓着なあまり、CO2を地中に注入したり、核廃棄物を地球内部の岩盤に〝廃棄〟するなどということがまかり通るのでしょう。


人類が生き延びるためという利己的な経済優先の環境保全ではなく、私たちの生きている地球と人類がこの大宇宙の中で共生していくために、地球そのものを護り育む真の環境活動を、是非とも人類に推し進めてもらいたいという地球からの切実な叫びが、地震や災害や疫病という形をとって、私たちに懸命に訴えかけているのではないでしょうか…


「いのちの理由」- さだまさし