毎日暑いですね、こんな時期、カウンセリング予約が増えてまいります。暑さにとらわれ、息が吸えない！と。
毎日、暑いですね。
…暑いですね！？…どうかしましたか？…先生…はい？息ができません。えっ！？あなた、息できているからお話できてるんでしょ？
息が今にもできなくなるような気がするんです。その感覚にとらわれているんですね。でも喉が詰まりそうです。詰まりそうな感覚にとらわれているんですね？先生！人ごとだと思って！…
息がつまる感覚にとらわれてしまった時に、どんな言葉を自分が使っているか観察できるようになるといいですね。あなたは、はじめ「息ができない！」と言ってました。それは事実でしょうか？
そして「息が詰まりそう！」とも言いました。それは事実でしょうか。
確かに感じているのは、あなた自身であり、そう感じているのは事実ですが、息ができていないわけではない、息がつまっているわけでもない。
でも、苦しいんです！そうですね、その感覚はとても苦しく、怖いですよね。でもね、全部「感覚」なんですよ。
息ができないような感覚。
息が詰まりそうな感覚。
そして、その予感が自分の恐怖心をあおっている。
感覚にとらわれていることに気付いてください。
先生！いつもいつも、気付け！、気付け！って言われますけど、気付いても、その苦しさに変わりはないんです！気付く以外に何かか方法はないんですか！？ないです…ないって…ないんです。あなたが自分の恐怖心を言葉を使って、あおっているんですよ。誰もそこに介入できません。あなた自身がそんな状態に気付きを入れて、修正していくことが求められるんです。
言葉を使って！？あおっている？
息ができないわけでもないのに、詰まってもいないのに、息ができない、詰まりそう…ってね。そんな時は、落ち着かせようと躍起にならず、次のように言葉を置き換えてください。
「息ができない…という感覚にとらわれていることに気付いています」
「息が詰まりそう…な感覚にとらわれていることに気付いています」
これが事実なのです。
自分の感じ方ではなく、事実を言葉にしてほしいのです。
「感覚に気付いています」という言葉を、語尾につけるだけでいいんですか？そうです。それだけで、自分の感じ方ではなく、誰が見てもわかる事実に切り替わります。そこで、はじめて自分の状態を客観的に見ることができるようになるのです。
それは主観的な見方ではなくなるということですか？そうです。自分の解釈の入ることのない、客観的な事実だけを言葉にするんです。そうすると、どうなるんですか？ラクになりますか？
すぐにはなりません。せんせい〜（泣）一旦放った言葉の威力は、残念ながら、すぐには身体を鎮めていくことにはなりません。それは受け入れてもらわなくては仕方がありません。でも、そのままにしておけば、さらに自分の言葉に縛られ、事実かのような錯覚をはじめるようになってしまいます。結果的に神経はより興奮してしまい、不快感は長引いてしまいます。
脳はそのように誤認していくのです。
その時点で私たちができることは、それ以上の神経の興奮を高めないようにすること。そのためには、自分の状態を客観的に観察できるように言葉で気付きを入れていくんです。
これも訓練…ですよね？そうです！訓練です！せんせい〜（泣）焦ってはいけませんよ（汗）では、もう一つの対処方法をアドバイスしますね。でも、これも先にお話した「気付き」をしておかないと効果はありませんよ。
はい！わかりました！（シャキ！）「感覚にとらわれていることに気付いています」と気付きを入れたら、次のように言葉にしてください。「ところで、今、なにが見えている？」
「ところで、今、なにが聞こえている？」
見えていること、聞こえていること、事実を言葉にしてください。
「コーヒーカップが見えているよ」でもいいですし、「冷房の音が聞こえているよ」でもいいです。事実として見える、聞こえることを言葉にしてください。
「今、なにが見えている？」「今、なにが聞こえている？」
でいいんですね？
…違います！（キッパリ）えっ！？なにか違っていますか？
見えているもの、聞こえていることを言葉にすればいいんですよね？
事実を言葉にすれば、今ここに戻るんですよね？
はい、目的としてはその通り。えっ！？なにが違うんでしょう。大事な言葉が抜けていますよ。大事な言葉！?「ところで…」が抜けています！あ〜ぁ…あ〜ぁ…じゃないですよ！とっても大事なんですよ、これ。
どんな風に大事なんですか？主観的な解釈にとらわれ、ある意味、自分を見失っている状態の時に、自分の主観的な言葉を変えていくには、きっかけが必要になるんです。ましてやそんな興奮状態の時に、冷静になれることは、まず不可能。そんな時、「ところでさぁ！」は、自分の一方的なとらわれ状態に、クサビを打ち込む役目を果たします。
もう一方向の見方をするための布石を打ちたいのです。この言葉を入れておくことで、脳は、もう一つの見方を受け入れる準備をし始めます。
そのために「ところでさぁ！」が必要なんですね。そうです。興奮した自分自身に、その言葉を放り込むことで、「えっ！なんだよ…」と少し、思考に隙ができるんです。そうしておくと、気付きがスムーズに入りやすくなります。その後の見えるもの、聞こえるものを言葉にするときには、すでに客観的な視点に自分を持っていくことができています。じゃぁ、気張って今ここに、自分をもってこようとしなくても大丈夫ですね。その通りです。そういえば、以前お話しの中で、「そもそも、なにをしてるんだっけ？」っていうのもありましたよね。そうです。それの変法です。なるほど！お話が繋がりました。ところで…はい？息は吸えていますか？はっ！吸えています…（苦笑）
そういうことです、とらわれというのは。はい〜毎度お騒がせしましたぁ（笑）
今のあなたなら、それができます！
レッツトライ！
以上、「【パニック発作】による窒息感への向き合い方」でした。
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