公認会計士・税理士、高齢親の囲い込み解消コンサルタント 白岩俊正/静岡市・オンラインです。
仕事で相続問題を取り合うことが多いです。
このブログをお読みいただきありがとうございます。
少しでもお役に立てれば幸いです。
はじめに
「最近、親に会わせてもらえないんです」
「施設にいる母に、兄が『会うな』と言ってきて…」。
そうした相談が、この数年で確実に増えています。
昔なら、年をとった親をきょうだい全員で見守るのが当たり前でした。ところが今は「親を囲い込んで、他のきょうだいに会わせない」という事態が、全国で起きています。
なぜ、そんなことになっているのか?
本記事では、その背景にある社会の変化・法制度の盲点・家族心理を整理し、問題の本質を一緒に考えていきましょう。
無料オンライン相談 受付中
1. 社会の変化:家族の“つながり”が弱くなっている
昔は「長男が親の面倒を見る」「親の家に集まるのが当たり前」という文化がありました。
ところが現代はどうでしょう?
- 子どもたちは全国に散らばって暮らし
- 親の介護も“家族の責任”から“社会の支援”へと変化
- 親と会うのは年に1~2回、というケースも普通に
つまり、きょうだい間・親子間の物理的距離と心理的距離が、どんどん広がっているのです。
この「ゆるやかな孤立」が、あるとき突然、「会わせない」という明確な“遮断”に変わることがあります。

2. 法制度の盲点:「会う権利」が保障されていない
現在の日本の法律には、たとえば「孫と祖父母が会える権利」や「兄弟姉妹が親に会う権利」は、明文では定められていません。
もし親が認知症や病気で自分の意思をうまく伝えられない場合、「親の代理人」になったきょうだい(たとえば後見人や施設の“連絡窓口”)が、他のきょうだいを排除できてしまう構造があります。
本来は、後見人も施設も「親の意思の代弁者」であるべきですが、現実には「一人の子どもの意向が強く反映される」ことが多いのです。
3. 家族心理の問題:「親を独占したい」気持ちの裏側
囲い込みをしている子どもも、最初から「意地悪をしてやろう」と思っているとは限りません。
- 「自分が一番親の面倒を見ている」
- 「他のきょうだいは親を利用しようとしている」
- 「親を混乱させたくないから、会わせないほうが良い」
こうした“正義感”が、やがて他者を排除する方向に暴走してしまうことがあります。
さらにその背景には、
- 親からの愛情に飢えた子ども時代
- きょうだい間の競争や確執
- 親の遺産をめぐる思惑
など、複雑な感情の歴史が隠れていることもあります。
4. 声を上げられない子どもたち
「親に会えない」と悩む方の多くは、争いを避けたいという気持ちが強く、「仕方ない」と自分に言い聞かせてしまいがちです。
また、周囲に相談しても「家族の問題だから」「もう親も高齢だし…」とあきらめるよう促されてしまうことも。
その結果、孤立し、何年も親に会えないまま亡くなられてしまうというケースすらあるのです。
5. 「親に会う」ことの意味を、もう一度考える
ここで、問い直してみたいのです。
親に会いたいという気持ちは、本当に「わがまま」なのでしょうか?
高齢になり、判断力や記憶があいまいになっていく親にこそ、子ども全員の存在が必要ではないでしょうか?
「親は家族みんなのもの」。
たった一人のきょうだいに、親との時間を独占させてしまう現状を、当たり前にしてはいけないと私は考えています。
おわりに:あなたの“違和感”は、間違っていない
もしあなたが今、
「何かおかしい」
「親と会いたい」
と感じているなら、それはまっとうな感情です。
あなたには「親とつながる権利」があります。
そしてその想いを、言葉にしてもいいのです。
私たちは、その第一歩を応援しています。
次回は、具体的に「親に会えないとき、どう動けばいいのか」についてお話しします。
ブログのご紹介
ブログ主宰 しらいわ は以下のブログも作成しています。併せてご覧ください。
1. EQモンスター対策室 ~感情的な人に振り回されている方向け~
2. あなたのメンタルを守りたい ~心が少し軽くなるメンタルケアの情報を発信中~
3. インナーチャイルド解放コーチ しらいわとしまさ 幼少期の心の傷が未処理のため大人になっても生きづらさを感じる方へ
4. 感情の地図 〜EQナビゲーターが届ける“心の航海術”~感情と向き合う「心の航海術」を発信中
5. 高齢親の囲い込み 解放アドバイザー ~介護が必要になった高齢親が自分以外のきょうだいに囲い込まれて会えなくなった方へ~
6. 女性起業家×アドラー心理学(準備中)