このうたを。
しゃべりすぎたし。
『巡礼者たち』
エリザベス・ギルバート/著 岩本正恵/訳
原題は『pilgrims』で、新たな土地を目指す人、という意味も含んでいるらしい。
土地。新たな土地。
田舎から東京にでてきて、数年。とくに旅というわけでもなく、なにかを求めてというわけでもなく。
失ったものもあるし、新たに身についたものもあるだろう。出会った人もあるし、疎遠になった人もある。
歳を重ねれば当然のことなのかもしれない。
その土地その土地で身近に感じられる人と、人生の時間を過ごして、気の合う人合わない人について思いを巡らす。
某名選手が引退する際に、人生とは旅であり、旅とは人生である、と言っていたっけ。
タイムゴーズアラウンド。
この本に出てくる人たちも、出会いと別れを繰り返して、そのときそのときの思い出を胸に、今日もまた、今現在の身近な人たちといろんな思いを胸に、日々を抱き合う。
愛すべき人たちであり、これまでにどこかで出会ったことのある人たちなのかもしれない。
出会った人たちそれぞれに、それぞれの時間が流れ、今がある。
ずっとまえから企んでいたようなキスだった。
岩本さんのあやつる日本語が好き。
『ほとんど記憶にない女』
リディア・デイヴィス/著 岸本佐知子/訳
書店でふと手に取り、
棚に戻すことなくそのまま買ってしまった本。
帯の訳者あとがきに、
読みおわる頃には自分を取り巻く世界が前と少し違って見えた、とある。
自分に興味があるし、自分がいままで出会ってきた人や出合ってきたものやことにも興味がある?
その人たちにとっての自分という存在についても興味があるし、自分にとってのその人たちについても興味がある?
でもそんなことはすべてうそで?興味なんてものはない?
とかなんとかわけがわからなくなってくる。
誰もが一度は漠然と考え、でも、そのときに考えただけで特に記録に残すことなく流されてきた思いたち?
そのようなものを記憶から呼び集め、拾い書きし、読んでみた?
とかなんとかわけがわからなくなってくる。
でももう一度読みたくなる。
この本の世界に入り込みたくなる。
アメリカ小説界の小さな巨人??
たしかにおもしろい。