『巡礼者たち』
エリザベス・ギルバート/著 岩本正恵/訳
原題は『pilgrims』で、新たな土地を目指す人、という意味も含んでいるらしい。
土地。新たな土地。
田舎から東京にでてきて、数年。とくに旅というわけでもなく、なにかを求めてというわけでもなく。
失ったものもあるし、新たに身についたものもあるだろう。出会った人もあるし、疎遠になった人もある。
歳を重ねれば当然のことなのかもしれない。
その土地その土地で身近に感じられる人と、人生の時間を過ごして、気の合う人合わない人について思いを巡らす。
某名選手が引退する際に、人生とは旅であり、旅とは人生である、と言っていたっけ。
タイムゴーズアラウンド。
この本に出てくる人たちも、出会いと別れを繰り返して、そのときそのときの思い出を胸に、今日もまた、今現在の身近な人たちといろんな思いを胸に、日々を抱き合う。
愛すべき人たちであり、これまでにどこかで出会ったことのある人たちなのかもしれない。
出会った人たちそれぞれに、それぞれの時間が流れ、今がある。
ずっとまえから企んでいたようなキスだった。
岩本さんのあやつる日本語が好き。