考えることが止まらなくて苦しいと訴える人は大勢います。楽しいことであれば、考えが止まらなくてもいいのでしょうが、あなたの思考はそんな内容ではないですよね。
でも考えないようにしよう…はできないのです。
私達に出ことは、思考が起きても虜にならないようにするということです。
思考はあくまで現実になるまでは想像であり、予測でしかないのです。
私達は「困った思考」が起きていることに気付くと、とっさに分析しようとしたり、変えようとしたり、無かったものにしようと気を紛らわしたりします。そうすることでコントロールしようとしたり、取り除こうとします。
悲しいかな、それは出来ると思ってる。
でも、無理です。
こうした事は徒労に終わります。
余計に物語を作り出すことになり、余計にその思考は膨らんでいきます。そして思考が暴走してしまうのです。
あなたにも数多くの体験があるでしょう。
ある事を考えはじめたら、「…ということは、こうなるかも、あーなるかも」と一つの思いに過ぎなかったことが、二つになり、三つになり…といったことです。
どんどんはじめの思考から離れて、新たな思考が生まれ、そして物語として定着してしまいます。そしてその物語も、何度も繰り返されていくと、あなたの脳はそれを真実だと解釈、学習してしまうようになっています。
覚えておいてくださいね。思考はそもそも湧いてきては消えていく雲なのです。思考に対するこの原則を忘れてはいけません。
良いことであれ、悪いことであれ、それら思考は現実になるまでは、ただの雲です。ただそれ以上の関心を持たずに、そのままにしておけば、形を変え、目の前から流れていくだけのものなのです。
たとえその思考(物語)がいずれ現実となるほどに確信があるものであっても、「今ここ」の時点では存在していません。
ということは、あなたが怖い、不安となっている感情というのは、あなたの中の思考(物語)が元になっているのです。「現実」に不安や恐怖しているわけではないということです。
でも、その思考を止めることができないのであればどうしたらいいのか。
これからのあなたが目指すことは、思考は湧いてきては消えていく雲のようなものであるという認識のもと、それをただぼんやり眺めていく訓練をすることです。
こねくり回し、本来の形を変えてしまうような事をせず、ただ起きている自分の思考(物語)の発生に気付き、眺め、また出てきたものについても、出てきた雲をただ眺めては流すようにしていくのです。
自らも雲のように、浮かんで、あとは時間の経過に任せることを繰り返していくのです。
戦わず、ただそれを観察していくだけでいいのです。
こうした訓練を重ねていくと、やがて自分の思考に気付きを間に合わすことができるようになります。
気付けば思考の暴走は途切れます。
その途切れが予期不安を減退させ、自然と考えも暴走していくことが少なくなっていきます。
何かで気を紛らわして、考えないようにするのではなく、考えている自分そのものの状態に気付くのです。
何しない技術、気付きというものを、ブログとカウンセリングではお話をしています。そして、私はそれでパニック障害と嘔吐恐怖症から解放されました。
それは絶対あなたにもできることです。
かかった年数など関係ありません。
一度軌道に乗りさえすれば、あとはその軌道に沿って進んでいけば終着駅には、必ず辿り着けますよ。